「雪が少ない」が危機に変わる時―群馬県の除雪体制が直面する現実
群馬県内で「過去25年間で最少の降雪量になる可能性が高い」との指摘が出ています。この危機感を強く訴えたのが、群馬県建設業協会です。3月3日、前橋市の群馬建設会館で会見を行ない、青柳剛会長が除雪体制の維持が困難になっている実態を公表しました。
「雪が少ない=楽」ではありません。むしろ、地域建設業にとっては深刻な経営リスクとなっています。
今回は、建設業(現場仕事・中小企業)の皆さまに向けて、除雪体制の現状と課題、そして今後求められる対策についてわかりやすく解説します。

青柳会長
※画像は建設通信新聞さまからお借りしています。
📉 少雪が経営を直撃する理由
2025年度は極端な少雪となり、会員企業の除雪出動日数は過去3年を大きく下回りました。特に降雪地域である沼田支部・吾妻支部でも、「11日以上出動した企業数」が減少。除雪は“出動して初めて収益になる仕事”です。
しかし現実は――
🚜 除雪機械は常時保有
🔧 維持費・車検・保険は毎年発生
👷 オペレーターも確保が必要
つまり、雪が降らなくてもコストはかかるのです。
調査では
・23%が「維持費負担が大きい」
・16%が「老朽化しているが更新資金がない」
・10%が「購入したが稼働していない」
という回答でした。
少雪は売上減少だけでなく、固定費圧迫という形で経営を直撃します。
👴 オペレーター高齢化という静かな危機
除雪体制のもう一つの大きな問題が人材です。
調査結果では、
📌 28%が「高齢化が進み将来が不安」
📌 17%が「大雪時は長時間勤務で交代要員がいない」
📌 13%が「熟練技術の伝承が難しい」
と回答。
除雪は単純作業ではありません。道路の形状、交通量、気温、凍結状況を瞬時に判断する高度な技術が必要です。経験がものを言う仕事だからこそ、若手不足は致命的。さらに少雪が続けば、若手が「経験を積む機会」すら減ってしまいます。これは将来的な災害対応力の低下にも直結します。

※画像はイメージです。
💻 解決策はDX?現場が求める本当の支援
今回の提言で注目されたのがDX推進です。
効率化策として最も多かった意見は
📷 道路監視カメラの設置
📡 積雪深センサーの導入
巡回パトロールの負担軽減を求める声は30%に上りました。
群馬県では「除雪支援システム」の導入も進められていますが、監視カメラやセンサーの導入は「ほとんどない」状況とのこと。DXといっても、単なるIT化では意味がありません。
✔ 巡回回数を減らせる
✔ 出動判断が迅速になる
✔ 書類業務が簡素化される
✔ 若手でも状況把握がしやすい
こうした実務レベルの負担軽減こそが本質です。
一方で「熟練者でなければ難しい」という慎重な意見も11%あり、DXと技能継承の両立が課題となります。
⚠️ 除雪体制の崩壊は地域の崩壊
青柳会長は強い言葉で警鐘を鳴らしました。
「数年に一度の大雪の際に体制が崩れていたら、社会経済活動が停滞する」
除雪は“保険”のような存在です。普段は目立たない。しかし、いざという時に機能しなければ、物流も通勤も救急搬送も止まります。
少雪だからこそ、
❄ 最低保証制度の導入
❄ 機械維持費補助の充実
❄ 事業量の安定確保
といった行政支援が必要になります。
🏗 中小建設業が今考えるべきこと
今回のニュースは群馬の話ですが、これは全国どこでも起こり得る問題です。
気候変動により
🌡 ドカ雪と少雪の極端化
📉 仕事量の不安定化
👷 技能継承の停滞
が進んでいます。
中小企業として今できることは
✔ 契約条件の見直し交渉
✔ 補助制度の情報収集
✔ データ活用による業務効率化
✔ 若手育成と技能の見える化
“待つ経営”から“備える経営”へ転換することが重要です。
📝まとめ
少雪は楽ではありません。それは地域建設業の経営基盤を静かに削るリスクです。除雪体制の崩壊は、地域社会の機能停止につながります。
行政支援の強化、DX推進、そして企業側の備え。今こそ現場から声を上げる時ではないでしょうか。
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