🔧「12年かけて、ようやく自信が持てた」──防食ひと筋・スキル産業のこだわり

🔨 群馬県藤岡市に拠点を構える有限会社スキル産業は、先々代から50年以上にわたって、浄水場や下水処理場をはじめとする公共インフラの防食・耐震補強を手がけてきた専門集団である。代表の尾林亮太氏は17歳でこの道に入り、18年目を迎える現在も「まだまだ」と腕を磨き続ける。🛠 中小建設業にとって、技術と信頼をどう積み重ねていくのか。その原点に迫った。

🏗️ なぜ建設の道へ?17歳で下した「人と違う生き方」という決断

尾林氏が建設業と出会ったのは、まだ17歳のときである。工業高校に通っていたが、「決められた道を進み、変わらぬ景色のなかで一生を終えるのか」という思いがどうしても拭えなかったという。

「人と同じより、自分らしい生き方を選びたかった」

そう語る尾林氏は、じっくりと時間をかけて考えを重ねた末に、自らの意思で新たな道へ進むことを決めた。

転機となったのは、兄の知人であった一人の職人との出会いだった。「人を探している」という師匠に声をかけられ、工場でのアルバイトを続けながら進路を考え抜いた末、「何事も経験だ」と決意して飛び込んだ。

その後は先代のもとで15年にわたり修業を重ねる。やがてさまざまな経緯が重なり、35歳のときに先代から事業を受け継ぐこととなった。「技術こそが自社の強み」という思いから社名に“スキル”を掲げ、生活を支えるものを生み出す“産業”の二文字を添えて、現在の有限会社スキル産業が生まれたのである。

🔧 「誰が見ても綺麗に」──スキル産業が貫く現場のこだわりとは?

スキル産業の主軸は、浄水場や下水処理場における防食工事である。防食とは、その字のとおり「腐食を防ぐ」工事を指す。塩素や硫化水素によってコンクリートが蝕まれるのを防ぐため、専用の塗料を規格で定められた量と厚みで、何層にも塗り重ねていく。下水処理場では、合計で10ミリ近い厚みになることもあるという。

さらに同社は、防食の前段階となる断面修復やクラック補修まで一貫して対応できる点を強みとする。

尾林氏が大切にしているのは、「誰が見ても綺麗に、無駄のないように」という一点である。

「一つ一つの動作に気を配り、それを従業員みんなに伝えている」

そのこだわりは施工そのものにとどまらない。材料を練る場所の整理整頓から車内の荷物の扱いに至るまで、細部への目配りを社員と共有する。

「車の後ろが乱れていれば、本当に大丈夫かと不安になる。だから細部まで目を配れと伝えている」

こうした姿勢は取引先からも高く評価され、ある材料メーカーから厚い信頼を寄せられる契機にもなった。それでも尾林氏は「いつも通りの仕事をしただけ。自分一人ではなく、チーム全体で成し得たこと」と控えめに語る。

⚠️ 人手不足と技術継承──小さな会社が品質を守り抜くには?

防食工事は、決められた厚みを正確に守ることが品質を左右する。同社では、現場へ搬入した材料の数量を役所の立ち会いのもとで記録し、使用後の空き缶までを写真に残す。これにより、規定どおりの厚みで施工したことを客観的に証明できる仕組みである。

一方で、こうした管理を徹底することは容易ではない。尾林氏自身、左官の小手塗りで自信を持てるようになるまでに12年を要したと振り返る。「それでもまだまだ」と語るほど、防食は奥が深い。

中小建設業にとって、人手不足と技術継承は避けて通れない課題である。同社の従業員は数名と決して大所帯ではなく、同時に動かせる現場の数にもおのずと限りがある。だからこそ尾林氏は、目先の人員確保よりも「一から育てる」ことを重んじる。

「お手伝いの方だけに現場を任せることはしない。必ず自社の人間が現場に立つ」

品質を守るための、譲れない一線である。

🌱 仕事と人を、ともに育てる──次の世代へつなぐ想い

今後について尾林氏が描くのは、仕事の量と人材育成を両輪で伸ばしていく姿である。

「依頼が増えれば人が要る。その人を育てなければ、現場は回らない。どちらも欠かせない」

急激な拡大ではなく、受けられる仕事の規模に合わせて着実に体制を整えていく——そのバランス感覚に、堅実な経営者としての姿勢がにじむ。

次世代への想いも芽生え始めている。就職を控えた甥が現場見学に訪れた際、尾林氏は「視野を広げて、いろいろな方向から考えたほうがいい。うちの現場も、その選択肢の一つだ」と背中を押したという。

17歳で「後悔のない生き方をする」と心に決めた尾林氏。その原点は、技術を磨き、仲間へ受け継ぎ、地域のインフラを静かに支える日々のなかに、今も息づいている。

📝 編集部コメント

取材を通じて感じたのは、尾林社長の「誰が見ても綺麗に」という言葉に込められた一貫した誇りである。多くを語らず、当たり前を当たり前に積み重ねていく——その実直さこそが、スキル産業の確かな信頼を支えているのだと感じた。

👷 あなたの会社の現場の声を、記事にしませんか?

建設円陣PLUSでは、建設業の経営者インタビューを無料で行なっています。
掲載記事はそのまま採用・営業PRにもご活用いただけます。

▶ 取材のお申し込みはこちら

費用は一切かかりません | 取材時間の目安:約30分~1時間

本サイトについて、ご質問・ご相談がある場合は、下記のお問い合わせフォームからお気軽にお寄せください。

あわせて、協力会社探しや人材確保など、日常的な情報収集の場として無料で利用できる建設業向けマッチングサイト『建設円陣』もぜひご登録ください(緑のバナーをクリック)。

LINEでお友達登録

お問い合わせ

お名前必須

貴社名必須

電話番号必須

メールアドレス必須

お問い合わせ項目必須














お問い合わせ内容


>建設業向けマッチングアプリ【建設円陣】

建設業向けマッチングアプリ【建設円陣】

建設円陣は、建設業界に特化したマッチング&求人アプリです。協力会社や職人とのマッチングはもちろん、求人掲載や採用活動にも対応。条件を入力するだけで最適な人材・企業が見つかり、AIによる募集文生成機能も搭載。発注・受注から採用まで、業界の課題をスマートに解決します。

CTR IMG
建設業特化求人サイト【円陣求人サイトへ】

建設業特化求人サイト【円陣求人サイト】

建設円陣求人サイトは建設業界に特化した求人サイトです。ログイン・投稿・応募確認まで、すべてがLINE上で完結。求人応募は登録作業一切なし。 フォーム入力だけで応募が完了し、求人掲載も無料です。業界が抱える人材不足の問題を、スマートに解決します。

CTR IMG