静岡県焼津市で、少しユニークな防災インフラが完成しました。その名も「潮風グリーンウォーク」。一見すると「海沿いの遊歩道」に見えますが、実は 津波対策を兼ねた巨大な防潮堤です。総事業費は約49億円。整備期間は約10年。
このプロジェクトは、単なる防災工事ではありません。建設業の新しい公共事業モデルとして、今後全国に広がる可能性があります。今回はこのプロジェクトを、現場仕事・中小建設業の視点から解説していきます。
焼津市「潮風グリーンウォーク」とは?
2026年3月、静岡県焼津市で 緑の防潮堤「潮風グリーンウォーク」の完成式典が開催されました。🎉式典には、焼津市の中野弘道市長をはじめ、国土交通省関係者や地元自治体関係者など約100人が出席しました。
この施設は
* 栃山川河口右岸
* 大井川港
を結ぶ約5.1kmの海岸防潮堤です。
整備は2016年から始まり、約10年をかけて完成しました。
特徴は、単なる防潮堤ではなく
🌿 緑化された堤防
🚶 散策できる遊歩道
🌊 津波対策施設
という 3つの役割をもつことです。つまり、防災 × 景観 × 観光を同時に実現したインフラなのです。

くす玉開披で完成を祝う中野市長(左から4人目)ら
※画像は建通新聞さまからお借りしています。
南海トラフ対策としての巨大プロジェクト
この施設が作られた背景には、南海トラフ巨大地震があります。政府想定では、南海トラフ地震では最大クラスの津波(レベル2)が想定されています。
通常の防潮堤は
* 津波を防ぐ
* 海水侵入を防ぐ
という役割ですが、レベル2クラスでは 完全防御は難しいとされています。
そこで重要になるのが「減災」という考え方です。潮風グリーンウォークは津波を完全に止めるのではなく、エネルギーを減衰させるという構造になっています。つまり、粘り強い堤防+盛土+植栽という多重構造によって、被害を最小限に抑える仕組みです。
国・県・市が分担した「官民連携型工事」
この事業の特徴は、複数の行政主体が役割分担していることです。
具体的には
🚧国・県
→ 海岸堤防整備
👷焼津市
→ 陸側の盛土工事
→ 植栽整備
という形で進められました。
公共工事ではよくある構造ですが、このタイプの事業は
* 土木
* 造成
* 造園
* 景観工事
など、複数業種が関わる大型プロジェクトになります。
つまり、中小建設業にとっては
✔ 土工
✔ 植栽
✔ 外構
✔ 遊歩道整備
など、多くの仕事が生まれる可能性がある工事です。
全国で増える「緑の防潮堤」
実は、このような防潮堤は東日本大震災以降に全国で増えています。理由は3つあります。
① 景観問題
巨大なコンクリート堤防は景観を損ねる
② 住民合意
高さのある防潮堤は反対が多い
③ 維持管理
緑化により景観と利用価値を高める
そこで最近は
🌳 緑化堤防
🚶 歩ける堤防
🌊 津波減衰構造
といった、多機能型インフラが主流になっています。

※画像はイメージです。
中小建設業にとってのビジネスチャンス
こうしたプロジェクトは、中小建設会社にとって実は大きなチャンスです。理由はシンプルです。工事の種類が多いからです。
例えば今回のような事業では
* 盛土工事
* 法面整形
* 植栽工事
* 散策路整備
* 舗装
* 防護柵
* 照明
* 排水
など、多くの専門工事が発生します。
つまり、一次下請け・二次下請けとして参加する余地が大きいという特徴があります。
さらに近年は
* 海岸保全
* 防災インフラ
* 気候変動対策
など、公共投資が拡大しています。
この分野は今後、20〜30年単位で仕事が続く可能性が高いと言われています。
「防災インフラ+観光」が公共工事の新トレンド
最近の公共事業では、防災だけでは予算が付きにくいという事情があります。そこで重要視されているのが「多目的インフラ」です。
例えば
* 遊歩道
* 展望施設
* サイクリングロード
* 観光スポット
などを組み合わせることで、地域活性化の要素を加えています。
潮風グリーンウォークも
🗻 富士山
🌊 駿河湾
を望める散策コースとして、観光資源としての利用も期待されています。
つまり今後の公共工事は、防災+観光+景観という複合型プロジェクトが増えていく可能性があります。
まとめ
焼津市の「潮風グリーンウォーク」は、単なる防潮堤ではなく
* 津波減災
* 景観整備
* 市民の憩いの場
を兼ね備えた 新しいタイプの公共インフラです。
そしてこのような、防災+観光+環境を組み合わせた事業は、今後全国で増える可能性があります。
中小建設業にとっては
* 盛土
* 土木
* 植栽
* 外構
など、多くの工種に関わるチャンスがあります。
これからの公共工事は「ただ作るだけ」ではなく地域の価値を高めるインフラづくりへと変わりつつあります。現場の技術が、地域の未来を守る時代になっていくでしょう。
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