「またこの季節が来た」──現場が動いた瞬間
北海道・白老町の養鶏場で、今季初となる高病原性鳥インフルエンザの感染が10月22日に確認されました🐓。
道内の防疫体制が一気に緊張する中、真っ先に現場へ駆けつけたのは――地元の建設会社でした。
依頼を受けたのは、胆振土木協会に加盟する丸幸鈴木建設工業(白老町)。
同社は北海道胆振総合振興局からの要請を受け、防疫作業の準備工事に即日着手。
「うちの現場は寒さにも汚れにも慣れている。地域の危機だからこそ、自分たちの出番」と話す現場責任者の声には、地域を支える誇りがにじみます💪。
45万羽の処理作業 過酷な現場を支える体制
北海道は感染が確認された養鶏場で飼育されている採卵鶏約45.9万羽の殺処分を決定。さらに、半径10キロ以内の4戸の養鶏場(計62万羽)には移動制限を発令しました。
現場には道職員、建設業者、関係機関を合わせて約120人が動員され、8時間×3交代制で24時間体制の作業が続いています。
殺処分は9日間、埋却は12日間、清掃と消毒は11日間に及び、11月下旬まで続く長期戦となる見通しです。
特に埋却作業では、重機オペレーターや土木技術者の力が欠かせません。
寒冷地特有の凍結土を掘削するため、バックホウやブルドーザーを慎重に扱いながら、衛生管理と安全確保の両立が求められています。
建設会社が持つ現場力が、防疫作業の「要」となっているのです🚜。

※この画像はイメージです。
地域の守り手としての建設業 “防災だけじゃない社会貢献”
建設業がこのような防疫現場に登場するのは、今に始まったことではありません。
北海道では2016年の鳥インフルエンザ発生を機に、道と建設業協会が防疫協定を締結。
災害時や感染症発生時に、土木・重機・輸送の専門人材を迅速に投入できる体制を整えてきました。
その背景には、地方における建設業の「地域インフラ」としての機能があります。
除雪、災害復旧、道路維持、河川整備……。
普段から地域の安全を守っているからこそ、防疫作業にも即応できるのです。
ある現場監督は語ります。
「現場で使うのは同じショベルでも、今回は“命を守るための重機”だと思って動いている」
命を扱う重い現場ですが、その意識の高さが地域の安心を支えています。
寒さと衛生の両立 現場を支える装備と工夫
秋も深まり、白老の現場では朝晩の気温が一桁台に。
作業員は防護服・マスク・フェイスシールドを着用し、完全防備で作業に当たりますが、その分、熱がこもりやすく、動きも制限されるという厳しい条件下です。
防疫現場では、厚生労働省や農林水産省が推奨する「防護服の重ね着+通気管理」が基本。
また、地元建設会社の一部では、ミズノの防塵・防寒対応ワークウェア「ワークウォーマーシリーズ」や、ワークマンの「透湿防水防寒スーツ イージス」など、実在する製品を導入して作業効率を高めています🧤❄️。
さらに、休憩所にはカーボンヒーターを設置し、厚手の防護服を着脱する際の温度差による体調不良を防止。
作業後は消毒・洗浄用の足洗い場を設け、感染拡大を防ぐ衛生ラインを厳格に運用しています。
官民の連携強化へ 次なる季節への備え
鈴木直道知事は22日、鈴木憲和農林水産相と電話で協議し、「国と緊密に連携して対応を進める」と明言しました📞。
政府も同日、関係閣僚会議を官邸で開催。
木原稔官房長官は「6シーズン連続の発生。これからが本格化する時期」と警戒を呼びかけ、全国の自治体や建設業団体に対して、迅速な応援体制の準備を求めました。
防疫だけでなく、除雪・道路維持・応急工事など、この冬も建設業は多面的な「地域の守り手」として動き続けます。

現場から学ぶ“季節の知恵”とは
鳥インフルの防疫現場は、一見すると特別な仕事に思えます。しかし本質的には、「季節の変化に合わせてリスクを先回りする」建設現場の知恵そのもの。
夏の熱中症対策、秋の台風養生、冬の除雪計画――どれも現場の知恵と段取り力が鍵を握ります。
今回のように防疫作業でも、安全・衛生・工程管理を同時に進める力が、これからの建設業に求められるスキルの一つといえます🧩。
白老町の現場で奮闘する作業員の姿は、「建設業は単なる工事業ではなく、地域の生活を守る仕事」――その言葉を改めて感じさせてくれます。
