万博が終わった夢洲で、いよいよ次のステージが始まる 🏗️
2025年の大阪・関西万博が閉幕し、あの人工島・夢洲がどうなるのか——建設業界でも注目が集まってきました。そして2026年6月、ついに具体的な動きが始まります。🎉
大阪市は、夢洲第2期区域(大阪・関西万博跡地)の開発事業者募集を、2026年6月下旬から7月上旬にかけて開始すると発表しました。対象は民間開発エリア約42ヘクタールという巨大な土地。商業地域指定・建ぺい率80%・容積率400%という高度利用が可能な条件のもと、公募型プロポーザルによって新たな国際観光拠点をつくる事業者が選ばれます。
建設業界にとって、この動きが意味することは何か。受注チャンスはどこにあるのか。スケジュールと審査の仕組みを整理して解説します。

出典:大阪市ウェブサイト https://www.city.osaka.lg.jp/fukushutosuishin/page/0000678298.html
「2段階審査×インセンティブ」という新しい選び方 📋
今回の公募で特徴的なのが、2段階審査方式の公募型プロポーザルを採用している点です。通常の価格競争一本ではなく、まずまちづくりの構想力を問い、優秀提案に選ばれた事業者に優遇措置(インセンティブ)を与えたうえで、2次審査の価格競争に進む流れとなっています。
🔹 1次審査:「夢洲第2期区域マスタープラン」を提案させ、優秀提案を選定。選ばれた事業者にはインセンティブを付与
🔹 2次審査:売却区域の価格競争で最終事業者を決定
この仕組みは、単に高い価格を提示した事業者に土地を売るのではなく、「どんなまちをつくるか」というビジョンと計画の質を問う点が大きな特徴です。すでに、2024年9月から実施した民間提案募集(マスタープラン策定に向けた先行公募)で優秀提案に選ばれていた大林組と関電不動産開発の2社は、今後共同で提案内容を検討したい考えを示しており、連合体での参入も現実的な選択肢となっています。

出典:大阪市ウェブサイト https://www.city.osaka.lg.jp/fukushutosuishin/page/0000678298.html
どこをつくるのか?ゾーン構成と敷地の全体像 🗺️
開発対象地の建設地は大阪市此花区夢洲中1-20。土地は売却が原則で(鉄道基盤施設部分のみ貸し付け)、プランの自由度が高い事業用地となっています。
「夢洲第2期区域マスタープランVer.3.0案」によると、民間開発エリア約42haは以下の3区画で構成されています。
① ゲートウェイゾーン:にぎわい・交流機能、ナイトアクティビティー、最先端技術とイノベーション体験、広場の整備
② グローバルエンターテインメント・レクリエーションゾーン:さらに「スーパーアンカーゾーン(エンターテインメント・ファミリー向けアクティビティー)」と「交流ゾーン(ハブ拠点・展示・交流)」に分かれる
③ IR連携ゾーン:第1期のIR区域や記念公園ゾーンと連携する機能を設置
また、今回のプロポーザルでは、2期区域に隣接する3期区域(約40ha) および**夢洲西側のグリーンテラスゾーン一部(約15ha)**を含めた一体開発提案も可能とされています。さらに、大阪・関西万博の「静けさの森」の樹木を生かした緑地と2期区域内をつなぐペデストリアンデッキの整備も求められます。

出典:大阪市ウェブサイト https://www.city.osaka.lg.jp/fukushutosuishin/page/0000678298.html
2031年の土地売買まで続く長期スケジュール ⏱️
気になるのはスケジュールの全体感です。事業者募集が始まっても、すぐに工事が始まるわけではありません。以下の流れで進んでいきます。
まず、マスタープランVer.3.0案に対するパブリックコメントが2026年5月1日〜6月1日にかけて実施されており(本記事執筆時点では締め切り済み)、6月中旬にVer.3.0が正式策定の見込みです。その後、6月下旬〜7月上旬に事業者募集開始となり、順調に進めば2027年2月に事業者決定を目指しています。
事業者決定後は長期の調査・設計フェーズに入ります。
🔹 地盤調査:1年半
🔹 基本設計:1年
🔹 コスト算定:半年
これらを経て、2031(令和13)年2月末に土地売買契約を締結する計画です。建設工事はそれ以降のフェーズとなります。

出典:大阪市ウェブサイト https://www.city.osaka.lg.jp/fukushutosuishin/page/0000678298.html
建設業者はどう向き合うべきか?中小が見るべきポイント 🔍
今回のプロポーザルに直接応募できるのは、資本力・計画立案力を持つ大手デベロッパーが中心です。しかし、夢洲第2期区域の開発は単一の発注ではなく、地盤調査・基本設計・施工・設備・緑化・インフラ整備など多数のサブ発注が伴う超大型プロジェクトです。
大阪府下・近畿圏の中小建設会社にとっては、元請となる大手ゼネコンや開発事業者との協力関係構築が、今から重要な準備となります。具体的には以下の視点が役立ちます。
まず、**地盤調査フェーズ(2027〜2028年頃)**は比較的早い段階で始まる工程です。地盤改良・土質調査に強みを持つ専門工事業者には早期の問い合わせがくる可能性があります。次に、商業地域・容積率400%という条件を考えると、高層・複合施設の躯体・設備工事が主軸となります。自社の実績や得意工種を棚卸しして、どのフェーズで貢献できるかを明確にしておきましょう。
また、大林組・関電不動産開発が共同提案を目指す動きが公表されています。こうした大手の協力会社として登録・名乗りを上げておくことも、今から動ける準備の一つです。

出典:大阪市ウェブサイト https://www.city.osaka.lg.jp/fukushutosuishin/page/0000678298.html
万博レガシーを受け継ぐまちづくり——事業の背景を理解する 🌐
この開発が単なる土地売却ではなく「万博の理念を継承したまちづくり」である点は、事業者選定の基準にも色濃く反映されます。
マスタープランVer.3.0案では、Ver.2.0からの主な変更点として「万博レガシーの発信拠点」となる機能の導入が追記されました。万博会場内に設けられた大屋根リングや「静けさの森」の樹木を活用した緑地整備も求められており、開発には環境・景観・文化的な文脈が強く求められます。
建設業の立場から見ても、緑化工事・ランドスケープ・歴史的構造物との連携など、通常の民間開発とは異なる専門性や配慮が求められる場面が増えるでしょう。入札参加や協力会社として名乗りを上げる際には、単なる施工能力だけでなく、プロジェクトの趣旨への理解と環境配慮の実績をアピールポイントとして準備しておくと有利です。
まとめ
夢洲第2期区域の開発事業者募集は、2026年6月下旬〜7月上旬にいよいよスタートします。約42haという巨大案件は、大手が直接受ける事業者公募の一方で、地盤調査から施工・緑化・設備まで多数の中小建設業者が関わる長期プロジェクトです。まずは事業スキームと今後のスケジュールを正確に把握したうえで、自社がどのフェーズで貢献できるかを今から考えておきましょう。
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出典: 第24回 副首都推進本部(大阪府市)会議について(大阪市)https://www.city.osaka.lg.jp/fukushutosuishin/page/0000678298.html をもとに作成
