🔨 なぜ内装工事の道を歩んだのか?西田社長の原点
西田社長が内装工事の世界に入ったのは、サラリーマン時代にまで遡ります。もともと別の職場で仕事をしていた西田さんは、内装・店舗工事の業務に携わるうちに、この仕事の奥深さと面白さに引き込まれていきました。
「サラリーマンの時代からやってることは、ほとんど同じで変わらないですね」と語る西田社長の言葉には、業界への愛着が滲みます。平成11年に株式会社アンフィニを創業してからも、軸足を内装工事に置き続けてきました。
創業後は決して順風満帆とはいかず、得意先の倒産で多額の不良債権を抱えたこともありました。事務所を売り、自宅まで手放してなんとか会社を立て直した時期もあったといいます。それでも西田社長が事業を畳まずに続けてこられたのは、長年積み上げてきた信頼関係と、この仕事への揺るぎない愛着があったからに他なりません。中小建設業にとって、経営の継続とは「仕事が好きかどうか」という本質的な問いに向き合い続けることなのだと、西田社長の歩みは教えてくれます。
🔧 うちにしかできないこと──現場が語る強みとは?
アンフィニの最大の特徴は、「丸投げをしない」という一貫した姿勢です。西田社長は、外注に頼りきりになることを徹底して避け、自社でしっかりと現場を仕切る体制にこだわってきました。
「あくまでもアンフィニという会社が得意先から依頼された仕事を一括して担い、『ここに任せれば全部ちゃんとやってくれる』と信頼していただける体制を目指している」と西田社長は語ります。内装だけでなく、空調・電気・設備といった周辺工程についても知識を持ち、各業者の段取りを自社で組み立てながら一件の現場を仕上げていく。そのワンストップ対応力が、長年の取引先から厚い信頼を得てきた理由です。
特筆すべきは買取店の内装・防犯対策工事への専門性です。近年、強盗被害が社会問題化するなかで、カウンター越しに不審者の侵入を防ぐ構造的な対策工事を、十数店舗にわたって手がけてきた実績があります。業種に特化した経験の蓄積は、中小建設業が大手と差別化するための重要な武器となっています。
社内体制においても、社員それぞれが得意先を担当しながら互いにフォローできる仕組みを整えています。「自分の仕事以外は何も知らない、とならないように気をつけている」という西田社長の言葉は、属人化リスクを意識した経営者の視点を示しています。
⚠️ 人手不足・担い手不足…課題だらけの建設業で、どう動くか?
中小建設業にとって、人材の確保は共通の悩みです。アンフィニも例外ではありません。夜間工事や土日出勤が多いという業務の性質上、求人活動での苦労は絶えないといいます。
「やっぱり好きじゃないとできないところがある」という西田社長の言葉が、問題の本質を突いています。給与や休日条件だけで入社を判断する応募者では、現場の実態に直面したとき長続きしないケースが少なくない。一方で、アンフィニが求めているのはスキルよりも「この仕事に興味がある」「ものづくりが好き」という人材像です。
西田社長の人材に対する考え方は、待遇面にも表れています。業界の平均年収を上回る給与水準を維持することを意識しており、決算賞与は年数・役職に関わらず全員に均等支給するというポリシーを持っています。「三年の社員でも十年の社員でも、みんなで頑張って上げた売り上げから分配する」という考え方は、チームとしての一体感を育む工夫です。また、家族手当を設けるなど、長く働き続けられる環境づくりにも注力しています。
情報発信や採用の面では、長年培ってきた人と人とのつながりを最大の武器としながら、自社の強みをより多くの人に届けるための取り組みも前向きに模索しています。地道に積み上げてきた信頼関係という土台があるからこそ、次の一手にも着実に踏み出せる──アンフィニの強さはそこにあります。
🌱 5年後のビジョン──次の世代へ、地域とともに
今年77歳を迎えた西田社長ですが、すぐに現場を離れるつもりはありません。一方で、「もう俺やめるわ、とはいかない」という言葉には、社員への責任感がにじみます。今いる社員は自社で生計を立てており、自分が事業をやめることは社員の生活に直結する。だからこそ、後継者づくりと事業承継を真剣に考えなければならないと話します。
想い描くビジョンは、未経験の若い人材を採用し、1年かけてじっくり育てること。「1年やれば、仕事の内容としては相当のことができます」と西田社長は断言します。大事なのは、仕事への興味と素直さ。スキルは後からついてくる──それがアンフィニ流の人材育成の哲学です。
現在の三つの主要得意先を軸に安定した事業基盤を維持しながら、人員を一人増やすことで仕事の幅を広げ、次の世代へとバトンをつなぐ。西田社長が見据えるのは、華々しい拡大よりも、アンフィニという会社の在り方を次の人が受け継げる形にしておくこと。中小建設業にとって「継続すること」自体が、一つの大きな経営戦略なのかもしれません。
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取材を通じて感じたのは、西田社長の「仕事への誠実さ」でした。派手な経営論より、自分たちにできることを積み上げてきた26年間。その姿は、多くの中小建設業経営者の等身大の奮闘と重なります。