関内駅前が一新へ―旧市庁舎街区再生「BASEGATE横浜関内」始動
三井不動産をはじめとするコンソーシアムは、横浜市中区のJR関内駅周辺エリアにおいて、大規模な再開発事業を推進している。その中核となる旧市庁舎街区の再生プロジェクト「BASEGATE(ベースゲート)横浜関内」が、いよいよ3月19日に開業を迎える運びとなった。
本プロジェクトは、単なるビルの建て替えにとどまらず、関内駅周辺を「多様な人々が行き交い、発展を続けるまち」へと進化させることを目的としている。対象となる敷地面積は約1万6500平方メートルに及び、タワー棟や旧横浜市庁舎行政棟を含む複数の建物で構成され、総延べ床面積は約12万8500平方メートルという巨大なスケールだ。
また、隣接する街区でも新たなビル建設が計画されているほか、大通り公園ではPark-PFIを活用したリニューアル工事も進行しており、業務、商業、ホテルといった都市機能を連携・多様化させることで、来街者の滞在時間延伸と賑わいの創出を図る狙いがある。

33階建てのタワー棟
※画像は日刊建設工業新聞さまからお借りしています。
Q. 開発の具体的な立地と施設構成はどうなっているのか?
A. 「BASEGATE横浜関内」は、JR関内駅南口を出てすぐの好立地に位置しており、所在地は横浜市中区港町1丁目1番地1ほかである。敷地面積は約1万6500平方メートルを有し、ここに総延べ床面積約12万8500平方メートルに及ぶ建築群が整備された。
施設の中核をなすのは、主にオフィス機能が入るタワー棟である。これに加え、歴史的建造物である旧横浜市庁舎行政棟を活用し、ホテルや商業機能を導入するなど、新旧の建築物が調和した配置となっている点が特徴だ。複数の建物が並び立つことで、エリア全体に回遊性が生まれ、都市機能の多様化に寄与する設計となっている。
Q. タワー棟の建築的特徴や施工担当者は?
A. ランドマークとなるタワー棟は、S造およびCFT造(コンクリート充填鋼管構造)を採用しており、地下1階、地上33階、塔屋2階建ての構成である。延べ床面積は単体で10万0269平方メートルに達する。
設計と施工は、大手ゼネコンである鹿島が担当した。オフィスフロアは12階から33階に配置されており、そのうち12階から18階を鹿島が、19階から33階を第一生命保険が区分所有する形態をとっている。これは、開発に携わった企業が自ら入居・保有することで、エリアの長期的な価値維持にコミットする姿勢の表れともいえるだろう。
Q. オフィスフロアのスペックに特徴はあるか?
A. タワー棟のオフィスフロアは、関内エリアとしては最大規模となる1フロアあたり約2200から2300平方メートルの面積を確保している。広大な無柱空間やフレキシブルな設計により、テナント企業は自由なレイアウトが可能である。
また、11階のロビー階には、ワーカー同士の交流を促進するためのラウンジが設けられている。これは単に執務スペースを提供するだけでなく、企業間のコラボレーションやイノベーションの創出を支援する狙いがある。現代のオフィスビルに求められる「働く場の付加価値」を具現化したスペックといえる。

関内エリア最大の広さを持つオフィスフロア
※画像は日刊建設工業新聞さまからお借りしています。
Q. どのような企業がこの再開発に参画しているのか?
A. 本事業は、三井不動産を代表企業とする強力なコンソーシアムによって推進されている。構成員には、施工を担当した鹿島をはじめ、京浜急行電鉄、第一生命保険、竹中工務店、ディー・エヌ・エー、東急、星野リゾートといった各業界のリーディングカンパニー計7社が名を連ねている。
デベロッパー、ゼネコン、鉄道会社、生命保険会社、IT企業、ホテル運営会社という多様な業種が連携することで、ハード面の整備だけでなく、ソフト面でのコンテンツ充実やエリアマネジメントも期待される布陣である。
Q. 周辺エリアでも再開発が予定されているのか?
A. その通りだ。「BASEGATE横浜関内」の開業は、エリア再生の始まりに過ぎない。西側に位置する港町地区(港町2・3丁目、真砂町2・3丁目、尾上町2・3丁目)および、さらにその西側の北口地区(港町2・3丁目、真砂町3丁目、蓬莱町1丁目、万代町1丁目)においても、再開発が計画されている。
具体的には、2025年5月時点の計画として、港町地区には地下2階・地上32階建て、延べ床面積約9万7000平方メートルのビル建設が予定されている。また、北口地区では地下1階・地上21階建て、延べ床面積約3万3700平方メートルのビル建設が進められる計画だ。これらが完成すれば、関内駅周辺のスカイラインは劇的に変化することになる。
Q. 公共空間の整備状況はどうなっているか?
A. 建物だけでなく、公共空間の再生も並行して進んでいる。関内駅を挟んで反対側に位置する大通り公園では、横浜市によるPark-PFI(公募設置管理制度)事業が展開されている。
この事業においても、三井不動産を代表とするグループがリニューアル工事に取り組んでいる。公園は関内駅から南西方向に細長く伸びる形状をしており、全8区画のうち、駅に近い1区から3区までが改修対象となっている。2027年春の開園を目指し、飲食店舗などが配置される予定だ。三井不動産の担当者は、BASEGATEがもつ「働く・遊ぶ・泊まる」機能に加え、大通り公園が多様な目的に応じた行動を促す場となり、エリア全体が連携して変貌していくとの展望を語っている。
まとめ
横浜・関内エリアは今、100年に一度ともいえる変革の時を迎えている。「BASEGATE横浜関内」の3月19日開業を皮切りに、周辺街区での高層ビル建設や大通り公園の再生など、面的な開発が数年にわたり継続する。
建設業に携わる我々にとって、こうした大規模プロジェクトは、最先端の施工技術やS・CFT造などの構造特性、さらにはPark-PFIという官民連携の手法を学ぶ絶好の生きた教材である。また、これだけの規模の工事が続くことは、地域経済や建設需要の下支えとしても大きな意味をもつ。今後も進化を続ける横浜・関内の動向から目が離せない。
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