🏗️ 父の背中が、すべての原点──なぜ建設の道を選んだのか
大藏代表が職人の世界に惹かれたきっかけは、父親の存在だった。
「まさに父の背中ですね」と振り返る。父は左官職人の一人親方として現場で働いており、大藏代表は小学6年生の頃からその手伝いに入っていたという。「今じゃ無理かもしれないけど、小学校ぐらいから手伝いは行ってましたよ」──当時は材料を運んだり、父の作業を間近で見たりしながら、ものづくりの面白さを肌で覚えていった。
「作るのが好きですからね」という言葉が、そのすべてを物語っている。18歳で本格的に仕事へ飛び込み、父とともにフェンスやブロック積み、土間といった外構工事に従事。その後、知人のフローリング職人に誘われたことをきっかけに内装の世界へも踏み込んだ。
マンションのフローリング施工から腕を磨き、やがてヘリンボーンやフレンチヘリンボーン、パーケットといった特殊フローリングも手がけるようになった。「あんまみんながみんなできる仕事じゃないんですよ。精度が悪い材料を貼っていくには、打ち出すっていう技術がないとうまくいかない」──その言葉には、一流の職人としての自負がにじんでいる。
2008年のリーマンショックでマンション需要が落ち込んだ際、ウッドデッキの施工を本格化。事業規模が大きくなるにつれ「ちゃんと会社にしようかっていう」と、2018年(平成30年)に株式会社クライチを設立した。材料の仕入れから施工まで自社で一貫して担うスタイルで、関東一円での活動をスタートさせた。

🔧 うちは何屋?──「何でもできる職人集団」であることの誇り
「床屋でもないし、土間屋でもないし、エクステリア屋でもないし、内装屋でもない。何や?って言われますね」と大藏代表は笑う。フローリングから始まり、ウッドデッキ、TFウォール、店舗内装まで、クライチが手がける領域は広い。その正体をひとことで言えば、「何でもできる職人集団」だ。
TFウォールは、クライチが認定施工店として力を入れている商材のひとつだ。発泡スチロール由来の素材を用いた軽量設計で、倒壊リスクが低く、控え壁の設置も不要。「なんせ倒れないっていう」と大藏代表が言うように、地震への不安を抱える住宅オーナーにとって心強い選択肢となっている。デザインの自由度も高く、「形も自由に作れるし、デザイン性は高いですね」という言葉の通り、従来のブロック塀では実現できなかった個性的な外構を可能にする。
ウッドデッキも、クライチのメイン商材だ。「庭の有効活用ができて、部屋からフラットで出れて、床面積が増えて広く見えるんですよね」という実用的な魅力に加え、「やったらやってよかったしか言われない。やらなきゃよかったはないかな」という言葉が、その満足度を如実に物語っている。
「中途半端なものをお金にしようとは思わない。プロのレベルのものを提供して、ちゃんとお金をもらう。そこで初めて「仕事」じゃないですか」──この信念が、クライチのすべての仕事の根底にある。

⚠️ 40代が若手になってしまった現場──業界が抱える危機
外構・内装の現場に長く携わってきた大藏代表には、業界への強い危機感がある。
「今、現場に行くと……この世の終わりみたいな年齢層ですよ」と苦笑いする。40代でも「若手扱い」されてしまう現場は決して珍しくなく、若い職人が業界に入ってこない状況が続いている。「本当若い子につないでいかないと」──その言葉には切迫感がある。
しかし、大藏代表が職人という仕事を語るとき、その表情はいつも明るい。「ものづくりは楽しいから。そう思っている子たちが来れば、また若いのも復活してくるのかなとは思いますよね」──ものづくりへの純粋な愛情が、言葉ににじんでいる。
AI・ロボット化が急速に進む現代、建設業の未来を心配する声も多い。だが大藏代表は落ち着いた表情で言う。「最終的に職人っていうところはなくならないとは思います。最終的なやつっていうのはやっぱ人じゃないとできないのかな」──職人の手が必要とされる場面は、これからも確実に残り続ける。そう確信しているのだ。
🌱「職人やろうぜ」── 若い世代へ届けたいメッセージ
大藏代表は現在47歳。現役バリバリで現場に立ち続けているが、「今のうちに育てないといけない」という使命感を強く持っている。
「勉強嫌い、ものを作りたいっていうんであれば、もう16からでもオッケーですし」──クライチの門戸は、学歴や経歴に関係なく、ものづくりへの情熱さえあれば広く開かれている。ただし入ってからは本物のプロに育てる。「ちゃんとお金が取れるプロにしてあげるよっていう、そこまで仕上げるよっていう」──中途半端で終わらせない、それがクライチ流の育て方だ。
「手に職っていうのは悪いことがないですよね。何にでもつながるし」──フローリングを覚えれば次の仕事につながり、ウッドデッキを覚えれば外構が広がる。一つの技術が次の技術への扉を開く。その連鎖を自らの歩みで体感してきた大藏代表だからこそ、その言葉には説得力がある。
「職人やろうぜ」──野球やろうぜ、ではないけれど、大藏代表がものづくりの楽しさを次の世代に手渡そうとする気概は、それと同じ熱量を持っている。ものを作ることが好きで、手に職をつけたい。そんな若者が一人でも多くクライチの門を叩いてくれることを、大藏代表は今日も待っている。

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取材を通じて感じたのは、大藏代表の「ものづくりへの純粋な愛」でした。「職人やろうぜ」というひとことに、業界への愛情と次の世代への期待が凝縮されていると感じます。手に職をつけたいと考えている若者にぜひ届いてほしい、そんな記事になりました。