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9月に入ると、朝の空気に少しずつ秋らしさを感じる日が増えてきます。現場へ向かう時間帯に「今日は涼しいな」と思うと、真夏の暑さはもう終わったような気分になるものです。
しかし、建設現場では朝の体感だけで、その日の暑さ対策を決めるのは危険です。9月に入ったからといって、現場が一気に「秋の気温」になるわけではありません。
9月の現場では、「朝は涼しいのに、昼になるとまだ暑い」という気温差を前提にしておくことが大切です。
朝の気温が低く感じられると、作業開始時の警戒心も下がりがちです。しかし、日中に日差しが強くなれば、アスファルトやコンクリート、建物の壁面などからの熱も加わります。さらに、熱中症のリスクは気温だけで決まるものではありません。
厚生労働省は、気温、湿度、風速、輻射熱を考慮する指標としてWBGT(暑さ指数)を用いています。つまり、朝の気温だけを見て「今日は大丈夫」と判断することはできません。
例えば、朝礼の時点では比較的過ごしやすくても、午前中から日差しが強まり、昼前後には作業環境が大きく変わることがあります。 「朝が涼しいから、今日は大丈夫」という感覚ではなく、「午後まで含めてどうなるか」を見ることが、9月の現場では重要です。
9月だからこそ、改めて確認しておきたいのが熱中症対策です。
2025年6月1日から、労働安全衛生規則の改正により、一定の条件に該当する暑熱な場所での作業について、熱中症のおそれがある作業者を早期に発見するための体制整備や、重篤化を防止するための措置の手順作成、関係作業者への周知が事業者に求められています。
対象となるのは、WBGT28℃以上または気温31℃以上の環境下で、連続1時間以上または1日4時間を超えて行なうことが見込まれる作業です。 これは「真夏だけの話」ではありません。
厚生労働省が2026年に実施している「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」も5月から9月までを期間としており、WBGTの把握や、熱中症の重篤化を防ぐための体制・手順の周知などを呼びかけています。
まず確認したいのは、その日のWBGTです。気温だけではなく、作業場所の環境を含めて判断することで、「朝は涼しい」という感覚に引っ張られにくくなります。
次に、作業予定です。午前と午後で日差しの当たり方が変わる現場なら、暑さが厳しくなる時間帯に作業が集中していないか確認しておきます。必要に応じて休憩を確保し、連続作業時間を短くすることも検討できます。
そして、作業員同士の声掛けです。 「具合が悪かったら言ってください」だけで終わらせず、「少しでもおかしいと思ったら作業を離れる」「異変に気付いた人も報告する」というルールを共有しておくことが重要です。
厚生労働省も、熱中症のおそれがある作業者を早期に発見するため、報告体制の整備だけでなく、職場巡視やバディ制、定期的な連絡などによって積極的に状態を把握することを示しています。
9月の現場で大切なのは、暑さ対策を終わらせるタイミングをカレンダーだけで決めないことです。
朝は涼しい、昼は暑い。日陰は快適でも、日なたでは負担が大きい。風がある日でも、湿度や日射の状況によって体感は変わる。 こうした「一日の中で環境が変わる」という特徴を意識するだけでも、現場の見方は変わります。
また、夏休みなどで現場を離れていた人が作業に戻る場合は、暑さへの順化にも注意が必要です。厚生労働省は、熱への順化が中断すると、その効果が失われていくことを示しており、暑熱環境への復帰時には慎重な対応が必要です。
9月は「夏が終わった月」ではなく、「夏の暑さから秋へ移っていく途中の月」です。 現場の安全管理も、季節の境目に合わせて切り替えるのではなく、その日の環境を見ながら調整することが求められます。
※画像はイメージです
9月の朝に感じる涼しさは、現場の一日が涼しいことを意味するわけではありません。朝礼では気温だけでなくWBGTや作業予定、作業員の体調を確認し、昼以降の暑さまで見越しておくことが重要です。
「もう秋だから」ではなく、「今日はどう変化するか」。その視点が、9月の現場を安全にする第一歩になります。
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出典:「令和8年『STOP!熱中症 クールワークキャンペーン』を実施します」(厚生労働省)(https://www.mhlw.go.jp/stf/coolwork_2026.html)をもとに作成
出典:「職場における熱中症対策の強化について」(厚生労働省)(https://www.mhlw.go.jp/)をもとに作成
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