建設業界では、慢性的な人手不足や技能者の高齢化が続いています。こうした課題を解決するカギの一つとして、いま注目されているのが女性活躍と多様性(ダイバーシティ)の推進です。
2026年3月、建設会社の戸田建設とパイロットコーポレーション、コスモエネルギーホールディングスの3社は、国際女性デー(3月8日)に合わせた講演会を開催しました。このイベントは、東京・京橋にあるTODAビルの入居企業が共同で開催したもので、会場とオンライン合わせて約220人が参加しました。
一見すると大企業の取り組みに見えるかもしれませんが、実は中小建設会社の経営にもヒントが多い内容です。今回は、この講演会の内容をもとに、建設業における女性活躍の重要性と現場でできる工夫を分かりやすく解説します。
国際女性デーとは?世界で広がる女性活躍の動き
🌸 国際女性デー(International Women’s Day)は、女性の社会的・経済的・文化的・政治的な成果を称える日として、国連が制定した国際的な記念日です。毎年3月8日に世界中でイベントが開催され、企業や行政、教育機関などが女性活躍やジェンダー平等について考える機会を設けています。
今回の講演会では、戸田建設の社長である大谷清介氏が次のように呼びかけました。
> 多様な視点が尊重され、誰もがもてる力を最大限に発揮できる社会を京橋から形にしたい
この言葉が示すように、企業経営の世界では今、多様性(ダイバーシティ)を活かす組織づくりが重要視されています。

登壇者らの集合写真
※画像は日刊建設工業新聞さまからお借りしています。
女性が参加すると組織は強くなる?講演で語られた驚きのデータ
講演では、紛争地で武装解除活動を行なうNPO、REALsの理事長、瀬谷ルミ子氏が登壇しました。瀬谷氏は、国際社会の研究データをもとに次のような興味深い話を紹介しました。
📊 女性が参加した和平プロセスは、合意が15年以上続く確率が35%高い
しかし実際には、
📉 女性が参加している和平プロセスは世界で9%程度
という現状もあるそうです。
この話は一見すると建設業とは関係なさそうですが、重要なポイントがあります。それは「意思決定に多様な視点が入ると、組織は強くなる」ということです。建設会社でも同じで、男性中心の組織に女性の視点や異なる経験をもつ人材が入ることで、課題解決力が高まると考えられています。
建設業界で女性が増えている理由
最近、建設業界では女性技術者や女性現場監督が増え始めています。その背景には、いくつかの理由があります。
👷 ① 人手不足の深刻化
建設業では高齢化が進み、若手技能者が不足しています。そのため企業は、女性も重要な人材として積極的に採用するようになりました。
👷 ② 働き方改革
近年は
* 週休2日工事の導入
* ICT施工
* 建設DX
などにより、体力依存型の働き方が変わりつつあります。これにより女性でも働きやすい環境が整いつつあります。
👷 ③ 現場環境の改善
最近の現場では
🚻 女性専用トイレ
🚿 更衣室
🧴 パウダースペース
などを設けるケースが増えています。こうした取り組みが、女性の現場進出を後押ししています。
中小建設会社でもできる女性活躍の取り組み
「大企業だからできる話では?」と思う方もいるかもしれません。しかし、実は中小建設会社でもできる取り組みは多くあります。例えば次のようなことです。
🔧 ① 現場設備の改善
* 女性トイレの設置
* 更衣スペースの確保
これだけでも、採用のハードルは下がります。
📱 ② SNSで女性職人の発信
最近は
* Instagram
* TikTok
* YouTube
などで女性職人の発信が人気です。
会社として発信すれば
* 採用PR
* 企業ブランディング
にもつながります。
📚 ③ 社内教育制度の整備
女性社員が現場監督や技術者として活躍できるよう
* 資格取得支援
* 研修制度
を整えることも重要です。

※画像はイメージです。
女性活躍は“人手不足対策”でもある
建設業界では今、次のような問題が深刻です。
⚠ 技能者の高齢化
⚠ 若手不足
⚠ 採用難
これを解決するためには、これまで採用してこなかった層に目を向ける必要があります。
その代表例が
👩 女性
🌏 外国人材
🎓 若手未経験者
です。
つまり女性活躍は、単なる社会貢献ではなく「人材戦略」そのものといえるでしょう。多様な人材が活躍できる会社ほど、これからの建設業界では強くなっていく可能性があります。
これからの建設会社に求められる“多様性経営”
今回の講演会では、企業の役員によるパネルディスカッションも行なわれました。
登壇したのは
* 戸田建設 執行役員 愛宕和美
* コスモエネルギーHD 常務執行役員 ルゾンカ典子
* パイロット 執行役員 小城真志保
などの女性リーダーです。
ここで語られた共通のメッセージは、
💡「多様性は企業の成長エンジンになる」
ということでした。
異なる経験や価値観をもつ人材が集まることで、
* 新しいアイデア
* 新しいビジネス
* 新しい働き方
が生まれやすくなるのです。
建設業界も例外ではありません。むしろ人手不足が続く今こそ、多様性を活かした組織づくりが重要になっています。
まとめ
国際女性デーに合わせて開催された講演会から見えてきたのは、女性活躍が企業の成長と人材確保の両方につながる可能性でした。建設業界ではまだ男性中心の職場が多いですが、現場環境の改善や働き方改革が進むことで、女性が活躍できるフィールドは確実に広がっています。
中小建設会社にとっても、女性人材の採用や育成はこれからの人手不足対策の重要な一手になるかもしれません。小さな改善からでも、多様な人材が働きやすい職場づくりを進めてみてはいかがでしょうか。
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