徳島県阿波市の新プラント操業開始
大林道路株式会社(以下、大林道路)を中心とするジョイントベンチャーは、徳島県阿波市に位置する新アスファルトプラント(旧名称: アスコ徳島合材工場)の本格稼働を開始しました。
この新プラントは、環境負荷低減に大きく貢献する画期的な技術を導入している点が特筆すべきです。
具体的には、アスファルト混合物の製造工程におけるバーナー燃料として、従来の重油に代わり、国内初となる廃食油リサイクル燃料を採用しました。
この燃料転換により、年間で約1300トンもの二酸化炭素(CO2)排出量削減が可能になると試算されています。
さらに、新プラントでは、積込作業における誤配防止システムや、全周センサー付きのフォークリフトの導入など、現場の安全性と効率を高めるための最新鋭の設備も整備されました。
老朽化するインフラの維持管理が社会的な課題となるなか、地域に根差した環境対応型のプラントとして、建設業界の脱炭素化と品質向上をけん引することが期待されています。

点火スイッチを押す大林道路の安孫子敬美社長(中央)ら
※画像は日刊建設工業新聞さまからお借りしています。
建設現場の「脱炭素」にどう貢献するのか? — 廃食油燃料のインパクト
新プラントで採用された廃食油リサイクル燃料の導入は、建設業界が直面する脱炭素化の目標達成に向けた重要な一歩です。
アスファルト混合物の製造プロセスでは、骨材を加熱するために大量の燃料を必要とし、これまで一般的に重油が使用されてきました。
このたび、バーナー燃料を廃食油に切り替えることにより、カーボンニュートラルなサイクルに近づけることが期待されます。
廃食油の利用が国内のアスファルトプラントで初めて実現したことは、業界における再生可能資源の活用事例として、極めて大きな意義をもちます。
環境対策への意識の高まりに伴い、公共工事を始めとする建設プロジェクトにおいては、CO2排出量削減や環境配慮型材料の利用がますます重視される傾向にあります。
年間約1300トンという具体的なCO2削減効果は、プラントを運営する地域社会のみならず、資材を供給される建設現場全体のエコフレンドリーな取り組みを後押しすることにつながります。
現場仕事に携わる皆様にとっては、使用する資材が環境に配慮されたものであるという事実は、社会的責任(CSR)を果たすうえで重要な要素となるでしょう。
リサイクル推進と資源循環への貢献度は?
建設業界においては、天然資源の枯渇を防ぐため、再生資源の積極的な利用が求められています。
新プラントは、資源循環への貢献も視野に入れた設計がなされています。アスファルト混合物の生産能力は1時間当たり120トンを誇り、安定した供給体制を構築します。
加えて、リサイクルアスコンの配合能力は最大で50トン/時という高い水準を達成可能です。
リサイクルアスコンとは、回収した使用済みアスファルト混合物を破砕・選別して得られる再生骨材や再生材のことです。
新プラントがもつ高いリサイクル材配合能力は、再生可能な資源の有効活用に対する強い意欲を示しています。
現場で発生した舗装板の廃材などを効率良く再利用できる体制が整うことで、建設コストの最適化にも間接的に寄与することが期待されます。
関係者からは、「リサイクル可能な資源の活用に努め、CO2削減に尽力する」という決意が示されています。
現場の効率と安全性が向上する仕組みは?
技術革新の恩恵は、環境面だけでなく、現場の安全性と作業効率にも波及しています。
新プラントでは、建設現場で資材を受け取る際のミスを防止するためのシステムが導入されました。
具体的には、出荷時のトラックの誤配を防止するシステムにより、アスファルト合材の積込作業における誤りを減少させる効果が期待されています。
建設現場において、資材の誤配や誤積載は、工期の遅延や手戻りの原因となるだけでなく、深刻な事故につながる可能性もあります。
ITを活用した積込管理システムの導入は、ヒューマンエラーのリスクを最小限に抑え、現場監督や職人の方々の業務負荷軽減に貢献するものです。
さらに、場内では、全周センサー付きのフォークリフトが採用されています。
プラント内での運搬作業における接触事故のリスクを大幅に低減し、安全性を向上させるための具体的な措置です。
新システムや新設備の採用は、環境負荷の低減と安全性の確保(センサー付きフォークリフトなど)という、現代の建設業が抱える二大課題を同時に解決しようとする姿勢の現れです。

徳島県内初の廃食油を使用する阿讃アスコン
※画像は日刊建設工業新聞さまからお借りしています。
なぜ今、この技術革新が求められるのか?
アスファルト混合物は、道路や駐車場など、社会インフラの基盤を支えるうえで不可欠な資材です。
現在、国内のインフラは老朽化が進み、その維持管理と更新が急務となっています。
国土交通省の関係者からは、「老朽化インフラの維持管理の重要性が増すなかで、民間が先導し、しっかりと対応していく」ことへの強い期待が寄せられています。
老朽化インフラ対策には、高品質な資材の安定供給が不可欠であり、新プラントのような最新鋭の設備をもつ拠点の存在が重要性を増します。
特に、再生可能な資源を活用しながらも、安定した品質のアスファルト混合物を供給できる能力は、今後のインフラ整備において決定的な競争力となるでしょう。
フォワードアスファルトの関係者も、「再生可能な資源の活用で環境への負荷を低減し、近隣への配慮も可能にする」と述べており、地域社会との調和も重視されています。
持続可能な建設業の実現に向けて
建設業が持続可能性を追求するためには、単に環境に優しい資材を使用するだけでなく、生産プロセス全体、そして現場における作業効率と安全性を高める技術の統合が不可欠です。
今回紹介されたプラントの例は、環境技術(廃食油燃料)とIT技術(誤配防止システム)が融合することで、業界全体のスタンダードを引き上げようとする試みです。
新しい設備や燃料が採用される背景には、社会全体の要求、特に「脱炭素」と「安全」への強い要請があります。
これらの動きは、最終的に現場の業務をより効率的で安全なものへと変革していく推進力となるでしょう。
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