🏡「若いうちに手に職をつけ、踏ん張れ」──美翔工業・内山敦貴代表が語る独立3年の軌跡

🔨 栃木県栃木市を拠点に外構・エクステリア工事を手がける美翔工業。代表の内山敦貴氏は、26歳という若さで創業から約3年、二人体制で着実に成長を続けてきた。十代のころから「自分でやる」という強い意志を持ち、周囲の反対を押し切って独立を果たした内山代表。若い職人が減り続ける建設業界で、従業員を大切にしながら会社を拡大しようとするその経営哲学とは何か。本記事では、その原点と現場へのこだわりに迫る。🏗️

🏗️ なぜ建設業を選んだのか?独立への原点にある想い

内山代表が「自分でやる」という考えを持ち始めたのは、十代のころだという。業種ありきではなく、「社長になりたい」という意志が先にあった。

「仕事何しようかなってなって、社長になりたいなあと思ってたんですよ。外仕事がいいかなっていう感じで、気づいたら建設の世界にいました」

最初から外構工事を目指したわけではない。太陽光関係の仕事なども経験しながら、地元の外構屋で働くうちに自然とたどり着いた形だ。業界に入ったのは20歳ごろで、当初は常用(日当)での手伝いが中心だったという。「単価が合わなかったり、毎日手伝いだったりで、なかなか上がりはなかった」と振り返る。

それでも3年で独立を決意した。「周りからはやめろって言われましたよ、結構。でも今なんとかなってるんで」と笑う。独立当時は「イケイケで別に怖くなかった」が、いざやってみたら大変だったとも正直に語る。1年目・2年目は苦しい時期もあったが、ここ1年でようやく安定してきた。今では常用の手伝いではなく、すべて請負で仕事を受ける体制となっている。中小建設業にとって、独立初期の収益構造をどう変えていくかは共通の課題だが、内山代表はわずか数年でその壁を越えた。

🔧 うちにしかできないこと──現場が語る強みとは

美翔工業の現在の体制は、内山代表と同い年(26歳)の従業員1名、計2名のコンパクトな構成だ。受注の内訳はハウスメーカーからの下請けが中心で、個人宅の庭・カーポート・土間コンクリートなどの工事も手がける。外構・エクステリア工事全般に対応できるのが強みだ。

特に注力しているのが土間コンクリートをはじめとした外構工事全般で、6月まで現場が埋まっているほど仕事は順調に入っている。材料費の高騰が業界を揺るがす中でも、「外構はそこまで影響がない」と内山代表は語る。設備系のパイプや塗装シンナーなどに比べ、材料の調達面でのリスクが低い点も安定経営につながっている。

少数精鋭でありながら仕事を着実にこなせるのは、内山代表自身が「今も現場で常に勉強している」からだ。外構工事は現場ごとに仕様が変わり、同じことを繰り返せばよいわけではない。未知の状況への対応力こそが、若い会社の競争力になる。

また、仕事量の確保に関しては、ハウスメーカーとの安定的な取引関係に加え、将来的にはホームページを活用した自社集客にも力を入れていく方針だ。SNSでのPRも「いいと思うんだけど、波に乗れなくて」と苦笑しつつも、「まずちゃんと仕事をやれ」という信念を持ち続けている。現場ファーストの姿勢が、顧客からの信頼を積み上げてきた。

⚠️ 人手不足・若者の定着…課題だらけの業界で、どう動くか

中小建設業が共通して抱える課題が「人材の確保と定着」だ。内山代表も例外ではない。多い時には4名いた従業員が、現在は1名まで減っている。「みんな若い子だったんで、辞めてっちゃったんですよ」と振り返る。

辞めていった理由について、「きついっていう話ですね。自分もガツガツやってたんで」と内山代表は率直に認める。土の重さ(猫押し)、真夏の酷暑、早朝からの長距離移動。どれも建設現場のあるあるだが、今の若い世代にはハードルが高い。「16歳の子とかは特にきつくて」という声は、業界全体が抱えるリアルでもある。

そのため現状は、求人サイトを使った募集ではなく、知人への声かけで人材を確保しようとしている。「一人、もしかしたら入ってくるかな」という状況だ。採用面での課題を抱えながら、内山代表が選んだアプローチは「まず自分と一緒にいる人間を大切にすること」だった。

モチベーションが落ちたときは休む、従業員と一緒にゴルフや野球、スノーボードへ行く。「自分もやってもらった側だったから、それを返したいという気持ちがある」という言葉に、内山代表の人柄が凝縮されている。中小建設業にとって、金銭的な待遇だけでなくこうした日常的な関係性づくりが、離職を防ぐ現実的な手段となる。

🌱 10年後のビジョン──地域と若い世代への想いを語る

今年中の法人化を視野に入れ、税理士とも話を進めている内山代表。独立当初の手伝い中心の時期から比べると仕事量は着実に増え、現在は請負一本で安定した受注を続けている。二人体制での限界をいずれ人を増やすことで突破したいという。「人が入ってくれればどんどん増やしたい。ホームページも活用して、株式にして、人もどんどん増やしていきたい」と展望を語る。

若い世代へのメッセージとして、内山代表は迷わずこう言い切る。

「若いうちに手に職をつけて、踏ん張って、いい将来になるように頑張った方がいい。若い時に苦労しておけ、ということですかね」

技術さえ身につけてしまえば、年齢に関係なく同じ仕事ができ、同じ報酬が得られる。それが職人という仕事の本質だと内山代表は語る。「頑張れるやつは絶対向いてる業界」という言葉は、自身の経験から来た確信だ。26歳で3年間走り続けてきた若い経営者の言葉には、説得力がある。

中小建設業にとって、若い経営者の存在は業界の未来そのものだ。内山代表のような人物が地域に根を張り、次の世代を引き込んでいくことが、業界の持続につながっていく。

📝 編集部コメント

取材を通じて伝わってきたのは、内山代表の「義理と根性」だ。自分がやってもらったことを従業員に返したいという言葉は、若さの中に確かな芯を感じさせた。今後の成長が楽しみな一社である。

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