建設現場では、日々の工程管理や安全確認だけでなく、細かな雑務への対応も現場管理者の大きな負担になっています。特に鍵や備品などの貸与物管理は、「短時間だが回数が多い業務」の代表例です。貸与・返却対応に追われることで、本来優先すべき現場管理業務の時間が圧迫されるケースも少なくありません。
こうした中、顔認証技術を活用して貸与物管理を無人化する新たな仕組みが登場しました。人手不足が続く建設業界において、省人化とセキュリティ強化を両立する取り組みとして注目されています。
顔認証と保管BOXを組み合わせた新サービスとは
『こうした課題を解決するため、顔認証と電子錠付き保管BOXを組み合わせ、貸与物管理業務を無人化するソリューションを開発しました。
現場内に設置した保管BOXを、登録された作業員のみが顔認証で開錠できる仕組みにより、管理者の立会いなしで安全に貸与・返却ができる運用を実現します。』

引用元:株式会社キッズウェイ プレスリリース(PR TIMES掲載)
株式会社キッズウェイは、顔認証システム「FACEma(フェイスマ)」シリーズの新モデルとして、貸与物管理向けの「保管BOXモデル」の提供を開始しました。建設現場に設置した保管BOXを、登録済み作業員のみが顔認証で利用できる仕組みで、鍵や重要備品の受け渡しを無人化できる点が特徴です。
現場で積み重なる“細かな管理業務”の負担
建設現場では、朝夕の鍵の受け渡し、資材置き場の管理、共用設備の貸出など、細かな管理業務が毎日発生しています。一つひとつは短時間でも、複数業者が出入りする現場では対応回数が増え、管理者の拘束時間が長くなります。
さらに、返却漏れや紛失が発生すると、原因確認や連絡対応に追われることになります。誰がいつ持ち出したのか把握できないケースもあり、属人的な管理が課題となっていました。
特に中小建設会社では、現場監督が施工管理、安全管理、顧客対応まで兼任していることも多く、こうした雑務の積み重ねが長時間労働の一因になっています。
無人化とセキュリティ強化を両立できる点が強み
今回の仕組みでは、顔認証によって登録者以外は保管BOXを開けられないため、不正利用防止につながります。また、認証履歴をクラウド上に記録できるため、「誰が・いつ・何を利用したか」を管理しやすくなります。
従来のような紙台帳や口頭管理では、記録漏れや確認ミスが発生しやすく、トラブル時の追跡も困難でした。しかし、デジタル化によって履歴を一元管理できれば、管理精度向上にもつながります。
加えて、単管クランプやステンレスバンドで設置できるため、大掛かりな工事が不要という点も導入しやすいポイントです。仮設現場でも柔軟に活用できるため、短期現場との相性も良いでしょう。
建設DXは“大規模システム”だけではない
DXというと、大規模な基幹システム導入をイメージする企業もあります。しかし実際には、日常業務の小さな負担を減らす取り組みこそ、現場改善につながるケースが少なくありません。
特に建設業界では、人手不足と高齢化が進む中で、「人がやらなくてもよい作業」をどれだけ減らせるかが重要になっています。鍵管理や貸与物管理のような周辺業務を省人化できれば、現場管理者は安全確認や品質管理など、本来注力すべき業務へ時間を割けるようになります。
今後は顔認証やクラウド管理などの技術が、入退場管理だけでなく、現場内のさまざまな運用に広がっていく可能性があります。

※画像はイメージです。
まとめ
建設業界では、日々発生する細かな管理業務が現場全体の生産性を下げる要因になっています。今回のような顔認証を活用した無人管理は、省人化だけでなく、セキュリティ向上や管理精度改善にもつながる取り組みといえるでしょう。大規模投資だけがDXではなく、現場の“小さな困りごと”を解消する視点が、今後ますます重要になりそうです。
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