関内再開発「BASEGATE横浜関内」とは?建設業界が注目する大型プロジェクト
横浜市中区の旧横浜市役所跡地にて、三井不動産やディー・エヌ・エー、星野リゾートなど8者で構成するコンソーシアム「KANNAI8」が手掛ける大規模複合街区「BASEGATE横浜関内」が、19日の全面開業を前に公開された。同街区の建設は、単なるビルの新築ではなく、明確な意図をもったゾーニングが特徴だ。
総延べ床面積約12万8500平方メートルに及び、33階建てのタワー棟やエンタメ施設が入る「ザ ライブ」、低層の商業施設群から構成される。さらに、建築家・村野藤吾が設計した旧行政棟を、星野リゾートのホテル「OMO」へと改修するなど、歴史と最新技術が交差する再開発となっている。スタジアムに隣接する立地を生かし、野球の試合がない日でも人が訪れる拠点として、関内エリア復活の起爆剤となることが期待される。
ここからは、本プロジェクトに関して建設業界の視点から寄せられる「よくある質問」をベースに深掘りしていく。日々の業務に直結する視点から、この事業がもつ真の意義を紐解いてみよう。

トークセッションに参加した4氏(左からStella Science Foundationの武部則代表、植田社長、南場会長、星野代表)
※画像は日刊建設工業新聞さまからお借りしています。
Q1:「BASEGATE横浜関内」の建設において、技術的な見どころは何ですか?
A1:鹿島が手掛けた33階建ての高層タワーと、竹中工務店による既存建物の改修工事の対比である。タワー棟は上層にオフィス、下層に店舗やクリニックを配置する。一方、旧行政棟の改修では市役所時代の意匠を残す「新旧融合」のコンセプトが採用された。
現場で働く技術者や職人にとって、最新の高層建築と、歴史的価値を保存しながら現代の基準に適応させるリノベーション技術の両方を観察できる貴重な事例となる。既存ストックの活用が求められる現代において、このノウハウは多くの工事現場で応用可能なヒントに満ちている。
Q2:この規模の再開発は、地域の中小建設業者にどのような影響を与えますか?
A2:約12万8500平方メートルという巨大施設が誕生したことで、開業後も継続的な需要が生まれる。定期的なメンテナンスやテナント入れ替えに伴う内装工事、設備更新など、維持管理に関わる多様な工事が長期間発生する。大規模な新築工事の完了は、地場の専門工事業者にとって新たなビジネスチャンスを意味する。
同街区が関内の起爆剤となることで、周辺エリアでも老朽化した建物の改修が連鎖的に誘発され、地域全体の建設需要の底上げが期待できるだろう。
Q3:建物を完全に取り壊さず「新旧融合」の形をとった背景には何がありますか?
A3:かつての横浜市役所という地域のシンボルがもつ歴史を継承し、街のブランド価値を高めるためだ。三井不動産の植田俊社長が「歴史文化に敬意を払いながら事業を行なう」と述べる通り、壊して新築するだけでは生み出せない魅力がある。
特に村野藤吾の設計という建築史的価値を後世に残す意義は大きい。現場での改修作業は既存構造体との調整など困難が伴うが、完成時の付加価値は高い。星野リゾートの星野代表が「日帰り旅行客が多い横浜の現状を打破する」と語るように、独自体験を提供するための戦略的選択といえる。

ホテル屋上からの風景
※画像は日刊建設工業新聞さまからお借りしています。
Q4:エンタメ施設や商業施設の集積は、街づくりにどう貢献するのでしょうか?
A4:ディー・エヌ・エーの南場智子会長が言及する通り、野球の試合がない日でも人が集まる目的を創出するためだ。従来、スタジアム周辺は非開催日の人流減少が課題だった。
中央の建物に飲食店や娯楽施設を集約し、低層棟に多彩な店舗を誘致することで、日常的なにぎわいを生む。安定した集客は周辺のインフラ整備や民間投資を呼び込み、結果として建設業界全体への波及効果へとつながっていく。
まとめ
旧市役所跡地に誕生した本街区は、最先端の高層建築と歴史的建築物の再生が見事に調和した、日本の建設技術の粋を集めたプロジェクトである。建設業に従事する者にとって、大規模再開発は単なる構造物の完成を意味するだけではない。
完成後に街の血流が変化し、さらなるインフラ整備や周辺の改修需要へどう結びついていくかを予測する重要な指標となる。新旧技術が融合したこの街区が、関内エリア全体の新たな歴史を築く土台となることは間違いないだろう。
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