東京都が三宅島で地熱発電の本格調査へ着手:新制度「島FIT」が拓く建設業の新市場と参入の勝機

三宅島で地熱発電へ本格調査―島嶼エネルギー自立と強靱化に向けた第一歩

東京都が2026年度より、三宅島において地熱発電のポテンシャル調査を実施する方針を固めた。この事業は、伊豆諸島におけるエネルギーの地産地消、災害発生時の電力網強靱化、そして二酸化炭素(CO2)排出量の削減を目的としている。

2025年10月の台風で伊豆島しょ部の電力インフラが甚大な被害を受けたことで、外部依存型の供給網を見直し、島独自のインフラ強靱化を図る必要性が浮き彫りとなった。都は環境負荷が低く強靱化にも寄与する地熱発電に着目し、三宅島全体を対象とした初弾調査を開始する。

温泉掘削に伴う地質データを整理する机上調査と、地磁気地電流法(MT法)を用いた電磁探査による実地調査を並行して進め、有望エリアを絞り込む計画だ。地下のキャップロック構造を3次元解析で把握し、可能性が確認されれば2027年度以降に試掘へ移行、最終的に民間事業者を公募する手順を予定する。


00年に噴火した三宅島。活火山は地熱資源が期待される地域でもある(01年撮影)
※画像は日刊建設工業新聞さまからお借りしています。

Q1. なぜ今、三宅島で地熱発電の調査が行なわれるのか?

A1. 自然災害へのインフラ脆弱性の克服と、脱炭素社会の実現を両立するためだ。2025年10月の台風で伊豆島しょ部が深刻な被害を受けたことから、外部依存型の電力網には災害時の復旧が長期化するリスクがあることが明確になった。

都は島内で電力を自給自足するモデルの構築を急務と判断した。地熱発電は天候に左右されない安定した再生可能エネルギーであり、火山島である三宅島の特性を最大限に生かせる。なお、2026年度の基礎調査業務は、三井金属資源開発が担当する。

Q2. 過去の八丈島での事業撤退事例と今回のプロジェクトの違いは何か?

A2. かつて八丈島において東京電力が地熱発電を導入したが、事業化から約20年で撤退を余儀なくされた歴史がある。その主な要因は採算面の厳しさだ。地熱発電には地下水やガス、キャップロック構造などの条件が不可欠だが、これらをクリアしても硫化水素による配管類の劣化対策が必要となる。

さらに離島ならではの資機材の海上輸送コストが重くのしかかる。今回の三宅島プロジェクトでは過去の失敗を教訓とし、採算性の確保に向けた資金的支援策が用意されている点が大きく異なる。

Q3. 新たな支援制度「島FIT」とはどのような仕組みか?

A3. 「島FIT」とは、東京都が2024年度に創設した「島しょ地域における再エネ導入促進事業」の通称である。離島特有のコスト高によって生じる採算面の課題に対し、自治体が直接的な資金支援を行ない、民間事業者の参入を後押しする制度だ。

地熱発電所の建設には配管の防食工事や特殊な土木設備工事など高度な技術とコストが求められる。この新制度が機能することで、リスクを懸念していた民間企業や中小建設業者も、長期的な視点に立ってプロジェクトに参画しやすくなる。


※画像はイメージです。

Q4. プロジェクトは中小建設業者にどのような経済的メリットをもたらすか?

A4. 地熱発電施設の建設および長期的な維持管理には、管工事、土木工事、電気工事など地域に根ざした建設業者の技術力が不可欠だ。さらに、東京都は伊豆諸島周辺海域で浮体式洋上風力発電も計画しており、島しょ部のエネルギー資源として洋上風力と地熱の二つを大きな柱と位置付けている。

これに伴う港湾設備の拡張や資材輸送の拠点整備など、関連するインフラ投資の波及効果を含めれば、地元の中小建設業者が継続的に公共工事や関連事業を受注する機会は飛躍的に増大する。

まとめ

東京都が2026年度から三宅島で開始する地熱発電調査は、地域インフラの強靱化持続可能な経済活動の基盤を構築する重要なプロジェクトだ。過去の撤退事例から得た教訓を反映し、離島特有の採算性の壁を打破するために創設された新制度「島FIT」は、民間企業にとって強力な支援となる。

地熱発電と洋上風力発電を両輪とする都のエネルギー戦略は、長期間にわたる安定したインフラ投資を約束するものであり、高い技術力をもつ中小建設業者に絶好のビジネスチャンスを提供する。資金面の後押しを活用しながら新たな施工技術の習得や事業領域の拡大に挑戦することは、企業の競争力を高める。詳細な調査結果や公募条件を見逃さず、積極的な情報収集と資金計画の策定を進めることが市場を勝ち抜く基盤となるだろう。

 

本サイトについて、ご質問・ご相談がある場合は、下記のお問い合わせフォームからお気軽にお寄せください。
あわせて、協力会社探しや人材確保など、日常的な情報収集の場として無料で利用できる建設業向けマッチングサイト『建設円陣』もぜひご登録ください(緑のバナーをクリック)。


お問い合わせ

お名前必須

貴社名必須

電話番号必須

メールアドレス必須

お問い合わせ項目必須














お問い合わせ内容


LINEでお友達登録
>建設業向けマッチングアプリ【建設円陣】

建設業向けマッチングアプリ【建設円陣】

建設円陣は、建設業界に特化したマッチング&求人アプリです。協力会社や職人とのマッチングはもちろん、求人掲載や採用活動にも対応。条件を入力するだけで最適な人材・企業が見つかり、AIによる募集文生成機能も搭載。発注・受注から採用まで、業界の課題をスマートに解決します。

CTR IMG
建設業特化求人サイト【円陣求人サイトへ】

建設業特化求人サイト【円陣求人サイト】

建設円陣求人サイトは建設業界に特化した求人サイトです。ログイン・投稿・応募確認まで、すべてがLINE上で完結。求人応募は登録作業一切なし。 フォーム入力だけで応募が完了し、求人掲載も無料です。業界が抱える人材不足の問題を、スマートに解決します。

CTR IMG