首都直下地震、廃棄物処理の備えは足りているか
首都直下地震が発生すれば、街には倒壊家屋のがれきや家庭ごみが一気に積み上がります。とくに人口が集中する首都圏では、通常の災害よりも廃棄物処理の負荷が大きくなることが、環境省関東地方環境事務所の資料でも指摘されています。🏗️
解体工事や搬出作業に携わる建設業者にとって、仮置き場の確保や搬出ルートの見通しは、決して他人事ではないテーマです。
環境省・関東ブロック協議会が始動、令和8年度の動き
環境省関東地方環境事務所は、平成26年11月10日に「大規模災害時廃棄物対策関東ブロック協議会」を設置しました。対象となるのは関東ブロックの10都県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、山梨県、静岡県です。
令和8年度は、令和8年7月15日に第1回のブロック協議会が開催され、第2回の開催日はまだ決まっていません。💡直前の令和7年度第2回協議会(令和8年3月13日開催)では、災害廃棄物対策推進のための関係制度の見直しに向けた検討状況や、令和8年度の活動予定などが議題として取り上げられました。
この協議会は、平時から災害廃棄物対策の情報を共有し、大規模災害が発生した際の広域連携体制を検討する場として機能しており、運営は関東地方環境事務所の資源循環・災害廃棄物対策課が担っています。
出典:関東地方環境事務所ウェブサイト(https://policies.env.go.jp/recycle/disaster_waste/action/d_waste_net/pdf/symposium_240124_lecture_06.pdf)
都市部特有の「仮置き場が作れない」問題
協議会の下には複数のワーキンググループがあり、そのひとつが「首都直下地震WG」です。
過去に実施された意見交換会には、東京二十三区清掃一部事務組合や東京二十三区清掃協議会、特別区災害廃棄物処理対策検討会(葛飾区・渋谷区・荒川区)が参加し、国立環境研究所資源循環領域の研究員も有識者として加わりました。
そこで見えてきたのが、都市部ならではの悩みです。🏙️ 都市部では仮置き場となる広い敷地の確保が難しく、災害廃棄物を自分で運び出す手段がない住民も多いため、地区の集積所に廃棄物を出す方式が採られがちです。
ところが管理者がいないと分別されずに混ざってしまい、パッカー車だけでは運びきれず、平ボディ車両の調達を含めて搬出に苦労する状況が課題として指摘されています。

出典:関東地方環境事務所ウェブサイト(https://policies.env.go.jp/recycle/disaster_waste/action/d_waste_net/pdf/symposium_240124_lecture_06.pdf)
建設業者が今から備えておきたいこと
この状況は、解体工事や搬出作業に関わる建設業者にとって重要な意味を持ちます。⚠️ 発災直後は道路の寸断や仮置き場不足によって、通常の廃材搬出ルートが使えなくなる可能性があります。
まず取り組みたいのは、自社の車両や重機がどの経路で稼働できるかを、平時のうちに確認しておくことです。
次に、パッカー車だけでなく平ボディ車両など多用途に使える車両を確保しておくと、車両不足の状況でも対応しやすくなります。
さらに、関東地方環境事務所が過年度に実施した「災害廃棄物仮置場の必要面積及び運用実績に関する調査」(令和4年3月)のような、自治体の仮置き場に関する情報を日頃からチェックしておくことも欠かせません。
👉 情報を先取りしておくことが、発災後の対応スピードを左右します。災害時は人手も車両も不足しやすいため、平時の準備がそのまま初動対応の速さにつながります。
まとめ
首都直下地震に備えた廃棄物処理体制は、環境省と関東ブロックの自治体が連携しながら少しずつ整備が進められています。しかし都市部特有の仮置き場不足や搬出の難しさは、まだ解決したとはいえない課題です。
建設業に携わる皆さんも、平時のうちに情報収集と車両体制の見直しを進めておきましょう。🙌
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出典:「災害廃棄物対策ブロック協議会の設置」(環境省関東地方環境事務所)(https://kanto.env.go.jp/post.html)をもとに作成











