毎日の現場や設計の作業に追われるなか、ふと自分の仕事や人生について考える瞬間、ありませんか?そんな時、建築士や職人を主人公にした小説は、仕事の現場感覚を思い出させるだけでなく、人生のヒントや気づきを与えてくれます。今回は、建築士や建設に関わる人物が登場する小説を3冊紹介します。どれも面白い作品ですので、現場での合間や通勤時間に手に取ってみてください。
1.『狛犬ジョンの軌跡』:建築士と不思議な犬の物語
まず紹介するのは、一級建築士・太刀川要が主人公の『狛犬ジョンの軌跡』です。本作は、不思議な黒犬・ジョンとの出会いから始まる物語です。フリーの建築士である要は、仕事に疲れたある夜、湾岸線を車で走っていたところ、道に飛び出してきた黒い犬と衝突してしまいます。犬は重傷を負っていましたが、要は彼を救い、自宅で看病することになります。この犬がのちに「ジョン」と名付けられ、要の生活の中で奇妙な存在感を放つようになります。
物語は、単なるペットとの交流にとどまらず、要の過去や幼少期の思い出、地元の干拓事業の騒動、さらには少年たちを襲った事件などが絡み合い、スリリングな展開を見せます。建築士としての要の視点は、同業者にとってはリアルな共感を得られるかもしれません。また、ジョンとの関係を通して「個とは何か」を考えさせられる作品でもあります。
この作品は、現場仕事や設計に携わる人にとって、自分の仕事や人生に立ち返るきっかけになるでしょう。要とジョンの関係性は、孤独や葛藤を象徴するかのようでありながら、温かさや希望も感じられる秀逸な物語です。

※二体で「狛犬」と総称されることが多いが、本当は右側(向かって右)が口を大きく開けた「阿形(あぎょう)」で「獅子」と呼ばれ、左側(向かって左)が口を閉じている「吽形(うんぎょう)」で「狛犬」と呼ばれることをご存じだろうか
2. 『鉄の骨』 池井戸潤著
『鉄の骨』は、建設業界のゼネコンを舞台に、公共事業を巡る政治と企業の闇を描いた社会派小説です。
主人公は、大手ゼネコンの社員で、公共事業の受注を巡る談合や不正に巻き込まれていきます。彼は、企業の利益と社会的責任の間で葛藤しながら、正義を貫こうと奮闘します。
この作品は、建設業界の裏側や企業倫理について深く掘り下げており、業界の実態を知る上で非常に参考になります。
3. 『建築探偵桜井京介の事件簿 未明の家』 篠田真由美著
『建築探偵桜井京介の事件簿 未明の家』は、建築探偵である桜井京介が、建築物で起こる事件を解決していくミステリー小説です。
桜井京介は、建築の専門知識を活かして、建築物に関する事件を解決していきます。彼の鋭い洞察力と建築に対する深い理解が、事件解決の鍵となります。
この作品は、建築に興味がある人々にとって、建築の知識を深めるとともに、ミステリーとしても楽しめる内容となっています。

📝 まとめ
建設業に関連する小説は、業界の実態や建築に対する考え方を深く知る上で非常に有益です。これらの作品を通じて、建設業に従事する人々はもちろん、建築に興味がある人々も新たな視点を得ることができるでしょう。
ぜひ、これらの小説を手に取って、建設業や建築に対する理解を深めてみてください。
