🔧「パイプで人をつなぐ」── 株式会社パイプライン 佐竹淳代表が語る、16歳から現場一筋で築いた配管の流儀

🔨 千葉県長生郡一宮町を拠点に、設備工事・配管内視鏡調査を手がける株式会社パイプライン。代表の佐竹淳氏は16歳で業界に飛び込み、父との創業を経て独立。33歳で法人化し、現在は設備工事に加え「内視鏡調査から是正工事までの一貫施工」という独自のスタイルで都内外のビル・マンション管理会社からの信頼を着実に積み重ねている。なぜ内視鏡調査にこだわるのか、そしてこれからの建設業界で何が求められるのか。佐竹代表の言葉から、その真髄を探る。

🏗️ なぜこの道に? 16歳の飛び込みから、「パイプライン」誕生まで

佐竹代表が業界に入ったのは、16歳のときだった。東京の工業高校・機械科に進んだものの、高校2年で中退。「勉強はあんまり得意じゃなかった」と苦笑いしながら話すが、その選択には明確な動機があった。

「早くお金を稼ぎたかったし、早く社会に出たかった。良い車に乗って、良い給料をもらって——そういうものへの憧れがあった。僕らの時代、手っ取り早く稼げるといったらこの業界でしたから」

父も水道関係の職人だった。「自分もきっとこういう職業に就くんだろうな」と感じながら育った環境が、佐竹代表を自然とこの道へ引き寄せた。10代のすべてを現場にぶつけ、20歳になると父と共に屋号「佐竹設備」として仕事を始める。

ただ、父は頑固一徹の職人気質で、「黙ってりゃ仕事が来る」というスタイルだった。「仕事は取りに行かなきゃ来るわけがない」と考えた佐竹代表は、24〜25歳頃から営業・打ち合わせを自ら担い始め、26歳にはほぼ全業務を回すようになった。30歳で事実上の経営を引き継ぎ、33歳のとき売上の伸びを機に法人化を決断する。

屋号「佐竹設備」はそのまま引き継がず、あえて新たな社名を選んだ。それが「株式会社パイプライン」だ。

「19歳からサーフィンをやっていて、ハワイにパイプラインという世界的に有名なポイントがある。うちが扱うのもパイプだし、パイプでつなぐ——人と人をつなぐ、企業とつながる、という意味を込めてパイプラインにしました」

サーフィンへの情熱と、配管工事への誇りと、「つなぐ」という経営哲学が一つの社名に凝縮されている。

🔧 見えないところまで見抜く力── 内視鏡調査が生む、ワンストップという強み

同社の事業の柱は衛生設備・配管工事だが、近年とりわけ引き合いが増しているのが「配管内視鏡調査」だ。依頼の入り口はたいていこうだ——「詰まってしまった」という連絡から始まり、まず貫通作業、続いて高圧洗浄で管内をきれいにし、カメラを入れて内部を映像で確認する。

「内視鏡で見ると、割れてたり腐ってたりが一目でわかる。外から『多分ダメだと思います』と言われても半信半疑になりますよね。でも映像を見せてあげると、『だからそう言うのか』と——説得力がまったく違う」

同業の内視鏡調査専門会社との決定的な違いは、「原因まで読み解けるかどうか」にある。調査のみを専業とする会社は現場施工の経験が薄く、「何が映っているか」は見えても「なぜそうなったのか」が分からない。一方、パイプラインは配管を一から施工してきた経験があるため、不具合の根本原因を現場目線で判断できる。

「僕らは配管を一から作ってきているわけだから、『ここはこうだから、こういう原因でこうなってる』というのがわかる。それが経験値の違いです」

内視鏡調査から高圧洗浄・是正工事までを一社で完結させる「一貫工事」の体制は、都内のビル管理会社やマンション管理会社からも高い評価を受けており、「パイプラインさんに来てもらわないと」という声が着実に増えている。

さらに今後の事業展開として、佐竹代表が見据えているのが「漏水調査」の分野だ。地中配管の漏水箇所を特定する「トレーサーガス」を使った調査技術は全国的にも需要が高く、精度の高い施工者が不足している。

「地方自治体の仕事にも食い込んでいけるような分野。そこに広げていければ、もっと息の長い会社になれるんじゃないかと思っています」

内視鏡調査という「見えないものを見える化する仕事」が、同社の次の成長軸を切り拓こうとしている。

⚠️ 人材についての考え方── 「即戦力」よりも、一緒に育っていける人を

仕事の広がりと反比例するように、佐竹代表が頭を悩ませているのが人材の確保だ。「これはどこも一緒だろうけど、人材確保がいちばんの課題」と率直に語る。仕事は紹介ベースで右肩上がりに増えているだけに、その切実さは増すばかりだ。

現在、一級配管技能士の資格を持つ即戦力の人材が入社する話が具体的に進んでいる。経験豊富なプロが来てくれることは喜ばしい。だが本音はこうだ。

「もちろん若い方が欲しい。この仕事って、覚えたら終わりじゃないんですよ。種類もいっぱいあるし、やり方もいっぱいある。上水だけじゃなく下水もある。新しい技術もどんどん出てくる——だから奥が深いし、面白い」

AI技術の台頭で多くの仕事が変わっていく時代だが、配管・設備のライフラインは「難しい」と佐竹代表はみる。人口が減り新築物件が減少していく中でも、高度経済成長期に建てられた建物の維持管理需要は確実に増えていく。水を使えば流さなければならない。その仕組みを支える職人は、これからも必ず必要だ。

「逆にチャンスだよと思う。人がいないなかで覚えてしまったら、一人勝ちじゃないですか」

長男がいずれ入社する流れも自然に話し合われている。家族とともに会社を育て、地域のインフラを支え続ける——佐竹代表が描く未来は、スケールの大きさより「人とのつながり」の深さで測られるようだ。

🌱 いま就職で迷っているあなたへ── 学歴じゃない、「何ができるか」の時代

最後に、今まさに進路を悩んでいる若い世代へのメッセージを聞いた。しばらく考えてから、佐竹代表はこう言葉を選んだ。

「もう学歴じゃないんですよ、今の時代。何ができるの?君——という話になってきている。この仕事は難しい分、覚えてしまえばそれが自分の武器になる。誰でもできるんじゃなくて、自分じゃなきゃダメな仕事。あなたがいないと回りませんという仕事に就きませんか?」

佐竹代表自身、16歳で飛び込み、勢いと現場経験だけで道を切り拓いてきた。派手なキャリアでも特別な学歴でもなく、「この仕事を誰よりも深く知っている」という自信がいまの会社の礎になっている。

中小建設業にとって、「自分の代わりがいない職人」を育てることは会社の存続そのものに直結する。だからこそ、パイプラインは資格の有無や経歴よりも、「この仕事と向き合う覚悟があるかどうか」を重視する。その覚悟がある人なら、佐竹代表と一緒に、水まわりというライフラインの最前線で腕を磨ける環境がある。

パイプは、水をつなぐ。そして佐竹代表は、人をつなぐ。株式会社パイプラインが千葉から発信し続けるのは、技術だけでなく、その仕事に誇りを持てる働き方だ。

📝 編集部コメント

取材を通じて伝わってきたのは、佐竹社長の「現場への圧倒的な自信」と「人と人をつなぐことへの誠実さ」でした。16歳から積み上げてきた経験が、いま「内視鏡調査×一貫施工」という唯一無二の強みとして花開いています。この会社の配管には、単なる水道管以上のものが流れているようです。

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