🏗️ なぜ建設業を選んだのか?職人の祖父と、図面への憧れ
涌井代表が建設の世界に足を踏み入れたきっかけは、祖父の存在にある。「もともとおじいちゃんが宮大工だったんですよ。だから昔からものを作ったり、作業を眺めたりすることが多くて。自然とものを作ることが好きになっていた」。その記憶が土台となり、専門学校ではCAD(コンピュータ設計)を学んだ。「本当は設計をやりたかった」という夢を持ちながら、卒業後は個人として内装の世界へ。
独立後しばらくして、大林組や鹿島建設といった大手ゼネコンの現場管理に携わるようになった。規模の大きな仕事を経験するなかで会社の形が整い、法人化を決意。そのとき生まれたのが「オリオール株式会社」という社名だ。「”オリ”には幸福・幸せという意味があって、”オール”はそこに携わる人たち全員にプラスになるような仕事をしたいという思いを込めました」。
シンプルながら力強いその言葉に、涌井代表の仕事哲学がにじむ。専門学校で培ったCADの技術は今も現役で、新店の図面作成から施工まで一気通貫で対応できることが、オリオールならではの強みとなっている。
🔧うちにしかできないこと──図面から動線まで、提案する内装工事
オリオールが手がける仕事は、一般住宅から飲食店・美容院などの店舗、公共工事まで多岐にわたる。そのなかでも涌井代表が特に「好き」と語るのが、店舗の内装工事だ。「店舗って同じものを作らないじゃないですか。毎回違うデザインを考えるから、創作意欲が湧くんですよね」。
こだわりは見た目だけにとどまらない。専門学校で学んだ図面の知識を活かし、店舗オーナーへの提案では動線設計まで踏み込む。「生活したらどうなの?という観点で考えながら提案することが多いですね。住宅でも店舗でも、使い勝手が一番大事なので」。
工事の規模は地元の小さな店舗から大規模案件まで幅広く、横浜駅の外壁改修工事やビルの現場管理など、大手ゼネコンの下請けとして入ることも少なくない。「思っていた以上のものが出来上がった、プラスアルファのものをもらえた、と言っていただけるのが一番嬉しい」。お客様の声が、次の仕事への原動力になっている。
⚠️人手不足、現場の停滞…課題だらけの建設業で、どう動くか
建設業界全体が揺れている。原材料の問題などで現場が止まるケースが増え、人を抱える会社ほど厳しい状況に追い込まれている。「今、仕事が止まってることが多いんですよ。1月2月になったら、人を抱えているところはパンクするんじゃないですかね」と涌井代表は業界の現状を率直に語る。
そうした課題のなかで、採用についても向き合い方を変えつつある。「仕事のリアルをしっかり伝えることが大事だと思っています。メリットもあればデメリットもある。出張が多い仕事だということも含めて、全体が見えた状態で来てもらった方が、お互いにとって安心できる」。
求める人物像は、条件ではなくマインドだ。「なんかちょっとやってみようかな、という人よりも、仕事の内容を理解した上で前向きになれる人と一緒に働きたい」。透明性のある採用情報の発信が、長く続けられる職場づくりの第一歩だと考えている。
🌱建築を超えて──涌井代表が描く、マルチな次のステージ
「正直に言うと、建築に限らずマルチにやっていきたいんですよ」。涌井代表の視線は、すでに内装工事の枠を超えている。10年ほど前には、オリオールを経営しながら小田原でラーメン店を手がけたこともある。「場所がよくなくて閉めちゃいましたけど、またやりたいですね。飲食をやると、若い子が集まって、人のつながりが広がるじゃないですか」。
その言葉の背景には、シングルマザーをはじめ多様な人が安心して働ける場所をつくりたいという思いもある。「物販や情報発信など、いろんな形で関わっていきたい。ただ、一個ずつレールをちゃんと引いてから動くようにしないとと思っています」。
足元では、地元・小田原を中心に中古住宅のリノベーション(建物の価値を高める改修工事)の受注に力を入れている。「リノベーションってリフォームと違って、ただきれいにするだけじゃなくて、建物の価値を上げるイメージなんですよね。デザイン性を取り入れて、その人らしい空間をつくる。そういう仕事は面白い」。図面から動線設計まで手がけられる強みは、まさにリノベーションと相性がいい。
さらに涌井代表が注目しているのが、ペットと暮らすためのリノベーション需要だ。「猫はもちろん、最近は犬を飼っている方からも内装の相談が増えていて。壁が傷ついたり、床が滑ってしまったりという声をよく聞きます」。滑りにくい床材への張り替えや、ペットが傷つけにくい壁材の選定など、動物と暮らす目線での提案はまだ競合が少なく、オリオールが先行できる分野でもある。
「住環境をもっとよくしたい」という思いを持つ方々に、小田原の地から届けていく。涌井代表の次の一手は、確かな現場経験と時代を読む目の両方に裏打ちされている。
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取材を通じて感じたのは、涌井代表の「全員にプラスを」という言葉が、決して看板ではなく、仕事の隅々にまで浸透しているということでした。図面から動線、そして採用まで、誠実に向き合う姿勢が印象的でした。