| 会社名 | 株式会社美智建設 |
|---|---|
| 代表者名 | 柴山 智恵 |
| 所在地 | 〒649-6203 和歌山県岩出市桜台552番地 |
| 主な事業 | 土木工事(舗装工事・道路工事・河川工事・宅地開発工事 ほか) |
| 創業 | 2019年5月 |
| 従業員数 | 7名 |
🏗️ なぜ建設業の道へ? きっかけは「結婚」と「資格合格」
柴山代表が建設業に関わることになったのは、建設業を営む夫との結婚がきっかけでした。「素直に言うたら、主人と結婚したから」と笑って話してくださいましたが、その道のりは決して平たんではありませんでした。
もともと体育会系で、経理の知識はゼロからのスタート。「こんなことやらなあかんのかと、頭が真っ白になった」という初期の苦労を経ながらも、資格を取らずに実務の中で知識を習得し、夫の会社で経理・総務を一手に担うようになりました。
独立を決意したきっかけは、二級土木施工管理技士の国家試験への合格でした。「何回も受けましたよ」と振り返るほど、仕事をこなしながら何度も挑戦し続けた末の合格です。経営業務管理責任者の要件も満たしたことで、2019年5月に株式会社美智建設を設立しました。
🔧 うちにしかできないこと──施工品質と人への信頼が強みの源泉
同業者の中で選ばれる理由を尋ねると、柴山代表は「施工がしっかりしていること」と「従業員の誠実さ」を挙げました。「みんな中途半端ではやってこない。そこの信頼性かな」という言葉に、現場への誇りがにじんでいます。
仕事の受注経路は、県・市からの公共入札に加え、夫の代からのつながりで信頼を積み重ねてきた元請業者との関係が軸となっています。さらに近年は、事務所のある地域の自治会からも側溝の清掃や草刈りの依頼が入るようになりました。「頼られたい」と話す柴山代表の言葉どおり、地域から自然に選ばれる存在になりつつあります。
現場の安全管理にも徹底して気を配っています。特に夏場の熱中症対策は深刻で、「仕事終わりに手足がつるとよく聞く」という状況に対し、こまめな声かけで水分補給を促したりと、体調管理を仕事の一部として位置づけています。「見栄えよく、事故なく、安全に」というシンプルな言葉に、現場へのこだわりが凝縮されています。
⚠️ 人手不足・新規開拓の難しさ…課題だらけの建設業で、どう動くか
中小土木会社が直面する課題は、美智建設も例外ではありません。「新規でもらってくるのって難しい」と柴山代表は率直に語ります。舗装工事の発注は既存のつながりで回ることが多く、新規の元請やエンドユーザーを開拓するハードルは高いのが現状です。
人材面でも悩みは続きます。現在の従業員は30〜40代が中心。若手の採用にも取り組みたいと考えていますが、ハローワークへの求人掲載もまだ検討段階です。「新規の仕事をもらっても人手が足りなかったらできない」という言葉が示すように、集客と採用はどちらかが先行しないと空回りしてしまうジレンマがあります。これは中小建設業が共通して抱える構造的な課題です。
こうした状況の中で、柴山代表は「まずは人材を育てるのと仕事の受注を両立したい」という方向性を示しています。技術者は一日で育つものではなく、時間をかけて現場経験を積み重ねることが不可欠。その積み重ねがあってこそ、仕事の幅が広がると考えています。
🌱 10年後のビジョン──家族でつなぐ、地域に根ざした会社づくり
これからのビジョンについて、柴山代表は「土台をしっかり作っていきたい」と話します。創業からまだ数年。従業員を少しずつ増やしながら、まずは会社の基盤を固める段階にあるという認識です。
そして何より嬉しいのは、後継者の芽が育ちつつあることです。高校を卒業した娘さんが今年4月から現場に入り、「楽しいみたい」と目を細めます。息子さんは土木系の高校で学んでいる最中。二人とも、将来的に会社を引き継ぐことを自然と受け入れており、娘さんは「親の会社を引き継ぐために、この業界に入り今、勉強中」で、「家族経営でゆくゆくは子どもたちにもっと大きくしていってほしい」という言葉に、経営者として、また親としての温かい願いが込められていました。
業界への入り口に立つ若い人たちへのメッセージも、実直なものでした。「きつい仕事やけど、やりがいがある。出来上がった時の達成感を感じてもらえたら。楽な仕事はないけど、きついと思った時にそれを乗り越えたら、やってて良かったっていう感じになってほしい」。途中で諦めないこと──それが柴山代表自身が歩んできた道でもあります。
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取材を通じて印象的だったのは、柴山社長の「まず土台から」という一貫した姿勢です。資格取得、経理の習得、会社設立──どの場面でも焦らず積み上げてきた経営者の言葉には、地に足のついた説得力がありました。