🏗️「家族に誇れる仕事を」──創業50年、五陽興業が守り続ける現場の誇りとは

💡 埼玉県さいたま市を拠点に、送電線管路設置に伴う土木作業を手がける五陽興業株式会社。東証プライム企業との取引を重ね、1976年9月の創業からまもなく50周年を迎える同社は今、次世代への技術継承という課題に正面から向き合っています。今回は次期三代目として会社を内側から変えようとしている佐々木さんに、会社の強みや業界の現状、そして若者へのメッセージを伺いました。

🏗️ なぜ建設業を選んだのか?原点にある家業への想い

五陽興業は、佐々木さんの父親が現役で社長を務める、まさに”家族の会社”です。1976年9月の創業からまもなく50周年を迎えるという長い歴史を持ち、佐々木さん自身は現在役員として経営に携わりながら、いずれ三代目を継ぐ立場にあります。

生まれたときから建設業が身近にあった環境の中で、佐々木さんが今特に力を入れているのが「採用」と「情報発信」です。会社の公式SNSやホームページを自ら立ち上げ、Indeedへの求人掲載も自分の判断で動かしてきました。社内にはインターネット活用に抵抗感を持つ人が多い中、一人賛成派として地道に取り組んでいる姿が印象的です。

中小建設業にとって「後継者が会社のデジタル化を引っ張る」という構図は、今や珍しくありません。五陽興業でも、次の50年へ向けた土台づくりは、まさに佐々木さんの双肩にかかっています。

🔧 うちにしかできないこと──現場が語る強みとは?

同社のメイン事業は、送電線を地中に通すための管路を設置する土木作業です。道路や地面を掘削し、ケーブルを収める管を埋設するという、インフラを支える地道な仕事です。東証プライム企業を中心とした大手6社程度と継続的な取引があり、常に複数案件を並行して対応しています。

「うちの強みは、30人ちょっとの規模で複数の取引先の仕事を同時進行できる体制にあります」と佐々木さんは語ります。その中核を担うのが、元現場監督の経験を持つ職長陣です。彼らは作業内容の相談はもちろん、工程調整や測量時の技術的な指摘まで、発注側と対等に話し合える力を持っています。

「作業を受けるだけでなく、ここはちょっと違うんじゃないかと言える職長がいる。それがうちの一番の財産だと思っています」。中小建設業において、この”物言える職長”の存在は、取引先からの信頼に直結する大きな差別化要因です。ありがたいことに、現状では仕事量が多すぎて断らざるを得ない状況が続いており、人材確保が最優先の課題となっています。

⚠️ 人手不足・SNS採用…課題だらけの建設業で、どう動くか?

五陽興業が直面している課題は、多くの中小建設業と共通しています。現在の従業員は50代・60代が中心。募集をかけても応募が少なく、面接まで進んでも音信不通になるケースも少なくないといいます。

そうした中、2〜3年前からSNS採用に踏み切り、5名を迎え入れました。ただ、就職支援会社との事前説明と実態に食い違いがあり、日本語コミュニケーションの面で苦労がありました。「現地で半年間日本語学校に通うと聞いていたのに、実際にはほとんど話せない状態で来てしまって」と佐々木さんは当時を振り返ります。

「人を増やしたいというより、技術を継承したい」という言葉が印象に残りました。今いる職人が引退していく前に若手を入れ、2〜3年かけてしっかり育て上げる──それが五陽興業の描く採用戦略です。中小建設業にとって人材の確保は単なる数の問題ではなく、会社の存続そのものに関わるテーマです。

🌱 10年後のビジョン──地域と業界への想いを語る

「俺とやらないか。家族に誇れる仕事を。」──これが五陽興業の採用に込めたキャッチコピーです。建設業はきつい、汚い、給料が安いという”3K”のイメージが長年つきまとってきました。しかし佐々木さんは「力仕事だからきついのは事実。土木だから汚れるのも事実。でも給料については、人手不足の影響もあって以前より確実に上がってきている」と話します。

やりがいを求める若者に向けて、土木の現場で働くことの意義を率直に伝えていきたい──そんな想いが、SNS発信やホームページ運営の原動力になっています。5年後・10年後を見据えたとき、今の若手が職長として現場を束ねる姿を描いているからこそ、採用への投資を惜しまない姿勢があります。

創業50年という節目を前に、三代目として会社をどう変え、どう引き継ぐか。デジタルを活用しながら現場の誇りを守り続けるという挑戦は、まだ始まったばかりです。

【会社情報】
会社名:五陽興業(株)
代表者名:佐々木正憲
所在地:埼玉県さいたま市南区根岸4-19-9
設立年月日:1976年9月
主な事業:送電線管路設置に伴う土木作業

📝 編集部コメント

取材を通じて感じたのは、佐々木さんの「現場への敬意」と「次世代への責任感」の強さでした。一人で会社のデジタル化を推し進める姿は、多くの中小建設業の後継者世代に重なるはずです。

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