国際基準の建築家認定制度が誕生!若手育成と中小企業への影響

国際基準で評価される時代へ―新アーキテクト認定制度がもたらす人材育成の変化

日本建築士会連合会(古谷誠章会長)日本建築家協会(JIA、佐藤尚巳会長)は、国際基準に準拠した新たなアーキテクト認定制度の創設で基本合意しました。この制度は、両団体が運用する既存資格の保有を前提とし、5年以上の建築教育という国際的要件を満たす人材を「JAPANアーキテクト」(仮称)として認定します。

2026年度から詳細設計に着手し、2028年度の運用開始を予定しています。調印式はJIA館で開催され、両会長が合意書を交わしました。若い世代の建築士が国際水準を満たしていることを明示し、世界で活躍できる環境を整備することが狙いです。建設業の中小企業や現場仕事に従事する方々にとっても、若手人材の育成という観点から注視すべき動向といえるでしょう。


基本合意書を交換する古谷会長〈左〉と佐藤会長
※画像は日刊建設工業新聞さまからお借りしています。

Q1: 新たな認定制度が創設される背景にはどのような狙いがあるのですか?

A1: 大きな狙いは、若い世代の建築士や建築家が国際的な舞台で活躍できるようにすることです。古谷会長は、若い世代が世界に臆することなく、国際的な水準を満たしていることを明示して活躍してほしいと説明しています。

また、佐藤会長は、海外クライアントの日本での仕事や海外プロジェクトにおいて「アーキテクト」と胸を張って名乗れるようになることに期待を示しています。グローバル化が進む建設業界で、人材育成の新たな目標となる取り組みです。

Q2: 「JAPANアーキテクト」に認定されるための要件は何ですか?

A2: 1級建築士の資格を持ち、「統括設計専攻建築士」または「登録建築家」のいずれかを保有していることが求められます。そのうえで、5年以上という国際的な教育要件を満たすか、同等以上と認められる必要があります。

両団体の資格制度は会員以外にも開かれており、「JAPANアーキテクト」も両会の会員でなくても認定対象となります。「JAPANアーキテクト認定評議会」が創設され、そこで認定が行なわれます。

Q3: 現在ある既存の資格制度はどうなるのでしょうか?

A3: 既存の制度が廃止されることはありません。士会連合会の「専攻建築士制度」や、JIAの「登録建築家制度」は維持されます。

既存の制度を維持したうえで、国際的な建築家との同等性を示すための新たな認定制度が創設されます。資格保有者にとっては、これまでの実績を活かしつつ、さらに上位の国際的なキャリアパスを描くことが可能になります。


※画像はイメージです。

Q4: 新制度の運用開始に向けたスケジュールを教えてください

A4: 2026年度に制度の詳細を詰める計画です。2027年度に運営システムの構築などを進め、同年度の後半には会員や社会に向けた広報活動を開始します。

具体的な申請の受け付けは2027年10月から2028年3月にかけて行なわれ、2028年度から実際の認定が始まります。段階的に準備が進められるため、計画的な人材育成のスケジュールを立てることが可能です。

Q5: 他の関連団体や国際資格との連携はどう進められますか?

A5: 制度運営にあたっては、日本建築学会や日本技術者教育認定機構(JABEE)と緊密に連携します。

さらに、アジア太平洋経済協力会議(APEC)域内で国際的に活動できる「APECアーキテクト」を認定対象に加えることも視野に入れています。建築技術教育普及センターとも適切な時期に協議する予定です。

Q6: 現場仕事に従事する中小の建設業にはどのような影響がありますか?

A6: 直接的な資格取得者は設計者が中心ですが、現場の施工を担う中小企業にも影響が及びます。設計者が国際基準を満たす過程で、現場に求められる施工品質の基準も高度化する可能性があります。

また、佐藤会長が言及するように海外クライアントの日本での仕事が増加すれば、施工を担う中小企業にも新たな受注機会が生まれます。国際水準の設計者と協働することは、若手技術者のスキルアップ現場での教育効果を高める好機となります。

まとめ

両団体による「JAPANアーキテクト」認定制度の創設は、若手建築士の育成とグローバルな活躍を後押しする画期的な取り組みです。2028年度の運用開始に向け、関連機関が連携して準備を進めます。

この制度は設計分野にとどまらず、現場で施工を担う中小企業にとっても、業務基準の国際化や市場開拓の契機となる重要な変化です。建設業に従事する皆様は、業界全体の教育基準の高度化を把握し、自社の採用活動や若手育成の戦略に積極的に取り入れていくことが求められるでしょう。

 

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