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建設業界では人手不足や技術継承が大きな課題となっています。特に中小建設会社では、工期見積もりや工程作成がベテラン社員の経験に依存しているケースも少なくありません。
その中で近年注目されているのが、現場データを資産として蓄積し、次の現場へ活かす仕組みづくりです。 2026年6月、建設業務特化型AIエージェントを提供する株式会社KENCOPAは、「Kencopa工程AIエージェント」に新たな「歩掛AIデータベース機能」を実装したと発表しました。工程と歩掛を自動で紐づけ、利用するだけで会社全体の知見が蓄積されるという仕組みは、多くの建設会社が抱える課題解決のヒントになるかもしれません。
株式会社KENCOPAは今回の発表で次のように説明しています。
『歩掛AIデータベース機能は、工程と歩掛をAIが自動で紐づけ、利用するだけで会社全体に歩掛が蓄積されていく仕組みをつくることで、この「貯まらない・使えない」課題を根本から解消します。』
引用元:株式会社KENCOPAプレスリリース(PR TIMES掲載)
同機能では、AIが生成した工程表に対して施工数量や歩掛情報が自動的に関連付けられます。さらに利用実績が全社データベースへ蓄積されることで、自社独自の歩掛情報を継続的に増やしていける点が特徴です。
歩掛は工期や見積もりを決定する重要な指標ですが、多くの企業で十分に活用されているとはいえません。 その理由の一つは入力や整理に時間がかかることです。日々の業務に追われる現場では、実績を記録しても整理まで手が回らず、データが散在してしまいます。
また、現場ごとに条件が異なるため、国や自治体が公開する標準歩掛だけでは対応できない場面もあります。その結果、経験豊富な担当者の感覚に頼った見積もりが続き、若手への技術継承も難しくなります。
さらに、過去の工事実績が会社全体で共有されていない場合、同じような検討作業を毎回繰り返すことになり、生産性向上の妨げにもなります。
今回の機能が注目される理由は、「入力作業を増やさずにデータを蓄積できる」という点にあります。
一般的なDX施策では、新たな入力ルールや運用体制の整備が必要となり、現場の負担増加が課題になります。しかし工程作成そのものがデータ蓄積につながる仕組みであれば、現場担当者が特別な作業を意識する必要はありません。 蓄積されたデータは工期見積もりの精度向上だけでなく、受注判断や人員配置の検討にも活用できます。
また、過去の実績が可視化されることで、ベテラン社員の経験やノウハウを会社全体の資産として共有しやすくなります。 これは人材不足や高齢化が進む建設業界において、大きな価値を持つ取り組みといえるでしょう。
建設DXという言葉を聞くと、大手ゼネコン向けの高度なシステムを想像する方もいるかもしれません。しかし近年は中小企業でも導入しやすいクラウドサービスやAIツールが増えています。 重要なのは最新技術を導入すること自体ではなく、「現場の課題を解決できるか」という視点です。
工程作成に時間がかかる、見積もりが担当者任せになっている、技術継承が進まないといった悩みを抱える企業にとって、今回のようなAI活用は現実的な選択肢の一つとなるでしょう。 今後は工程管理だけでなく、書類作成や知識検索、教育支援などの分野でもAI活用が広がることが予想されます。中小企業こそ、こうした変化を早めに把握し、自社に合った活用方法を検討することが重要です。
※画像はイメージです
建設業界では、歩掛の蓄積と技術継承が長年の課題となっています。KENCOPAが発表した歩掛AIデータベース機能は、工程と歩掛を自動で紐づけることで、現場データを自然に蓄積し、会社全体の資産として活用できる仕組みを目指しています。
人手不足や属人化への対応が求められる今、こうしたAI技術は中小建設会社にとっても注目すべき存在となりそうです。
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「建設円陣PLUS編集部」は、建設業界に特化したプラットフォーム「建設円陣」を運営する株式会社エンジョイワークスの編集チームです。中小建設業の経営・人材・現場課題を、国土交通省・厚生労働省、業界専門紙や公的機関の情報をもとに解説します。