鉄筋施工の自動化で担い手不足を解消へ―全自動プレファブ工法の実力とは
建設業界において、担い手不足や熟練工の負担軽減は喫緊の課題です。これらを打破するため、鹿島建設など4社(鹿島建設、カジマメカトロエンジニアリング、スターテクノ、岡部)は、太径鉄筋を全自動で配筋する新工法「鉄筋自動プレファブ工法」を開発しました。
本工法はロボットと専用ツールを使用し、現場内の工場で大型鉄筋ユニットを全自動製造するシステムです。人力での重量物取り扱いを大幅に削減し、安全性を高めるとともに、従来の工法に比べ製造の歩掛かりを約50%向上させました。すでに東北電力女川原子力発電所の工事に採用され、安全性と生産性向上の効果が実証されました。
ここからは「よくある質問」を交えながら、本工法の詳細と現場にもたらすメリットについて解説します。

鉄筋ユニットの自動組み立て装置(報道発表資料から)
※画像は日刊建設工業新聞さまからお借りしています。
Q1. 新工法では、具体的にどのような作業が自動化されますか?
A1. ロボット制御による配筋・結束作業の全自動化です。配筋ロボットが鉄筋束から太径鉄筋を1本ずつハンドリングし、台車と連動して格子状に配筋します。従来は機械結束が困難だった太径鉄筋に対しても、新開発の「フック式結束金物」によりロボットが交差部を自動結束します。
対応鉄筋は直径30ミリ超の「D38」と「D35」です。最大12メートル四方、重量13トンの大型ユニット製造を機械のみで完結させることが可能になりました。
Q2. 自動化により、現場の作業員にはどのような恩恵がありますか?
A2. 最大の恩恵は身体的負担の軽減と安全性の確保です。配筋・結束が全自動化されるため、人力作業は鉄筋束の投入、ユニットの移動、結束金物の供給のみに限定されます。
太径鉄筋はその重量から作業員に多大な負荷を強いてきましたが、この重労働から解放されます。熟練鉄筋工の負担軽減は労働環境の改善に直結します。また重筋作業の労災リスクを低減できるため、現場の安全管理の観点からも極めて重要です。
Q3. 気象条件などの外部環境はシステムに影響しますか?
A3. 気象条件の影響を全く受けない点も強みです。本工法では鉄筋ユニットの組み立て工場を現場内に直接設けます。
屋内で製造を行なうため、雨天や強風に関係なく計画通りに製造し続けることが可能です。天候リスクを排除して安定した生産体制を維持できることは、工期管理やコスト削減に大きく貢献します。

※画像はイメージです。
Q4. どのような現場での活用が見込まれ、今後にどう影響しますか?
A4. 現段階では原子力関連施設や火力発電所など、太径鉄筋を用いた多段配筋が必須となる大規模工事への展開が想定されます。これらの施設は堅牢性が求められ、太く重厚な鉄筋を使用するため人力作業では限界がありましたが、本工法はこうした過酷な条件で真価を発揮します。
また、熟練鉄筋工の高齢化や深刻な担い手不足に対する強力な補完策となることが期待されます。ロボット技術による省力化の推進は、持続可能な現場運営を実現するための重要な鍵となります。
まとめ
鹿島建設ら4社が開発した「鉄筋自動プレファブ工法」は、ロボット活用により太径鉄筋の配筋から結束までを全自動化しました。この技術は人力作業を削減し歩掛かりを50%向上させるだけでなく、安全確保と熟練工の負担軽減という労働環境の改善に直結します。
天候に左右されない製造体制や担い手不足を補完する仕組みは、建設業界の課題解決に貢献します。今後さらに多くの現場で最新技術が導入され、業界全体の生産性が向上していくことが見込まれるでしょう。
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