施工本数削減で生産性向上へ|新型地盤改良機が切り拓く現場改革の最前線
ライト工業は、地盤改良工法の一つ「RASコラム工法」において、削孔能力を大幅に高めた新型機「二軸同軸式アースオーガー(BOSSタイプ)」を開発した。この新型機は、削孔の最大直径を従来の2500ミリから2800ミリへ拡大している。重量を増やすことなく掘削力を向上させ、硬質な地盤の掘削も可能にした。これにより1カ所当たりの改良体を大きく造成でき、施工本数を減らせるため、効率的な地盤改良とコスト抑制が期待できる。
本機は既存の杭打ち機の先端に装着して使い、内軸と外軸が異なる方向に回転する二重管構造により高品質な改良体を造る。宇都宮機材センターの試験施工では、深度15メートルまでの掘削で所定の品質確保を実証した。今後はマニュアル整備や技術認証の取得を進め、年度内の追加配備を計画する。
建設業界は人手不足や資材価格高騰に直面し、生産性向上とコスト最適化は喫緊の課題となっている。基礎工事における地盤改良は建築物の安全性に直結する工程であり、工期や費用に大きく影響する。今回ライト工業が開発した新型機は、現場の課題を解決する技術的ブレイクスルーとして注目される。ここでは本機がもたらすメリットや現場での運用について、よくある質問(FAQ)を参照しながら解説する。

直径2800ミリの改良体(ライト工業提供)
※画像は日刊建設工業新聞さまからお借りしています。
Q1. 開発された新型機の強みはどこにあるのか?
A1. 最大の強みは「大口径化」と「高トルク化」の両立にある。
従来機では最大直径2500ミリであった削孔能力を2800ミリまで拡大した。また減速機などの改良で、同じ出力のモーターでもトルクを高めることに成功した。結果として、従来機と比較して1.5倍から2倍ほど硬質な地盤にも適用可能となった。
特筆すべきは、重量を増やさずに掘削力を高めた点だ。機械の大型化は搬入ハードルを上げるが、本機はその懸念を払拭しつつ複雑な地盤に対応できる。
Q2. 現場のコストと工期の削減効果はどのように生まれるのか?
A2. 削孔直径が2800ミリに拡大したことで、1カ所当たりに造る改良体の体積が大幅に増加する。これにより、必要な総施工本数を減らすことが可能になる。本数が減れば、機械の移動や位置決めに要する時間が短縮され、工期短縮に直結する。
また資材の投入量や人件費、燃料費の削減も見込まれ、大幅なコスト抑制に貢献する。限られた予算と人員で進行する中小企業にとっても、利益率向上の恩恵は大きいと考えられる。
Q3. 新型機導入の際、新たな重機本体を購入する必要はあるのか?
A3. 原則として新たな重機本体を購入する必要はない。この新型機は「RASコラム工法」に用いる撹拌装置であり、既存の杭打ち機の先端に取り付けて使用する設計となっている。
自社やリースで手配した既存の重機をベースマシンとして活用できるため、初期投資を抑えられる。二重管構造で内外軸が異方向に回転し、原地盤とセメントミルクを撹拌して均質で高品質な改良体を造成できる。
Q4. 実証データと今後の実用化スケジュールはどうなっているのか?
A4. 栃木県下野市の宇都宮機材センターで試験施工が実施されている。粘性土と砂れきで構成する地盤を深度15メートル程度まで掘削し、改良体の強度や周辺変位などのデータを収集した結果、所定の品質が確保できると実証された。
今後は、マニュアル整備や技術認証の取得を進める方針が示されている。近く新型機を増備して稼働実績を積んだ上で、今年度内にさらなる追加配備を行なう計画である。
現場の生産性向上は新しい技術の導入で飛躍的に進展する。今回の新型機も物理的な能力向上だけでなく、工期短縮や人員最適化という二次的効果をもたらす。業界の制約を技術で乗り越える試みは、広く良い影響を与えるだろう。

撹拌翼(ライト工業提供)
※画像は日刊建設工業新聞さまからお借りしています。
まとめ
ライト工業による新型機開発は、最大直径2800ミリの大口径化と硬質地盤への対応力を実現し、地盤改良工事の効率化を後押しする。施工本数の削減による工期短縮とコスト抑制は、経営面でも現場管理の面でも大きな恩恵をもたらす。技術認証の取得やマニュアル整備が進めば、より多くの現場で普及していくと見込まれる。
常に進化する建設技術の動向を注視し、現場への応用を検討し続けることが今後の事業運営において重要となるだろう。
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