建設業の現場では、重量物の搬送や前かがみ・中腰での作業が日常的に繰り返される。こうした身体負荷の蓄積が、腰痛や肩痛を引き起こし、ベテラン職人が現場を離れる一因となっている。「人を増やせばいい」という時代はとっくに終わり、今いる人材が長く安全に働き続けられる環境をどう整えるかが、中小建設業の経営課題となっている。その解決策として、アシストスーツの導入が製造・農業・介護に続き、建設業でも注目を集めている。
家族経営農家が実証——アシストスーツが「体の限界」を変えた
アシストスーツ「マッスルスーツ」シリーズを製造・販売する東京理科大学発スタートアップ、株式会社イノフィスは、大阪府堺市の家族経営農家「甘人トマト」に同製品を導入した。農業と建設業は業種こそ異なるが、重量物の反復搬送・中腰姿勢・少人数での作業継続という現場構造は極めて近く、その事例は建設業の経営者や現場監督にとっても参考になる内容を含んでいる。
以下は、甘人トマト取締役・小林真佑子氏のコメントである。
『家族経営の農業では、人手不足だからといって簡単に人を増やせるものではありません。人件費が上がれば販売価格にも影響するため、私たちは「できるだけおいしいものを適正な価格で届けたい」という思いを大切にしています。そのため、高く売ることや規模を拡大することよりも、今いる家族が長く健康に働き続けられる環境をつくり、農業を持続させることを目標にしています。私は毎日マッスルスーツを使用していますが、朝に装着し忘れると10分ほどで気付くくらい、今では農作業に欠かせない存在になっています。トマトコンテナや資材など10~20kg程度の荷物を何度も運ぶ作業では、「力が強くなる」というより、「本来の自分の力を無理なく使えるようになる」という感覚です。装着すると自然と姿勢が起き、腰が支えられている安心感があります。以前は週に1回ほど整骨院へ通っていましたが、現在は3週間に1回程度まで減り、首や肩への負担も軽減されたと感じています。また、71歳の義父は圧迫骨折を経験しており、マッスルスーツを着用すると「背筋が伸びる」「腰が起きる感じがする」と話しています。』
引用元:株式会社イノフィス プレスリリース(PR TIMES掲載)
建設現場における身体負荷の現実
厚生労働省の労働災害統計によると、建設業における腰痛を原因とした休業災害は製造業と並んで上位を占め続けており、特に中小規模の工務店や専門工事業者では、1人が現場を離脱するだけで工程全体に影響が生じる。
建設現場での作業を細分化すると、資材の積み下ろし・運搬、型枠・鉄筋の設置、配管や内装作業時の前かがみ姿勢など、腰部に反復的な負担がかかる動作が一日に何十回と発生する。こうした累積負荷は若手でも無視できず、「若いうちは大丈夫」という経験則が、かえって早期に腰を痛める原因になるケースも少なくない。
さらに、ベテランが離脱すれば技術継承も途絶える。身体を守ることは、個人の問題ではなく会社の存続に直結する経営課題である。
建設業でも使えるマッスルスーツ2モデルの特徴
株式会社イノフィスが提供するマッスルスーツシリーズは、累計出荷台数が2026年4月末時点で40,000台を超え、介護・農業・製造・物流・建設など多様な現場での導入実績を持つ。以下に、建設現場への導入に適した2モデルを紹介する。
マッスルスーツ Soft-Power(ソフトパワー)は、電気不要で屋内外を問わず使用できるサポータータイプのアシストスーツだ。人工筋肉のアシスト技術をサポーターの背面部に組み込み、腰部への負担を35%軽減する(当社実証実験による)。メーカー希望小売価格は59,400円(税込)、適用身長150〜200cm・ウエストフリーの1サイズ展開となっている。
マッスルスーツ Soft-Power EASY-LIFT(ソフトパワーイージーリフト)は、個人でも導入しやすい価格帯を実現したエントリーモデルだ。腰部負担を33%軽減しつつ、本体重量は310gと軽量で、装着も簡単、洗濯も可能という取り扱いのしやすさが特徴である。メーカー希望小売価格は22,000円(税込)、適応身長150〜200cmの1サイズ展開となっている。
どちらのモデルも電源や充電が不要なため、電源確保が難しい建設現場でもそのまま使用できる点が実用的だ。
引用元:株式会社イノフィス プレスリリース(PR TIMES掲載)
導入を検討する際のポイント
アシストスーツの導入を検討する際、経営者が考慮すべき視点は主に三つある。
第一に、導入コストと人件費・医療費のバランスだ。腰痛による休業や通院が減ることで、職人一人当たりの実労働時間が安定する。整骨院への通院頻度が週1回から月1回程度に減少した事例もあり、中長期的なコスト削減につながる可能性がある。
第二に、若手・ベテランを問わない予防的活用の視点だ。腰を痛めてから対策するのではなく、身体負荷が蓄積する前から装着習慣をつけることが、長期的な戦力維持に有効である。特に若手職人の採用・定着施策の一環としても効果が期待できる。
第三に、無料トライアルの活用だ。株式会社イノフィスは現在、マッスルスーツの無料トライアルを実施している(申し込みURL:https://lp.musclesuit.co.jp/)。また、東京都新宿区神楽坂に開設された「神楽坂ショールーム」(平日火〜金、10:00〜17:00、完全予約制)では、実際に装着して使用感を確認することも可能だ。現場に導入する前に、まず体感してみることを強くすすめる。
まとめ
「人を増やす」ことが難しい中小建設業において、今いる職人が身体を守りながら長く働き続けられる環境をつくることは、経営の根幹を支える投資といえる。アシストスーツは高度な技術を必要とせず、現場にそのまま持ち込める即戦力の道具だ。腰痛対策・離職防止・若手定着という複数の経営課題を、一つのアイテムで同時にアプローチできる可能性を持っている。まずは無料トライアルやショールーム体験から、自社の現場に合うかどうかを確認してほしい。
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