国土交通省は、ICT施工に不慣れな中小建設会社を対象とし、導入のハードルを下げた新枠組み「導入型ICT活用工事」を直轄土木の小規模工事で展開します。従来の3D技術より簡易な「2Dのマシンガイダンス(MG)機能」を搭載した建設機械の活用をメニューに位置付けます。
小規模現場ではオーバースペックになりがちだったICT技術ですが、この整備で現場規模に最適な技術が選択可能となります。中小企業が現場で利便性を体験し、今後のステップアップに繋がることが期待されます。
よくある質問1:なぜ小規模工事向けの簡易なICT枠組みが必要とされているのですか?
地域の中小企業が受注する工事実態と、従来のICT施工が抱えていた課題が背景に存在します。地場企業が主体となる地方自治体の発注工事は、直轄工事に比べ土工事の割合が小さい特徴があります。
新設よりも、舗装や水路、管路補修などの小規模案件が多くを占めます。施工量が小さい現場に高度なICT技術を導入すると、3D設計データ作成の手間やコストが重くのしかかり非効率になるとの声があがっていました。また、高額なICT建機を導入しても小規模工事ばかりでは稼働率が上がらず、投資回収が難しいというネックも存在しました。この実態を踏まえ新しい枠組みが必要とされたのです。

※画像はイメージです。
よくある質問2:新たに推奨される「2D建機」とは、どのような機能をもっていますか?
主に想定されるのは、2Dのマシンガイダンス(MG)機能を備えたバックホウです。このシステムは、オペレーターが設定した基準位置からの掘削深さを正確に管理できる仕組みをもちます。最大の特徴は、従来のICT施工で必須だった複雑な3D設計データを作成する必要が一切ない点です。
さらに、企業が所有する既存の建設機械に後付けでシステムを搭載可能であり、新規に専用建機を購入するより安価に導入できる強みがあります。多額の初期投資を必要としないため、資金に制限のある中小建設企業でも着手しやすい技術といえます。
よくある質問3:2D建機を現場に導入することで、どのようなメリットが得られますか?
最大のメリットは、現場作業の劇的な省人化と生産性の向上です。従来の施工方法では、掘削作業の際に深さの計測や土の敷きならしを行なう手元作業員を配置する必要がありました。しかし、2D機能を備えた建機を活用すれば、オペレーター自身が運転席で深さを把握しながら作業を進められるため、手元作業員が不要となります。
これにより、従来と比較して半分程度の省人化が見込めます。深刻な人手不足が課題となるなか、少ない人員でも同等以上の施工量を確保できる有効な解決策となります。スモールスタートを切ることで現場がICTの利便性を実感しやすく、次回以降の高度な活用に繋がる効果も期待されます。
よくある質問4:導入をスムーズに進めるための具体的なサポート体制は用意されますか?
国土交通省は、各企業が段階的にICT化を進められるよう制度と情報の両面から支援を行なう予定です。一部の自治体ではすでに、いきなり建機導入を前提とせず、測量作業のICT化など手が出しやすい部分からスモールスタートを切る取り組みが先行して始動しています。
この先行事例を踏まえ、直轄工事においても2D建機やトータルステーションの活用から無理なく始められる形へICT施工の要領を見直す方針です。さらに、施工の途中段階から部分的にICT機器を導入する柔軟な使い方を紹介する「導入型ICT活用工事の手引」も新たに作成される予定であり、企業の技術的な不安を払拭する狙いがあります。

※画像はイメージです。
まとめ
「導入型ICT活用工事」の展開は、ハードルが高かった中小建設会社にとって、無理なく生産性向上を図るための転機となります。3Dデータに依存せず安価に後付け可能な2D建機の活用は、小規模工事の省人化を推進し、人手不足解消に直結する現実的な手段です。
まずはスモールスタートで利便性を体験し、段階的な導入を検討していくことが今後の企業成長において重要な鍵となるでしょう。
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