近年、建設業界では環境対策や脱炭素への取り組みが急速に進んでいます。その中で今、大きな注目を集めているのが都市部での木造建築の拡大です。
2026年3月、農林水産省と大手ゼネコンの清水建設が、都市での木材利用を促進する新たな協定を締結しました。この取り組みは、都市の建物を「木」でつくる動きを加速させるものです。「木造といえば住宅」というイメージももつ方も多いと思いますが、実は今、中高層ビルでも木造建築が広がり始めているのです。
今回は、建設現場に関わる方が知っておきたい都市木造化の流れと現場への影響について、分かりやすく解説します。👷♂️
🌳農水省と清水建設が「木造建築促進」で協定
2026年3月、農林水産省と清水建設は、都市での木材利用を進めるための建築物木材利用促進協定を締結しました。この制度の背景にあるのが都市木造化推進法です。
この法律は、建築物での木材利用を拡大し、森林資源の活用と脱炭素社会の実現を目指すものです。協定の期間は2031年1月まで。
今後、国と企業が連携しながら
🏢 中高層ビル
🏫 公共施設
🏬 商業施設
などで木造建築の普及を進めていく方針です。

協定書に署名した山下副大臣〈右〉と新村社長
※画像は日刊建設工業新聞さまからお借りしています。
🏗実は増えている「都市の木造ビル」
「ビルを木で作るなんて大丈夫なの?」そう思う人も多いかもしれません。しかし現在の建築技術では、木造でも高い安全性を確保することが可能です。
清水建設はこれまでに
* 自社設計施工:約30件
* 他社設計施工含め:約60件
の中大規模木質建築を手掛けています。
さらに今後は
📌 都市部を中心に毎年2~3件の中高層木造建築を施工
する計画です。
つまり、これからは
🏢 木造のビル
🏫 木造の学校
🏢木造のオフィス
が、都市でも珍しくなくなる可能性があります。
🔥木造でも燃えにくい?最新の木造建築技術
都市部で木造建築を普及させるためには、火災対策が重要になります。そこで開発されているのが、清水建設の木質建築技術「シミズ ハイウッド」です。
この技術では、次のような工夫がされています。
🔧 鉄骨を木材で被覆する構造
🔧 内装に耐火塗膜を形成
🔧 強度の高い集成材を使用
こうした技術によって
✔ 木の質感
✔ 高い耐火性能
✔ 耐震性能
を両立した建物が実現しています。
つまり、見た目は木でも構造性能は鉄骨建築に近い建物を作ることができるのです。
🌏なぜ今「木造建築」が注目されているのか
木造建築が広がる最大の理由は、脱炭素社会への取り組みです。木材には次のような特徴があります。
🌲 CO₂を吸収して固定する
🌲 製造時のエネルギー消費が少ない
🌲 再生可能資源である
つまり、木造建築は建物そのものが炭素を貯蔵する役割をもつのです。
コンクリートや鉄は製造時に多くのCO₂を排出しますが、木材はその逆で、環境負荷が低い建材として世界中で注目されています。
そのため現在、
🌍 木造高層ビル
🌍 木質ハイブリッド建築
などの研究や建設が進んでいます。

※画像はイメージです。
👷現場にも関係する?中小建設会社への影響
「これは大手ゼネコンの話では?」そう感じる方もいるかもしれません。しかし、この流れは中小建設会社にも影響してきます。理由は次の通りです。
①木造施工の需要増加
公共施設や商業施設で
* 木造保育園
* 木造校舎
* 木造オフィス
などが増えており、木造施工技術をもつ会社の需要が高まる可能性があります。
②地域の職人技術が活きる
木造建築では
🔨 大工
🔨 木工
🔨 内装
などの技術が重要になります。つまり、地域の職人や中小企業が大型プロジェクトに関わる機会が増える可能性があります。
③国産材利用の拡大
木造建築が増えることで
🌲 林業
🌲 製材業
🌲 建設業
が連携する新しい建築の流れが生まれています。これは地方経済の活性化にもつながると期待されています。
まとめ
農林水産省と清水建設が進める都市木造化の取り組みは、建設業界の大きな変化の一つといえるでしょう。今後は中高層ビルでも木造建築が広がり、都市の景観や建築のあり方が変わっていく可能性があります。
この流れは大手ゼネコンだけでなく、地域の建設会社や職人にも新しい仕事のチャンスを生むかもしれません。これからの建設業界では、環境・技術・地域連携が重要なキーワードになりそうです。
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