新光重機が開発した「3DMGターボ法バケ転圧管理システム」は、土木工事における転圧作業の品質管理と効率化を飛躍的に向上させる新技術として注目を集めています。
これは、油圧ショベルに装着したバケットを振動ローラーとして活用する際に、その施工状況を情報化施工(ICT施工)の枠組みでリアルタイムに管理するシステムです。
具体的には、転圧深度や転圧回数、締め固めの状況を把握し、オペレーターの経験や勘に依存しがちであった従来の施工方法を一新。
国土交通省の新技術情報提供システム(NETIS)にも登録されており、特に公共工事分野での活用が期待される新進気鋭の施工管理システムです。
Q1: この3DMGターボ法バケ転圧管理システムは、具体的にどのような仕組みで品質を保証するのでしょうか?
A: 本システムは、油圧ショベルのバケットを転圧機として利用する際に、高精度な計測を可能とする技術を採用しています。
アーム、ブーム、フレーム、そしてバケットそれぞれにセンサーが組み込まれており、バケットを降下させた位置で転圧深度や振動回数を正確に計測し、管理データとして記録します。
これにより、作業の進捗に応じて、施工範囲のマップ上で転圧状況の色がリアルタイムで変化する形でオペレーターに提示されます。
オペレーターはこの画面を確認することで、現場全体における締め固めの状況を目視で確認可能とし、転圧ムラのない均質な施工を確実に行なうことができます。

締め固め時間を管理する(新光重機提供)
※画像は日刊建設工業新聞さまからお借りしています。
Q2: 従来の転圧作業と比べ、現場のオペレーションにどのような変化をもたらすのでしょうか?
A: 従来の転圧作業においては、均一な締め固めを実現するためには、振動ローラーの操作員の熟練した技術と「勘」が極めて重要でした。
特に、経験の浅いオペレーターの場合、必要な締め固め回数や密度に至らなかったり、逆に過剰な転圧を行なってしまったりするリスクが存在しました。
しかし、本システムを導入することにより、オペレーターはディスプレイ上に表示される目標値や進捗状況に従って作業を進めるだけで、客観的なデータに基づいた高密度な施工が可能となります。
この「ノウハウを組み込んだ」システムは、作業員の経験差に左右されやすいという施工品質上の課題を解決する大きな鍵を握っています。
また、設計データで規定された範囲外にバケットが移動した場合、転圧を行なわないよう制御が働くため、不要な転圧を未然に防ぎます。
Q3: 現場での効率化や時短効果はどのように評価されていますか?
A: 転圧作業の完了には、規定された転圧回数や密度を確保することが求められますが、この新技術は「締め固め完了までの時間を約半減」させる効果があるとされています。
従来のプロセスでは、転圧後の密度測定などが必要であり、その結果を待って再施工の判断をすることが少なくありませんでした。
これに対し、本システムは施工と同時に品質データが収集・記録されるため、施工完了時点が品質確保の完了時点とほぼ同義となり、作業時間が大幅に短縮されます。
結果として、工期の短縮、それに伴うコストの最適化に寄与する効果が期待されます。
Q4: データはどのように記録・活用されるのですか?品質保証に役立ちますか?
A: 施工中に計測された転圧に関する履歴データ、すなわち施工深度や転圧密度、転圧回数といった重要な情報は、すべて現場で自動的に記録されます。
これらの履歴は、カラーマップとしてグラフィカルに表現されるほか、パソコンなどに出力し、帳票として提出することが可能です。
この機能は、特に公共工事などにおいて厳格な品質証明が求められる場面で、客観的かつ信頼性の高い資料として機能し、品質保証体制を強化します。
現場の担当者は、このデータを活用することで、過去の施工状況を詳細に振り返り、次の工程や将来のプロジェクトにおける改善点を見出すことができます。

※この画像はイメージです。
Q5: 開発の背景には、どのような現場のニーズがあったのでしょうか?
A: 開発の根底には、建設業界特有の「経験と勘に頼る施工」からの脱却と、若年層や経験の浅い作業者でも高品質な施工を容易に実現できる仕組みの構築という強いニーズがあります。
特に、土木工事は地域や地形によって複雑な要素が絡み合い、均一な品質確保が困難な場合が存在します。
このシステムは、長年培われてきた熟練したドボク技術者(ショベルオペレーター)のノウハウをデジタルな形で取り込み、システムに内蔵させることで、技術の継承と標準化を同時に図ろうとする試みでもあります。
開発側は、現場への導入にあたり、ユーザーからの要望や詳細なニーズに応じた機能強化を図るなど、積極的に現場との連携を進めているとしています。
Q6: 今後、どのような現場での導入が期待されますか?
A: 本システムは既にNETISに登録されており、情報化施工推進の波に乗って、国や自治体が発注する公共工事での利用が最も期待される分野です。
特に、道路建設や造成工事など、広範囲かつ高精度な転圧管理が求められる現場においては、その品質担保能力と効率性の高さから、標準的な施工方法の一つとして採用が進む可能性があります。
また、本技術のようなICTを活用した施工管理システムは、現場の生産性を向上させ、建設業界全体のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進に貢献する要素としても重要視されています。
まとめ
3DMGターボ法バケ転圧管理システムは、油圧ショベルのバケットを利用した転圧作業において、施工品質をリアルタイムで可視化・管理し、作業効率を大幅に向上させる革新的な技術です。
熟練者の経験に依存していた品質管理を客観的なデータに基づいて標準化することで、工期短縮とコスト最適化に貢献し、建設現場の生産性向上に寄与するものと考えられます。
