中東情勢の長期化が、建設現場にジワジワと影響を及ぼしています。😰 塗料やシンナーなど建設工事に欠かせない資材が「手に入りにくい」という声が、特に一人親方や中小工務店から相次いでいます。
令和8年5月21日、政府は第8回「中東情勢に関する関係閣僚会議」を開催。現場への対策強化が議論され、建設業に関わる人なら知っておくべき重要な内容が発表されました。今回は、その中身をわかりやすくお伝えします。📢
🏗️ そもそも何が起きているの?「目詰まり」の正体
中東情勢の影響で、原油や石油製品の調達に支障が生じています。政府によれば、原油やナフサ由来の化学製品を含む石油製品は「年を越えて供給継続が可能」な状態ではあります。しかし問題は、そこからではありません。流通の途中で起きている「目詰まり」が大きな課題となっています。
目詰まりとは、モノは存在するのに、川上(メーカー)から川下(現場・一人親方など)まで正常に届かない状態のこと。政府はこの目詰まりを3つのパターンに整理しています。⚠️
まず1つ目は「川上メーカーが翌月の原料供給量を未定と伝えた結果、川中の商社やシンナーメーカーが自発的に供給量を絞ってしまったケース」です。確実な情報がないまま自衛的に動いてしまったことで、流通が滞ってしまいました。
2つ目は「一度供給制約を通知した後、供給量が回復したにもかかわらず、それが供給先にタイムリーに伝わらなかったケース」。情報伝達の遅れが現場の不安を長引かせています。
3つ目は「塗装事業者がシンナー不足への不安から、通常は小分けに発注していたものを一括発注してしまったケース」。善意の自衛行動が、かえって川上の出荷に影響を与える悪循環になってしまいました。
🔍 一人親方・工務店が特に影響を受けやすい理由
国土交通省の提出資料(資料3)では、建設・住宅事業者の資材調達について詳しく分析されています。建設現場には大きく2つの調達パターンがあります。「元請が資材を調達して下請に支給するパターン」と「下請が自ら資材を調達するパターン」です。そして1つの現場では、工種によってこの両方が混在しているのが実情です。
ここで注目すべき点があります。大規模事業者は調達力が大きい一方で、小規模事業者は調達力が小さく、工事規模も小さくなる傾向があります。特に戸建住宅や修繕工事を担う中小工務店や一人親方は、まさにこの「調達力が弱い」立場に置かれています。
高市総理も会議の発言の中で、「一人親方や工務店を含む川下の事業者の皆様が目詰まりを感じておられる」と明確に認識を示しました。元請や大手ゼネコン・デベロッパーはまだ影響が限定的な一方で、現場の最前線に立つ一人親方や中小工務店にしわ寄せが来ている構図が浮かび上がります。😔

※国土交通省資料より
📣 政府が動いた!「プッシュ型」の情報支援とは
こうした現状を受け、政府は特に情報が届きにくい一人親方への支援策を強化しました。その柱となるのが、全国建設労働組合総連合(全建総連)の地方組織と、地方整備局・経産局との連携です。
全建総連は「住」の生産に携わる一人親方等の建設職人を中心に作られた組合で、日本最大の建設産業の労働組合です。都道府県ごとに組織された53県連・組合の連合体で、組織人員は約59万人にのぼります。
この全建総連の地方組織と、地方整備局・地方経産局が連携することで、地方ごとにプッシュ型で調達・供給状況を把握する仕組みが構築されることになりました。従来の「自分で情報を取りに行く」スタイルではなく、行政側から積極的に情報を届けてくれる体制です。🙌
また、国土交通省の資料6では「建設資材(塗料・シンナー・断熱材・塩ビ管・防水関係資材等)」の調達状況把握を地方整備局が担うことが明記されています。現場の実態を地方整備局がきちんと把握し、経産局と連携して目詰まり箇所を特定・解消していく流れです。

※国土交通省資料より
💡 現場の一人親方・工務店がとれる行動は?
今回の政府発表をふまえ、一人親方・工務店ができることを整理しましょう。
まず大切なのは「焦って一括大量発注をしないこと」です。🚫 政府が呼びかけている基本方針は、「前年同月同量」を基準とした調達です。前述の目詰まり3類型のうちの1つが、まさに不安からくる一括発注でした。現場の善意の行動が流通全体に悪影響を与えてしまうケースがあるということを、改めて意識しておきたいところです。
次に、シンナーや塗料の調達が困難な場合は、所属する業界団体や全建総連の地方組織、または地方整備局の相談窓口に声を上げることが重要です。政府は「取引先との交渉力が強くない小規模事業者」を重点対象と位置づけており、ボイスを上げることが支援につながります。
実際に現場からは「数量制限付であるものの、シンナーを入手できた」という改善の声も届いており、状況は少しずつ動いています。✅ 「自分だけで抱え込まない」ことが今できる最善策です。
また、ガソリン・軽油・重油などの燃料については、1リッターあたり42円の補助が継続して投入されており、全国平均ガソリン価格は170円水準で抑制されています(G7各国の中で最も安い水準)。重機や運搬車を使う現場にとっては、直接的なコスト面でのプラス材料です。⛽
📋 まとめ
中東情勢による建設資材の「目詰まり」は、一人親方・中小工務店に特に大きな影響を与えています。政府は第8回関係閣僚会議(令和8年5月21日)で対策を強化し、全建総連(約59万人)の地方組織と地方整備局・経産局が連携した「プッシュ型」の情報提供体制を構築しました。
現場での行動として最も大切なのは「焦らず前年同月同量の調達を維持すること」と「困ったら業界団体や整備局の窓口に相談すること」。情報は来るのを待つのではなく、声を上げることで届く時代になっています。💪
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出典:「中東情勢に関する関係閣僚会議」(首相官邸ホームページ)https://www.kantei.go.jp/jp/105/actions/202605/21kaigi_middle-east.html をもとに作成
