建設業の新常識。アスリート社員がもたらす組織の団結と採用力向上

住友電設は、東京2025デフリンピックにおいてメダルを獲得した同社所属のデフアスリート3名を祝う報告会を大阪本社で開催した。
女子バレーボールで金メダルを獲得した長谷山優美選手、卓球女子団体で銀メダルの亀澤理穂選手、男子サッカーで銀メダルの古島啓太選手が登壇し、それぞれの激闘を振り返るとともに、周囲の応援が大きな支えになったと語った。

長谷山選手は「チーム全員で流れを取り戻した」と述べ、亀澤選手は「会場を埋め尽くす応援が力になった」と感謝を口にし、古島選手は逆転劇の興奮を伝えた。
同社は「トータルサポートメンバー」として大会に協賛するだけでなく、社員が会場へ駆けつけるなど全社を挙げて選手を支援している。
谷信社長は、3人の挑戦が勇気と感動を与えたと称賛し、デフスポーツを通じた共生社会の実現に期待を寄せた。

身体能力だけではない「アスリート雇用」の真の価値

こうした大手企業の取り組みは、人手不足が深刻化する中小建設会社にとっても極めて重要な示唆を含んでいる。
昨今、建設業界では若手人材の確保が最大の経営課題であり、単なる賃上げだけでは他社との差別化が困難だ。

そこで注目すべきが、住友電設のような「アスリート雇用」や、多様な背景をもつ人材を受け入れる「ダイバーシティ経営」である。
アスリートがもつ基礎体力や忍耐力は現場仕事において大きな武器となるが、その真の価値は「組織の結束力向上」にある。

特定の目標に向かって努力する社員を会社全体でバックアップする体制は、社員同士の絆を強め、帰属意識を高める効果がある。
「自分の会社には応援したくなる仲間がいる」という感覚は、金銭では買えない強力な福利厚生として機能し、結果として離職防止に大きく寄与する。


(前列右から)亀澤選手、古島選手、長谷山選手と谷社長(後列右から5人目)ら
※画像は日刊建設工業新聞さまからお借りしています。

中小の現場で競技と仕事を両立させるための「業務の見える化」

一方で、現場を預かる経営者や管理職からは「仕事と競技の両立は、中小企業の現場では負担が大きすぎるのではないか」という懸念の声が上がることも多い。
工程管理が厳しいなかで、練習や大会による欠勤が発生することを不安視するのは当然だ。

しかし、これを逆手に取ることが「働き方改革」を加速させる鍵となる。
アスリート社員を抱える企業では、限られた時間で成果を出すための「業務の見える化」「属人化の排除」が不可欠になる。
誰かが不在でも現場が円滑に回る仕組みを構築することは、ITツールの導入や業務改善を進める強力な動機付けとなる。
これはアスリート社員のためだけではなく、育児や介護を担う他の社員にとっても働きやすい環境づくりに直結し、組織全体の生産性を底上げする。

安全管理の質を高める視覚的コミュニケーションの徹底

住友電設の報告会では、手話による拍手で選手を迎える光景が見られた。
聴覚障害などの特性をもつ人材との共生は、建設現場における「安全管理」の質を向上させるヒントに満ちている。

建設現場は騒音が激しく、音声のみのコミュニケーションには限界がある。
ここで、聴覚に頼りすぎない視覚的な情報伝達、例えば図解による掲示物の充実やタブレット端末を活用した指示の徹底、ハンドサインの共通化などを進めることは、すべての作業員にとってのミス防止や事故低減に有効だ。
「伝わっているだろう」という主観を排除し、誰もが確実に理解できる情報共有を徹底する姿勢は、現場の安全性を一段高いレベルへと引き上げる。

採用ブランディングとしての社会貢献と若手への訴求力

さらに、アスリート雇用の促進は「企業ブランディング」において計り知れないメリットをもたらす。
スポーツ振興や障害者支援に積極的な企業というイメージは、地域社会や求職者に対して非常にポジティブな印象を与える。

特にSNSを日常的に活用する現在の若手層は、企業の社会的価値や「どんな人を応援しているか」という姿勢を重視して入社先を判断する傾向が強い。
「この会社は、仕事以外にも情熱を傾けることを認めてくれる」という評価が定着すれば、求人広告に多額の費用を投じずとも、意欲の高い人材が自然と集まる好循環が生まれる。
住友電設が大会運営への協賛だけでなく、社員を会場に送って応援を具現化したことは、求職者に対する何よりのメッセージとなる。


※画像はイメージです。

個々の挑戦を称え合う文化がエンゲージメントを醸成する

最後に見落としてはならないのが、社員一人ひとりの「承認欲求」を満たすことの重要性だ。
住友電設の事例のように、選手の功績を全社員で分かち合い、花束贈呈や記念撮影といった場を設けることは、組織のエンゲージメント(貢献意欲)を劇的に高める。

中小企業であれば、大規模な祝賀会でなくとも、現場の休憩時間や朝礼の場を利用して、社員が趣味や副業、地域活動で得た成果を称え合うことが可能だ。
社員を「労働力」としてのみ見るのではなく、一人の人間としての挑戦を尊重し、それを会社の喜びとする。
この血の通ったマネジメントこそが、2025年問題をはじめとする厳しい時代を勝ち抜くための、建設業界における最強の人材戦略となる。

 

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