割り箸が建材に?アップサイクル技術の全貌と現場への影響とは
竹中工務店とコクヨは、使用済みの割り箸を内装材、建材、家具などの材料に再生するアップサイクル技術を確立した。両社はカナダの循環型材料メーカー・ChopValue Manufacturing Japanと共同研究契約を締結し、建築空間等への適用拡大を目指す。
現在、各事業所で割り箸回収の実証実験を実施中で、国内での回収体制とロジスティクスの構築を進めている。同社の技術を活用し、竹中工務店が建材などの新用途を、コクヨが家具などの新製品を開発する。開発製品については、3社でエンドユーザーらの印象評価を行なう予定だ。
竹中工務店は、事業所や建設現場で回収した割り箸をアップサイクルし、自社物件で活用する方針である。自治体等とも連携し、回収から建物への導入までを網羅するサーキュラーエコノミーを展開する。将来的には、この技術を他の建築廃棄物にも応用展開していく構えだ。
本プロジェクトは、廃棄物の削減が急務とされる建設業界において画期的な試みといえる。ここでは、現場仕事や中小企業に従事する関係者が抱くであろう疑問点を「よくある質問」形式で整理し、今回の技術確立が業界にもたらす影響や今後の展望について詳しく解説する。

※画像は日刊建設工業新聞さまからお借りしています。
Q1. なぜ「使用済み割り箸」を建材の材料として活用するのか?
A. 建設業界では日々大量の廃棄物が発生し、その適切な処理が長年の課題だ。焼却される「割り箸」に着目した点は意義深い。割り箸は良質な木材であり、本来は再利用可能な資源だ。単なるゴミとして焼却するのではなく、最新の高度な技術で全く新しい建材に生まれ変わらせることは、枯渇が懸念される資源の有効活用に直結する。
本来の寿命を超えて木材を主原料とする製品を長く使用し続けることは、二酸化炭素の固定化にも寄与し、脱炭素社会の実現に向けた有効な手段となる。身近な廃材を付加価値の高い製品に転換する事業は、分かりやすい環境配慮の取り組みとして社会的関心を集めやすい利点ももつ。
Q2. 中小の建設業者や現場仕事にどのような影響をもたらすと考えられるか?
A. 大手企業による先進的な環境対応は、時間をかけて業界の標準仕様へと波及していく傾向がある。長期的には、中小企業が提案できる建材の選択肢に「アップサイクル製品」が加わることを意味する。
環境配慮型建材の採用は施主へのアピールポイントとなり、企業イメージ向上や他社との差別化、受注獲得に繋がる可能性を秘める。また現場レベルにおいても、資源回収に対する意識の根本的な改革が求められる。現場のゴミが建材に生まれ変わるサイクルを認識することで、職人や現場監督の環境意識は高まることが期待される。
Q3. 割り箸から作られた建材の強度は、実際の建築現場で通用するものか?
A. 新素材の実用化に向けて現場が懸念するのは、安全性に直結する強度や長期的な耐久性だ。今回提携したカナダ企業は、熱と圧力を制御する独自技術で、割り箸を高品質な素材に変換するノウハウをすでにもつ。
建築物の安全基準を熟知した竹中工務店と、オフィス空間の機能性を追求するコクヨが実証実験と開発に関与することで、内装材としての厳格な要件をクリアする製品が生み出される公算は大きい。予定されている印象評価を通じて、強度だけでなくデザインや施工性においても市場の要求を満たす洗練された建材へとブラッシュアップされていくはずだ。

※画像はイメージです。
Q4. 今後、この資源循環の取り組みはどのように発展していくと予想されるか?
A. 竹中工務店は、今回の事業で確立されるノウハウを基盤とし、将来的には同技術を「他の建築廃棄物のアップサイクル」にも応用展開する意向を示している。
建設現場からは木材の端材や廃プラスチックなど多種多様な廃棄物が発生する。割り箸の事例で培われた知見がこれらの処理に応用されれば、業界全体における廃棄物削減効果は計り知れない。建築主や自治体と連携したサーキュラーエコノミーの構築は、官民一体の環境対策のモデルケースとなる。
今後、公共工事における施工業者の選定において、循環型素材の活用実績が重要な評価基準の一つとして組み込まれていく可能性も高く、動向を注視すべきであろう。
まとめ
使用済み割り箸から始まる今回のアップサイクルプロジェクトは、単なるリサイクルの枠を超え、建設業界におけるサーキュラーエコノミーの新たな扉を開く重要な取り組みだ。
廃棄物が価値ある資源として循環する建設現場の姿を先取りするものであり、中小企業や現場で働く一人ひとりにとっても、今後の資源の扱い方を再考する契機となる。業界全体が持続可能な発展を遂げるための試金石として、今後の製品化の動向に期待したい。
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