各務原市で総合体育館×防災公園整備が本格化|BTO方式で進む地域拠点づくり
岐阜県各務原市は、「各務原市新総合体育館総合運動防災公園整備運営事業」の基本設計概要を公表した。本事業はBTO(建設・譲渡・運営)方式の「一括払い型」を採用し、設計は環境デザイン研究所等のJV、施工は東急建設と市川工務店のJVが担当する。
体育館や防災公園を含む全体の敷地面積は6万8177平方メートルに及び、新総合体育館の総延べ床面積は1万2716平方メートルとなる。メインアリーナは最大3000席規模を誇る。
本年5月から実施設計に着手し、2027年1月に着工予定だ。2028年2月に防災公園東エリア、2029年4月に西エリア、同年6月に体育館の供用開始を見込む。公園内には全長約70メートルの大型複合遊具や芝生広場が整備され、体育館周辺には大屋根広場やドライ噴水も設置される。

完成イメージ
※画像は建設通信新聞さまからお借りしています。
Q1:本事業のBTO方式は、中小建設業者にどのような経営上のヒントをもたらすか?
A:本プロジェクトはBTO方式を採用している。これは民間が建設後に公共へ所有権を移転し、その後の維持管理も民間が継続する手法を指す。
施工は大手ゼネコン等のJVが担うが、完成後も運営フェーズが続くため、地域の中小建設業者にとっては施設の修繕工事などで継続的な受注機会を得る可能性がある。単発の工事で終わらせず、ライフサイクル全体を見据えた保守契約を獲得する中長期的な営業戦略を練る契機となるだろう。
Q2:多機能な施設の施工において、現場監督が意識すべきマネジメントのポイントは何か?
A:本事業では競技施設に加え、屋内の「だんだん広場」、屋外の大屋根広場やドライ噴水など多岐にわたる空間が計画されている。公園部分には大型複合遊具も設置される。多様な設備が混在する現場では、土木、建築、電気、管工事など多種多様な職人が同時並行で作業を進めるのが一般的だ。
各協力会社間の綿密な工程調整と、安全管理を徹底するチームマネジメント能力が現場監督に要求される。着工から体育館供用まで、長期間のプロジェクトとなるため、現場の生産性向上やモチベーション維持の工夫も必須だ。
Q3:プロスポーツ興行や防災拠点としての機能をもつ公共工事において、求められるスキルは何か?
A:メインアリーナは最大3000席に対応し、プロスポーツ興行を誘致できる機能を備える。このような施設では、観客の視認性や音響効果など精緻な施工精度が求められるだろう。同時に防災公園としての側面ももつため、災害時の拠点としての堅牢性も不可欠だ。
施工に携わる中小企業は、設計図書に基づく確実な施工を行なうだけでなく、最新建材に対する理解を深める社内教育が必要となる。経営層にとっては、高難度な公共工事への参画実績を積むことが技術力のアピールにつながるだろう。

※画像はイメージです。
Q4:段階的な施設の供用開始が予定されているが、工程管理上どのような点に注意すべきか?
A:本プロジェクトでは、2028年2月に防災公園の東エリアが先行供用され、2029年4月に西エリア、同年6月に体育館が供用される段階的なスケジュールが組まれている。先行オープンしたエリアに利用者が立ち入る中で残りの建設作業を継続しなければならない可能性が高いだろう。
そのため、第三者への安全対策や騒音への配慮が極めて重要になる。工事車両と一般利用者の動線を完全に分離する計画を立て、現場に周知徹底させなければならない。この複雑な環境下での施工経験は貴重なノウハウとなる。
まとめ
各務原市が推進する新総合体育館および防災公園のBTO事業は、単なる大規模施設建設にとどまらず、施設の長期的な維持管理や、プロスポーツ対応から地域防災までを網羅する多機能性が大きな特徴である。
地域の中小建設業者や現場を支える職人にとって、本事業は新たなビジネスモデルの構築や、現場の生産性向上・チームマネジメントを見直すための多くのヒントを含んでいる。こうした官民連携による大規模プロジェクトの動向を注視し、今後の公共工事における自社の強みと経営戦略を再考することが、変化の激しい建設業界を生き抜くための重要な鍵となるだろう。
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