【建設業界の羅針盤】「けんせつ小町」からDE&Iへ。誰もが輝ける職場づくりの現在地と展望

日本建設業連合会(日建連)が推進する「けんせつ小町」の取り組みは、2015年の開始から10年を経て、新たな段階へと進化を遂げている。これまでの女性活躍推進を基軸としつつ、今後は多様性、公平性、包摂性を意味する「DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)」の視点を取り入れ、活動の幅を広げていく方針が示された。

新5カ年計画では、「女性管理職比率5%以上」「女性技術者比率12%」といった具体的な数値目標が掲げられた。これは現状から見れば高い目標ではあるものの、女性が働きやすい職場環境は、性別を問わず全ての従業員にとって働きやすい環境であるとの認識のもと、業界全体の意識改革を目指すものである。特に、採用競争の激化や現場環境の整備といった課題に対し、トップダウンでの迅速な制度浸透と改善が不可欠とされている。

 

Q1. 建設業界におけるDE&I推進の具体的な目標は何ですか?

日本建設業連合会(日建連)が策定した新5カ年計画では、DE&I推進の具体的な数値目標として**「女性管理職比率5%以上」および「女性技術者比率12%」**が掲げられている。これらの目標は、業界における女性の活躍をさらに加速させるための重要な指標と位置付けられている。

日建連のけんせつ小町委員会は、従来の女性活躍推進の枠組みを維持しつつ、DE&Iの観点を包含することで、より広範な人材が活躍できる環境構築を目指す。奥村太加典委員長は、これらの数値目標が現状からすれば「高いハードル」であることを認めながらも、その達成が業界全体の労働環境改善に繋がるとの考えを示している。

重要なのは、これらの取り組みが単に女性のためだけのものではないという点である。**「女性が働きやすい職場は男性にとっても働きやすい」**という理念に基づき、業界全体で意識を高め、誰もがその能力を最大限に発揮できる職場環境を創出することが最終的な目標である。この目標達成に向け、経営層が主導権を握り、迅速な制度改革を進めることが強く求められている。

Q2. なぜ今、建設業界でDE&Iや女性活躍が重要視されているのですか?

建設業界でDE&Iや女性活躍が重要視される背景には、深刻化する人材不足と、それに伴う採用競争の激化がある。現在の女性技術者の比率は約8.5%であり、目標達成にはまだ隔たりがあるのが実情だ。

技術職の人材確保は、建設業界だけでなく、電力や鉄道といった他のインフラ関連企業との間でも激しい競争となっている。特にコロナ禍が落ち着き、他業界が採用活動を活発化させたことで、建設業界は再び厳しい採用環境に直面している。このような状況下で、業界の持続的な発展を確保するためには、これまで十分に活用されてこなかった人材層、特に女性や文系出身者などに門戸を広く開く必要がある。

実際に、一部の企業では新卒採用において学部や学科を問わず、意欲ある人材を積極的に受け入れる動きが見られる。文系出身者であっても建設技術に挑戦したいと考える人々は少なくなく、こうした多様な背景を持つ人材を柔軟に受け入れる体制を整えることが、企業の競争力強化に直結する。

さらに、多様な人材が活躍する職場は、組織全体の活性化にも寄与する。奥村委員長が指摘するように、男性が多い現場に女性が加わることで、現場の雰囲気が変わり、チーム全体のパフォーマンス向上に繋がるという効果も期待されている。DE&Iの推進は、単なる人手不足対策に留まらず、組織文化の変革と生産性向上を実現するための重要な経営戦略と位置づけられている。

Q3. 誰もが働きやすい職場環境を実現するために、具体的にどのような課題があり、どう解決しようとしていますか?

誰もが働きやすい職場環境を実現する上での具体的な課題として、物理的なインフラ整備の遅れが挙げられる。その象徴的な例が、現場における女性用トイレや更衣室の設置問題である。日建連はこれらの設置率100%を目指しているが、特に都市部の狭小な現場や、事務所スペースやコストに制約のある建築工事現場では、整備が遅れる傾向にある。

この問題は、現場で直接作業に従事する女性技術者や技能者だけの問題ではない。例えば、食事の配達員など、現場に出入りする様々な立場の人々が関わる問題であり、誰もが気兼ねなく利用できる環境の整備が求められている。

もう一つの重要な課題は、育児休業の取得促進である。計画では、育児休業取得率について男女を問わず100%を目標として掲げている。子育てと仕事の両立支援は、性別に関わらず全ての従業員にとって働きやすさを左右する重要な要素である。

これらの課題解決に向けて、けんせつ小町委員会は**「トップの旗振り」**の重要性を強調している。現場レベルの努力だけでは限界があり、経営層が強いリーダーシップを発揮し、全社的な取り組みとして制度の浸透やインフラ整備を迅速に進めることが不可欠である。トップダウンでの明確な方針提示と実行が、現場の意識と行動を変え、真にインクルーシブな職場環境を実現するための鍵となる。

 

まとめ

建設業界は今、深刻な人手不足という課題に直面する中で、「けんせつ小町」の活動を基盤に、DE&Iという新たな指針を掲げ、大きな変革期を迎えている。女性管理職・技術者の比率向上といった数値目標の設定、学部学科を問わない柔軟な採用活動、そして女性用トイレや育休取得率100%を目指す職場環境の整備は、全ての人材がその能力を最大限に発揮できる業界への転換を目指すための具体的な施策である。これらの取り組みは、単に女性のためだけではなく、業界全体の生産性向上と持続可能な発展に不可欠な戦略であり、経営層の強いリーダーシップのもとで推進されることが期待される。

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