大成建設は、建設現場で使用するプラスチック仮設資材の環境配慮型への刷新を開始した。その第一弾として、鉄筋や足場の単管パイプに用いられる保護キャップを植物由来の生分解性バイオマスプラスチックで製品化し、既に東京都内の11カ所の現場で本格導入を進めている。この取り組みは、従来使用してきた石油由来プラスチック製品の使用量と、それに関連する二酸化炭素(CO2)排出量の削減を両立させることを目指すものであり、建設業界における資源循環と脱炭素化の将来ビジョンを具現化する一歩として注目される。
新たに製品化された生分解性バイオマスプラスチック製単管キャップは、材料にバイオマス度99%以上を誇るカネカ製の「Green Planet」が採用されている。従来の生分解性バイオマスプラスチック製品は紫外線や水分による影響を受けやすく、劣化しやすいという課題があったが、本製品はこれらの問題を克服し、優れた耐候性を有している。その性能は、屋外における半年間にわたる暴露実験において、石油由来プラスチック製品と同等であることが確認されており、実用性が高く評価されている。
現場での適用試験により、本製品は既存のプラスチック製品と比較して、鉄筋や単管にはめ込む際の使用感や作業性において全く遜色ないことが実証されている。これにより、新たな環境配慮型資材の導入が、現場の作業効率に悪影響を及ぼすという懸念は解消される。また、製品の色にはオフホワイトが採用されており、従来品で多く見られた黄や緑の製品と明確に区別することが可能である。この色分けは、使用後の製品回収時における混入を防ぐことを目的としており、効率的な分別と資源循環システムへの貢献が期待される。

環境負荷低減への具体的な効果も大きい。生分解性バイオマスプラスチック製鉄筋・単管キャップは植物由来の素材を原料とするため、石油由来プラスチックの使用量を削減する。さらに、使用後には土壌や水域に生息する微生物によって水とCO2に分解される特性を持つ。この分解時に生じるCO2は、原料となる植物が生育過程で吸収したCO2によって相殺されるため、実質的なCO2排出量の増加を抑制し、カーボンニュートラルなサイクルを構築する。これにより、地球温暖化対策に貢献するだけでなく、プラスチックごみ全体の減少にも寄与する。大成建設の試算によれば、標準規模の建設現場一つにおいて、平均で数千個程度の鉄筋・単管キャップが使用されるとされており、この代替による環境改善効果は大きいと考えられる。
大成建設は今回の単管キャップ導入を第一歩とし、今後も現場の用途に応じて生分解性バイオマスプラスチック製品の適用範囲や種類を順次拡大していく方針を表明している。具体的には、鉄筋や単管用キャップに加えて、他の仮設資材や建設用プラスチック製品への代替を継続的に推進する計画である。この取り組みは、建設現場におけるプラスチック製品に関する資源循環と脱炭素化の将来ビジョンの実現に向けた、建設業界全体の動向を牽引する重要な動きとして注目されている。新技術の積極的な導入と環境負荷低減への継続的な努力は、持続可能な社会の実現に向けた建設業界の役割を一層明確にするものである。
