建設業の死亡退職金、保障上限が最大7000万円へ拡大:2026年4月より適用開始

建設業福祉共済団による保障額引き上げ

建設業福祉共済団は、厚生労働省などの承認を経て、共済金区分として新たに6000万円と7000万円を新設する運びとなりました。

この新設は、国の公的年金制度の最高給付額の水準に合わせる形で実施され、加入者の皆様が選択できる保障水準の選択肢を拡大することが目的と見なされます。

新たな共済金区分は2026年4月1日から実施され、新規共済加入者および継続加入者の双方が対象となります。

従来の制度下では、加入者の死亡時における給付額は5000万円以上が主流となっており、今回の6000万円と7000万円の新設により、特に高額な保障を求めるニーズに対応することが可能となります。


建設業福祉共済団・茂木繁理事長
※画像は日刊建設工業新聞さまからお借りしています。

なぜ共済金区分の新設が必要とされたのか

今回の保障額の引き上げは、実際の給付実態と既存の制度水準との間に生じていた乖離を是正するための措置です。

建設業の現場で働く人々に対する「万が一」の際の経済的備えを、より現代の生活水準やニーズに即したものとする必要がありました。

共済団が実施した調査によると、2015年度から2023年度までの10年間で、建設業福祉共済の加入者に支払われた共済金(年平均50件を対象)のうち、遺族への給付額が5000万円以上のケースが46件確認されました。

これらの高額給付の事例は、老齢や病気による死亡時において特に目立つ傾向にあり、5000万円以上の給付が全体の約11%を占めていたことが判明しています。

この事実は、従来の最高給付額である5000万円では、高水準の保障を必要とする加入者のニーズを完全に満たせていなかったことを示します。

また、加入資格をもつ建設業における公的な年金制度上の最高給付額は4200万円に設定されていますが、共済金制度の実際の運用や給付実績を鑑みると、現行の5000万円という水準は実態に即しているとの認識があります。

制度の趣旨と実態の乖離を解消し、公的な制度の最高給付額との整合性を図りつつ、選択肢を増やすことで、加入者の皆様が安心して働くことができる環境を整備することが、今回の区分新設の重要な背景です。

死亡時の平均給付額も増額傾向にあり、今回の区分新設は、業界全体の保障レベルの底上げに繋がるものと期待されています。

新区分選択時の掛金と保障額の具体的なメリット

新設された共済金区分を選択する場合、加入者が負担する掛金(保険料)についても試算が公表されています。

新たな共済金区分の掛金は、現行の掛金に対し、毎月10,220円から最大300円の範囲で設定される見込みです。

加入者が共済の更新時に共済金区分を増額することを決定した場合、保障額の増加効果は極めて大きくなります。

具体的には、6000万円の共済に加入している方が、5000万円から7000万円の区分に変更した場合、その保障額は1.6倍に拡大すると試算されています。

これは、建設現場で働く方々が、比較的わずかな掛金の増加で、自身の家族や生活基盤に対する万が一の備えを大幅に強化できることを意味します。

保障額の柔軟な選択肢が提供されることで、現場の職人や中小建設企業の経営者など、加入者は自身の責任や負債の状況、家族構成の変化に応じて、最適な保障水準を選択することが可能となります。

これは、従業員の定着や採用といった労務管理の観点からも、企業が提供できる福利厚生の魅力向上に繋がる重要な要素です。

加入者の選択傾向と平均給付額の試算

共済団は、新区分導入後の加入者の動向についても概算試算を行ないました。

2027年度の調査結果に基づくシミュレーションでは、現状5000万円の保障に加入している10,000人をベースにした場合、最終的には7000万円の保障額に加入が集中する可能性が高いと予測されています。

内訳としては、6000万円の区分に約5,770人が、そして7000万円の区分には約3,330人が加入するという概算結果が出ています。

この試算結果は、建設業に従事する人々が高額な死亡退職金や遺族保障に対する潜在的なニーズを強くもっていることを裏付けます。

特に、現場での作業に伴うリスクや、老齢・病気による離職・死亡事例の高額給付実態が認識されるなかで、自身の保障を最大限に高めたいという意識が働いていると推察できます。

また、新区分導入後の平均給付額についても試算がなされ、標準ケースで1150万円、そして保障水準を高く設定したハイケースでは3500万円を見込むとの予測が示されました。

これらの数値は、新制度が導入されることで、建設業における総合的な保障水準が向上し、加入者とその遺族の経済的な安心が強化されることを示唆しています。

適切な保障選択と日々の健康管理の連携

建設業の現場は、肉体的な負担が大きく、事故や病気のリスクが常にある職場環境です。

今回の共済金区分の新設は、経済的な側面からリスクへの備えを強化する最善の機会を提供します。

最大7000万円までの保障を選択できるようになったことで、現場を支える方々が、より大きな安心感をもって職務に専念できる環境が整います。

しかしながら、高額な保障制度の充実は重要である一方で、日々の健康管理と安全対策こそが、現場で働くすべての人にとっての最優先事項です。

過去の給付データが老齢や病気による死亡時に高額給付が目立つことを示している通り、保障制度はあくまでも最終的な備えであり、健康を維持し、長期間にわたり活躍し続けるための自己管理が求められます。

事業主においては、新制度の情報を従業員に正確に伝え、個々の状況に合わせた保障プランの選択を支援することが、重要な労務管理の一環です。

また、職場環境の安全性を高め、従業員の健康診断や体調管理に対する意識を高める活動を継続することが、結果的に共済金のような経済的備えを必要とするリスクの低減にも繋がります。

まとめ

建設業福祉共済団による共済金区分の6000万円および7000万円の新設は、2026年4月1日の実施を予定し、建設業界の保障水準を新たな段階へ引き上げる重要な制度改定です。

加入者の実態的なニーズと、公的年金制度の水準を考慮したこの改定は、万が一の事態に対する経済的備えを強力にサポートします。

LINEでお友達登録
>建設業向けマッチングアプリ【建設円陣】

建設業向けマッチングアプリ【建設円陣】

建設円陣は、建設業界に特化したマッチング&求人アプリです。協力会社や職人とのマッチングはもちろん、求人掲載や採用活動にも対応。条件を入力するだけで最適な人材・企業が見つかり、AIによる募集文生成機能も搭載。発注・受注から採用まで、業界の課題をスマートに解決します。

CTR IMG
建設業特化求人サイト【円陣求人サイトへ】

建設業特化求人サイト【円陣求人サイト】

建設円陣求人サイトは建設業界に特化した求人サイトです。ログイン・投稿・応募確認まで、すべてがLINE上で完結。求人応募は登録作業一切なし。 フォーム入力だけで応募が完了し、求人掲載も無料です。業界が抱える人材不足の問題を、スマートに解決します。

CTR IMG