無知は大きな損失!上下水道の脱炭素化で激変する受注構造とは

小規模自治体を支える上下水道の脱炭素化戦略と官民連携の新展開

国土交通省は18日の検討会で、上下水道事業における脱炭素化と資源利用の促進に向けた方向性を示した。少人数で施設を管理する小規模自治体の実情を踏まえ、官民連携や広域化の推進が極めて重要であると指摘している。事業の経済合理性を確保するため、国による経済的インセンティブ制度の構築の必要性も明言された。

官民連携の具体的な手法としては、DBO(設計・建設・運営)方式やPFI以外にも、施設の更新と運営を民間が一体的に担う「更新実施型」や、更新計画案の策定や施工管理で自治体を支援する「更新支援型」、コンセッション方式などが例示された。脱炭素化は初期コストが大きいものの、省エネルギー化によるランニングコストの低減で経営改善につながることが多いため、持続可能な経営の観点からも推進が不可欠と確認された。

Q1. 上下水道の脱炭素化に伴い、現場では具体的にどのような工事が発生するのか?

A1. 上下水道施設における脱炭素化の推進では、主に省エネルギー機器への大規模な更新や、再生可能エネルギー設備の導入が中心となる。具体的には、稼働率の高い高効率ポンプへの交換、水処理プロセスの省電力化を図るためのシステム改修、施設内の空きスペースを活用した太陽光パネルや小水力発電設備の設置などが挙げられる。

また、下水処理の過程で発生する汚泥をバイオマス発電の燃料として有効活用するためのプラント改修工事も増加する可能性が高い。これらは従来の土木工事や管工事の知識に加え、電気設備や特殊な機械設備の専門的な施工技術が求められる領域である。したがって、管工事などを主体とする建設企業にとっても、設備系企業との緊密な連携が新たな受注に向けた鍵となる。

Q2. 中小の建設企業にとって、官民連携(PPP/PFI)の推進はどのような影響をもたらすか?

A2. 官民連携の拡大は、事業の対象となる施設や業務範囲の拡大を伴い、事業期間の長期化につながることが多い。そのため、中小企業が単独で元請けとして大型案件に参画するハードルは上がると予想される。

しかし、大手ゼネコンやプラントメーカーを代表企業とするコンソーシアム(共同企業体)に対して、地域の事情に精通した地元企業として参加する道が大きく開かれる。また、国交省が例示したコンストラクションマネジメントなどを活用する「更新支援型」が普及すれば、技術者不足に悩む自治体を補完する形で、施工管理の実績に長けた地域の建設企業がマネジメント業務そのものを受託する新たなビジネスモデルも期待できる。

Q3. 小規模自治体の案件が「広域化」されると、地元密着の建設企業は仕事が減少するのではないか?

A3. 複数の自治体が事業を統合する広域化によって発注ロットが大きくなるため、地域単位での細かな単独発注は減少する懸念がある。ただし、広域化の主な目的はあくまで施設の効率的な維持管理と人員不足の解消である。実際の現場施工や日々の細かなメンテナンス、緊急時のトラブル対応においては、各施設に迅速に駆けつけることができる地元企業の機動力と知見が引き続き不可欠となる。

元請けが広域を統括する大手企業に変わったとしても、実務を担うパートナーとしての需要は消滅しない。広域化に伴う連絡網のIT化や業務報告のデジタル化に早期に対応できる企業であれば、より広いエリアの維持管理業務を効率的に請け負うチャンスにつながる。


※画像はイメージです。

Q4. 脱炭素化に向けた初期コストが大きいとのことだが、建設企業側に金銭的な負担は発生するのか?

A4. 施設整備にかかる莫大な初期コストは発注者である自治体、または事業主体などが負担する。そのため、施工を担う建設企業が直接的なインフラ投資の金銭負担を強いられるわけではない

国交省の検討会でも、事業の経済合理性を確保するための「国による経済的インセンティブ制度の構築」の必要性が議論された。国から十分な財政支援が投下される環境が整えば、適正な工事価格での発注が維持される見込みである。ただし、新しい省エネ設備や特殊な環境配慮型建材を扱うための作業員の教育コストや、新技術に対応するための最新機器の導入といった初期投資は、各企業が自社内で計画的に捻出する必要がある。

Q5. 今後のインフラ工事で生き残るために、中小建設企業が取るべき生存戦略は何か?

A5. 第一に、地域のインフラを長年支えてきた実績とデータの体系的な整理である。既存施設の修繕履歴や地域特有の地盤・気象条件に関する知見は、広域化や官民連携が進んだ際にも、参入してくる大手企業や自治体にとって極めて価値の高い情報となる。

第二に、最新のITツールや施工管理アプリの導入による徹底した業務の効率化である。人材不足が深刻化するなか、デジタル化による生産性向上はあらゆる入札において必須要件となる。

第三に、同業他社や異業種(電気設備、通信など)との強固なネットワーク構築である。単独では対応しきれない複雑な環境対策案件に対し、柔軟に専門チームを組んで対応できる体制を整えることが、これからの市場で有効な戦略となる。

まとめ

国土交通省が本格的に推進する上下水道事業の脱炭素化と官民連携・広域化の流れは、建設業界に新たな技術対応と契約形態の大きな変化をもたらす。中小の建設企業にとっては、受注構造の変化といった一時的な課題が生じる一方で、維持管理を含む長期的な安定収益を得る機会でもある。

環境配慮型の最新技術に対する継続的な知識の習得と、地域の枠を超えた企業間の強固なネットワーク構築が、今後のインフラ整備事業において持続的に成長するための重要な鍵となるだろう。

 

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