歴史ある建物を未来へ残す――。
そんな壮大な使命を背負って、清水建設が鳥取市にある国指定重要文化財「仁風閣」の保存修理に本格的に着手しました。建設業に携わる私たちにとって、現場でどんな工夫がされているのかは大きな学びになります。今回は仁風閣工事の全貌と、現場目線でのポイントを解説します💡
🏗️ 全天候型の巨大「素屋根」で現場を守る
修理作業の第一歩は、建物全体を覆う「素屋根(全天候型足場)」の架設です。
📏 規模はなんと…
間口27メートル
奥行き34メートル
高さ22メートル
10月末までに仁風閣をすっぽり覆い、雨風に左右されない作業環境を確保します。これにより屋根葺き替えや木部修理など、繊細な工事を安定して進められるのです。

👉 現場で足場や仮設の重要性を痛感している方も多いはず。「素屋根」はその究極版とも言える存在で、作業環境の安全・安定を最優先にした仕組みなのです。
🔨 修理の中身はどんな工事?
仁風閣の保存修理では、多岐にわたる作業が予定されています。
・床下の構造補強
・屋根の葺き替え
・木部の補修・取り換え
・壁・天井紙の張り替え
・煙突の更新
これらを2027年9月までの工期で慎重に進めていく計画です。
現場では部材をできる限り再利用し、腐朽が進んで使えない部分は新材に交換。その際には釘の跡や加工痕も調査し、「これは新築当時のものか? それとも過去の修理で入れ替えられたものか?」を判断し、記録に残していきます。
これは単なる修理ではなく「建築の歴史を未来に継承する」仕事。施工者にとっても高い技術力と忍耐が求められるプロジェクトです。
🏛️ 仁風閣とはどんな建物?
仁風閣は1907年(明治40年)、旧鳥取藩主・池田侯爵の別邸として建設された洋館です。
・設計者は迎賓館赤坂離宮を手掛けた建築家 片山東熊 🖋️
・延べ床面積は約1073㎡
・ルネサンス様式を基調とし、水平ラインを強調した外観装飾が特徴
その美しい姿から、映画やドラマのロケ地としても利用されてきました。まさに鳥取市のシンボルとも言える存在です。

🤝 誰が工事を担っているのか?
今回の保存修理工事は、市が発注し、施工は清水建設、設計は文化財建造物保存技術協会が担当しています。
文化財修復の現場では、大手企業だけでなく、専門協会や地域の職人・業者が協力するケースも多いのが実情。仁風閣の修理でも、高度な専門知識や技術を持つ人々が関わることで、建物を次世代へ残す大切な役割を果たしています。
👉 中小企業の皆さんにとっても、「文化財修理の現場ではどんな技術や知見が活かされているのか?」は、自社の強みを再発見するヒントになるでしょう。
👷 現場目線で学べるポイント
1. 足場・仮設の重要性
通常の建築現場でも「仮設がしっかりしていないと仕事にならない」というのは共通の認識。素屋根はその究極例であり、施工環境の安定が品質に直結することを改めて実感できます。
2. 再利用と記録の徹底
部材をただ交換するのではなく、痕跡を調査して記録する。この姿勢は文化財修復に限らず、現代建築の品質管理や改修工事にも応用できます。
3. 長期スパンでの計画力
工期は約2年。通常の建築工事よりも長期的に計画し、天候・作業手順・人材確保を考える必要があります。
👉 中小企業にとっても、「長期的な段取り力」は公共工事や大型案件を成功させるカギとなります。
🌟 建設業にとっての意味
仁風閣の保存修理は、文化財を守るだけでなく、建設業の社会的価値を示す仕事でもあります。
「壊して新しく建てる」だけでなく、「残して未来へ繋ぐ」。この発想は今後のリノベーション需要や歴史的建築物の再利用にも直結します。
中小企業や職人の技術も、こうした文化財修復の一部を担う可能性があります。普段の仕事の延長線上に「文化財を守る」という大きな意義があると考えると、建設業のやりがいもさらに広がるのではないでしょうか?
⏳ 完成は2027年
素屋根が外され、修復を終えた仁風閣の姿が一般公開されるのは2027年6月ごろの予定です。
それまで現場では、数え切れないほどの手仕事と工夫が積み重ねられていきます。
👉 この工事を通して、私たち建設業に携わる者が学べることは非常に多いはずです。
歴史を残し、未来をつくる。建設業の仕事の尊さを改めて実感できるプロジェクトですね✨
