建設業を営む中小企業や現場事業者は、資材価格の高騰・人件費上昇・燃料コスト増…と、コスト増圧力に常にさらされています。
その中で、国や地方自治体が用意する補助金・助成金制度や、**税制度の優遇措置(節税制度)**をうまく使えるかどうかが、手元資金を残せるか否かを左右することがあります。
特に、現場仕事中心で「書類仕事は二の次…」と後回しにしがちな会社や職人サイドでは、制度を“知らなかったから使えなかった”というもったいないケースが少なくありません。
本記事では、「制度を知って、制度を使えるようになる」入り口を目指します 😊
建設業で使える主な助成金・補助金制度7選
まずは「現場 × 補助金・助成金」の代表例を、具体名を挙げて紹介します。
| 制度名 | 対象・条件例 | 支援内容 | ポイント・注意点 |
|---|---|---|---|
| 建設事業主等に対する助成金(建設雇用改善助成金) | 建設事業主が労働環境改善等に取り組む場合 | 雇用環境改善の取組みに対して助成金 | 条件・様式が細かいので要綿密チェック (厚生労働省) |
| 人材確保等支援助成金 | 若年者・女性の採用、職場環境改善など | 助成金支給 | 建設分野向けコースあり (厚生労働省) |
| トライアル雇用助成金 | 35歳未満の若者・女性を一定期間試行雇用 | 月額数万円程度の給付 | 現場作業職種が対象になるケースあり (tansomiru.jp) |
| 建設労働者確保育成助成金(技能実習コース) | 建設労働者に技能講習・教育を受けさせる | 経費助成・賃金助成 | 安全教育・技能研修を使って職員教育も進められる (rougi.or.jp) |
| IT導入補助金 | 現場管理ソフト・営業支援ツール導入 | 導入費用の一部補助 | 建設DXを進めたい現場向けに利用しやすい (conterise.co.jp) |
| ものづくり補助金 | 新技術導入、生産性向上設備を使う事業者 | 機械・設備導入支援 | 建設機械・工具更新に活用できることも (conterise.co.jp) |
| 働き方改革推進支援助成金 | 労働時間短縮、年休取得促進などの取組みに対して | 労務環境改善助成 | 現場の休息制度や多能工化推進で併用可能 (内田洋行ITソリューションズ) |
💡 補助金と助成金の違い
補助金:国・自治体が支援先を選び、実施後の審査で交付
助成金:一定要件を満たせば給付されやすい制度
事後申請の制度はあまりないため、制度を使うなら「事前申請」が重要です。
節税制度を活用しよう:建設業向けの技・コツ
助成金・補助金と並んで無視できないのが「税制度の優遇措置(節税制度)」です。ここでは、建設業・中小規模企業に特に関連が深いものを解説します。
✅ 中小企業投資促進税制・特別償却/税額控除
中小企業が設備投資をする際、設備購入額の「30%を特別償却」もしくは「税額控除7%」を選べる制度があります。この制度を利用することで、導入した年度に多く経費を落としたり、税金額を直接軽減できます。さらに、要件を満たせば即時償却できる上乗せ措置が適用されるケースもあります。
✅ 減価償却を戦略的に使う
建設業では重機や建機、工具など固定資産が多いため、減価償却の方法・期間を意識することが重要です。耐用年数を正しく設定し、加速度償却を採用できるものは積極的に活用していきましょう。
✅ 役員報酬の最適化
法人税と個人所得税・社会保険料を合わせたトータルの負担を見ながら、適切な役員報酬を設定することも大切です。全体のバランスを見て役員報酬を設定する必要があります。
✅ 法人名義での車・工具・社宅などの活用
会社名義で車両を所有すれば、購入費・維持費・燃料代などを経費化できる可能性があります。ただし、プライベートと兼用の取扱いや利用区分には、十分な注意が必要です。また、経営者の住居を社宅として扱うことで、家賃の一部を会社経費にできる制度もあります。
✅ 中小企業倒産防止共済(経営セーフティ共済)
取引先の倒産リスクに備える制度で、掛金を損金算入できます。さらに、一定条件で無担保無保証人で借入できるスキームもあります。助成・節税の観点で活用価値が高い制度です。

現場企業が制度を“実際に使う”4ステップ
現場の実務で実際に助成金・節税制度を利用するために、以下のステップを押さえておきましょう!
① 制度情報を定期的にチェック
国・自治体・建設団体の最新募集制度を、少なくとも四半期ごとに確認。補助金は募集枠が早期に締め切られることも多いです。
② 制度適合性の検討
自社の事業内容・従業員構成・設備計画が制度要件を満たすかを確認。要件には「期間」「対象業種」「所在地」などの限定が含まれがちです。
③ 事前申請・準備
制度の多くは、着手前申請が条件になっています。施工開始前に申請書を提出する必要があります。必要書類(見積・仕様書・図面・従業員名簿など)を揃えておくことが大切です。
④ 実行・報告・検証
補助金交付後も、実績報告や証拠保存が必須です。設計変更や仕様変更があれば、当初申請と合致しているかチェックしましょう。報告書や領収書類を整理して保存しておくことも重要です。
💡 補助金・助成金の実務Tips
・複数制度を「併用」できるかどうか制度間で比較
・地方自治体の独自制度も見逃さない(都道府県・市町村)
・税理士・行政書士・建設団体と連携して申請支援を受ける
よくある質問&注意点 ⚠️
Q.補助金・助成金は「申請すれば必ずもらえる」?
A.いいえ。要件不備・予算枠が埋まるなどで不交付になることもあります。
Q.節税をやりすぎて税務調査が怖い?
A.節税は「合法的措置」を使うこと。無理な裏技はリスクが高くなります。
Q.小さな事業所でも使える制度は?
A.助成金制度は比較的ハードルが低いものもあり、「人材確保」「教育」系が使われやすいです。
Q.複数の制度を使いすぎて混乱しない?
A.併用可能性を事前に確認し、計画的に使うのがコツです。制度同士の相互制限も注意しましょう。

✅ まとめ:手元に残る“使える制度”を武器にしよう 💪
まずは今日からできることとして、以下のような節税対策があります。
・紹介した制度の中から自社に合いそうなものをピックアップ
・制度の要件・募集スケジュールを調べて、カレンダーに登録
・税理士・建設団体に相談して、制度申請支援を受ける
建設業は、「ものづくり」「現場力」が主戦場ですが、お金と制度を味方につければ経営の安定性も強くなります。制度を知らない・使えないことは、資金を取りこぼすことにほかなりません。
現場の汗と技術に、ぜひ「お金を守る制度知識」をもう一つの武器として加えていってください!
