発注者の組織改革に学ぶ!港区インフラ業務集約から読み解く建設業の若手育成と技術継承

東京都港区が進める“技術継承型”組織改革―業務集約から学ぶ人材育成のヒント

東京都港区は、本庁と5つの総合支所に分散しているインフラ整備関連の管理・監督業務を本庁へ集約する方針を打ち出しました。これまで総合支所の「まちづくり課」がインフラの新設や改良工事を担ってきましたが、支所ごとに業務の繁閑や事業内容にばらつきがあり、若手技術者が実務経験を積む機会に格差が生じていました。退職等で熟練職員が減少するなか、区は10年から20年先を見据えた組織改革を実施します。

若手からベテランまで幅広い年齢層が集まる環境を整え、実務経験や技術面での対応力を磨く機会を増やし、職員の職務遂行能力を底上げする狙いです。知見や技術の継承により区民サービスの質を高めることが目的とされています。2027年度を目途に道路、橋梁、公園の整備、無電柱化などの業務、緑化の普及啓発や助成が本庁へ移管されます。

一方、町会による道路や公園の占用許可申請、まちづくりの相談、土木施設の維持管理は引き続き総合支所が対応します。部署名は「(仮称)維持課」に変更され、職員の勤務地は支所ですが所属は本庁となります。この新体制は2027年4月に始動予定であり、3月には「将来に向けた持続可能な区役所への改革」として決定され、4月に区議会で報告されます。

発注機関である行政の組織改革は、公共工事を受注する建設業の中小企業にとっても対岸の火事ではありません。港区が直面する「ベテランの退職」と「若手への技術継承の課題」は、建設業界全体が抱える慢性的な人材不足と完全に一致します。発注者が人材育成のために組織を見直すなか、受注企業も社内の教育体制を再構築する時期にきています。

ここでは、発注者の業務集約から学ぶべき「人と採用・教育」のヒントについて、よくある質問を交えて詳細に解説します。


道路、橋梁、公園整備などの担当が移管される予定の本庁舎
※画像は日刊建設工業新聞さまからお借りしています。

Q. 発注者が若手育成のために業務を集約する動きは、建設企業にどのような影響を与えますか?

A. 職員が本庁に集まり、ベテランから若手への指導が徹底されることで、発注側の技術レベルや現場監督能力は確実に向上します。これは現場における施工管理の要求水準が標準化されることを意味します。建設企業側も、発注者の基準に対応できる人材を育成しなければなりません。

若手現場監督や職人に対して体系的な教育を用意し、専門知識を身につけさせることが急務となります。

Q. 中小の建設現場において、若手技術者の経験値格差をなくすためにはどうすればよいでしょうか?

A. 港区が支所ごとの業務のばらつきを問題視したように、建設企業でも配属現場によって若手の経験に偏りが生じます。経営者や現場監督は、若手社員に多様な工種や規模の現場を経験させるジョブローテーションを導入することが有効です。

また、若手を孤立させず、熟練職人とペアを組ませるメンター制度を確立し、日常業務の中で自然に技術継承が行なわれる環境を整備することが重要です。

Q. ベテランの退職が進む中、限られた時間で技術を継承するにはどのような工夫が必要ですか?

A. 港区が幅広い年齢層を集める職場環境を構築するように、世代を超えたコミュニケーションの場を作ることが第一歩です。さらに、ベテランの暗黙知を形式知に変える取り組みが欠かせません。熟練技術者の施工手順を動画で撮影し、社内マニュアルとしてデジタル化する手法が推奨されます。

スマートフォンを活用して若手がいつでも技術を確認できる仕組みを作れば、教育効率は飛躍的に高まります。


※画像はイメージです。

Q. 業界全体の人材課題に対応し、採用活動を成功させる秘訣は何ですか?

A. 発注者である行政でさえ、将来を見据えて若手育成のための組織改革を実施しています。求職者は「しっかりと技術を教えてもらえるか」という不安を抱えています。

採用活動では、自社が明確な教育カリキュラムをもち、ベテランから若手へ技術を継承する風土があることを、ウェブサイト等を通じて積極的に発信することが不可欠です。教育体制の充実は、最強の採用ツールとして機能します。

まとめ

港区によるインフラ業務の本庁集約は、技術継承と人材育成を目的とした大規模な組織改革です。建設業の中小企業は、この発注者の動きを重要な教訓として捉える必要があります。

ベテラン減少と若手の経験不足という共通課題を克服するには、意図的に経験を積ませる仕組み作りと、世代を超えた連携を促す環境整備が不可欠です。将来を見据えた人材投資と社内教育の充実を図ることが、競争を生き抜き、持続的な成長を遂げるための最大の鍵となるでしょう。

 

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