東京・常盤橋で建設が進む日本一の高さとなる超高層ビル「Torch Tower」。🏙️施主は三菱地所、設計監理は三菱地所設計、施工は清水建設が担っています。
2月27日に報道陣へ公開された現場で明らかになったのは、“人”の力なくして超大型プロジェクトは成り立たないという事実でした。
✔ 総溶接長 約456km
✔ 鉄骨重量 約1万1267トン
✔ 1日あたり溶接工 約120人
関東圏の有資格溶接工の約18%がこの現場に従事している計算になる規模です。これは単なるニュースではありません。中小建設業にとっての「人材確保戦略」の教科書ともいえる事例なのです。
👷♂️なぜ120人の溶接工を確保できたのか?
120人という数字は偶然ではありません。
大規模現場では、
・着工前からの長期人員計画
・協力会社との事前調整
・有資格者の優先確保
・工程ごとのピーク分散
といった「人材の設計」が行なわれます。
人が足りないのではなく、人を“設計”しているのです。
中小企業でも応用できます。
🔹繁忙期3か月前からの人員確保
🔹資格取得計画の前倒し
🔹協力会社との定期的な情報共有
人材は突発的に集まりません。戦略で動かすものです。

ダイヤグリッド架構。超々高層建築を支えるダイナミックなスケール感が際立つ
※画像は建通新聞さまからお借りしています。
📚モックアップが生んだ“教育効果”
今回、千葉県袖ケ浦市で実物大モックアップを実施。
これは単なる施工検証ではありません。
✔ 足場高さの確認
✔ 溶接姿勢の検証
✔ 作業動線の改善
結果として工期8日短縮を実現しました。
しかし、もう一つ重要なのは—職人のスキル底上げ効果です。
事前に実物で練習できることで、
・若手の不安軽減
・熟練者のノウハウ共有
・チーム内の連携強化
が自然と進みます。
中小企業でも、
・難易度の高い納まりを事前練習
・新建材の試験施工
・若手へのOJT強化
これだけで“育成スピード”は変わるでしょう。📈
🤝協力会社ネットワークが会社を守る
120人の溶接工を自社だけで賄うことは現実的ではありません。
つまり—信頼できる協力会社ネットワークが前提です。
人材不足が深刻化するなか、
・どこと長期的関係を築くか
・単価だけで判断しない関係性
・技術レベルを共有できる仲間づくり
が、会社の未来を左右します。
中小企業ほど「横のつながり」が重要です。単発の付き合いではなく、共に成長できる関係づくりが人材確保の近道といえるでしょう。
🧠DXと若手育成はセットで考える
現場では自動追尾型トータルステーションを導入。精度向上・作業効率改善に寄与しています。
ICT導入は「効率化」だけでなく、
✔ 若手が活躍できる場を増やす
✔ データで教えられる環境を作る
✔ 属人化を防ぐ
という教育効果があります。
デジタル世代の若手にとって、ICT現場は魅力的です。✨
「うちは昔ながらだから…」ではなく、成長できる環境を示せる会社が選ばれる時代です。

国内最高の垂直搬送能力を備える工事用エレベーター。1基あたり最大76人を収容できる
※画像は建設通信新聞さまからお借りしています。
📊超大型現場から学ぶ人材戦略5原則
① 人材は“設計”する
② 教育は現場で行なう
③ 協力会社は財産
④ ICTは採用ツールになる
⑤ 準備が離職を防ぐ
トーチタワーは現在進捗20%超。完成は2028年予定。53階以上の難所を控えていますが、鍵を握るのはやはり「人」です。
まとめ
人がいないのではありません。人材戦略がないだけかもしれません。超大型プロジェクトが示したのは、「人は最大の経営資源」という原則です。
今いる仲間をどう育てるか。これから来る若手に何を示せるか。未来の現場は、今日の準備で決まるのかもしれません。
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