【公共工事品確法】週休2日は定着も平準化に遅れ:国交省「新・全国統一指標」総括と課題

働き方改革は前進、平準化とダンピング対策に課題残る

国土交通省は、公共工事品質確保促進法(公共工事品確法)に基づき、公共発注者の取り組みを評価・可視化するための「新・全国統一指標」(2020~2024年度)の最終結果を公表した。この指標は、建設業の働き方改革や経営の安定化に直結する重要な数値である。
結果の総括として、週休2日を前提とした発注方式は全国的にほぼ浸透し、高い達成率を記録したことが明らかになった。
一方で、施工時期の平準化については当初の目標値に達していない地域ブロックや県域が多く、課題が浮き彫りとなっている。

また、ダンピング(不当廉売)対策に関しても、目標の達成状況には県域によって大きなばらつきが見られた。国交省はこれらの結果を踏まえ、2025年度以降は可視化する指標の一部を見直した「第3次全国統一指標」へと移行し、発注事務の継続的な改善を図る方針を示している。

疑問1:施工時期の平準化が進まない現状とはどのようなものか?

建設業の経営安定化において、工事量の繁閑をなくす「施工時期の平準化」は極めて重要な要素である。今回公表された平準化の指標は、国、都道府県・政令市、および市区町村の工事を対象として算出されたものである。
具体的な算出方法としては、稼働件数の年度平均と、工事が少なくなりがちな4月から6月の平均を比較し、その比率を指標としている。この数値が100%に近いほど、年間を通じて工事が均等に行なわれていることを意味する。

しかし、2024年度の実績値を見ると、全国平均は74%にとどまる結果となった。全10ブロックごとの数値を分析しても、いずれも70%から77%の範囲内に収まっており、目標値を完全に達成したブロックは存在しなかった。これを国を除いた県域別に見ても、目標を達成できたのはわずか5県域に限られているのが実情だ。

この結果は、依然として年度末に工事が集中し、年度初めに仕事が薄くなるという公共工事特有の商慣習や予算執行のサイクルが根強く残っていることを示唆している。建設企業にとっては、閑散期の人員維持や機材の稼働率確保が引き続き経営上の課題となるため、発注者側へのさらなる働きかけや、第3次指標での改善策が待たれるところだ。

疑問2:週休2日工事の普及状況に地域差はあるのか?

働き方改革の核心である「週休2日」に関しては、非常に高い水準での定着が見られた。この指標は、国および都道府県・政令市の工事において、災害復旧工事などを除いた案件のうち、週休2日で公告された案件の割合を100%にするという野心的な目標を掲げていた。

結果として、北海道、東北、北陸、中国の4ブロックにおいては、2024年度に目標値である100%を見事に達成した。全国平均で見ても99%という極めて高い数値を記録しており、公共工事の分野においては、週休2日を前提とした発注がスタンダードになったといえる。
なお、最も割合が小さかった沖縄ブロックにおいても96%に達しており、全国的に取り組みが浸透している事実は評価できる。

現場で働く技術者や技能労働者の休息確保、ひいては若手入職者の確保に向けた労働環境の改善という点では、発注者側の意識改革は完了の域に達しつつあると考えられる。今後は、この発注方式が実態として現場の休日に反映されているか、下請企業まで浸透しているかという運用面での質が問われる段階に入るだろう。

疑問3:ダンピング対策と適正利益の確保は進んでいるのか?

公共工事の入札において、過度な安値受注を防ぐダンピング対策は、企業の利益確保と賃上げ原資の捻出に直結する問題だ。今回の指標では、都道府県・政令市と市区町村の工事を対象に、低入札価格調査基準や最低制限価格の設定率を県域別に確認している。

ほぼすべての県域において、この設定率の目標を100%に設定していたが、2024年度の実績値でこれを達成したのは、滋賀県と大分県の2県のみであった。全国平均での設定率は94%にとどまっており、目標未達の地域が多く残されている。これは、一部の自治体において、依然としてダンピング対策の基準設定が不十分であり、適正な競争環境の整備に遅れが生じていることを意味する。特に地方部の市区町村発注工事においては、財政事情なども絡み、対策の徹底に時間を要している可能性がある。

一方で、測量や調査、設計といった関連業務の指標に目を向けると、ダンピング対策に関しては38県域が目標値となる100%を達成しており、工事発注とは異なる傾向が見られた。ただし、これらの業務においても平準化(第4四半期納期率)については目標値に届かないブロックや県域が多く、年度末への業務集中による長時間労働の懸念は払拭されていない


※画像はイメージです。

まとめ

2020年度から2024年度にかけて実施された「新・全国統一指標」の結果は、週休2日発注の定着という大きな成果を示した一方で、平準化とダンピング対策という構造的な課題を改めて浮き彫りにした。特に平準化の遅れは、建設業の通年雇用や経営資源の有効活用を阻害する要因であり、発注機関のさらなる工夫が求められる。
2025年度から始まる「第3次全国統一指標」では、これらの未達項目に対してどのような新たなアプローチが導入されるかが焦点となる。

 

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