🏗️ なぜ建設業を選んだのか?独立への原点にある想い
内山代表が「自分でやる」という考えを持ち始めたのは、十代のころだという。業種ありきではなく、「社長になりたい」という意志が先にあった。
「仕事何しようかなってなって、社長になりたいなあと思ってたんですよ。外仕事がいいかなっていう感じで、気づいたら建設の世界にいました」
最初から外構工事を目指したわけではない。太陽光関係の仕事なども経験しながら、地元の外構屋で働くうちに自然とたどり着いた形だ。業界に入ったのは20歳ごろで、当初は常用(日当)での手伝いが中心だったという。「単価が合わなかったり、毎日手伝いだったりで、なかなか上がりはなかった」と振り返る。
それでも3年で独立を決意した。「周りからはやめろって言われましたよ、結構。でも今なんとかなってるんで」と笑う。独立当時は「イケイケで別に怖くなかった」が、いざやってみたら大変だったとも正直に語る。1年目・2年目は苦しい時期もあったが、ここ1年でようやく安定してきた。今では常用の手伝いではなく、すべて請負で仕事を受ける体制となっている。中小建設業にとって、独立初期の収益構造をどう変えていくかは共通の課題だが、内山代表はわずか数年でその壁を越えた。
🔧 うちにしかできないこと──現場が語る強みとは
美翔工業の現在の体制は、内山代表と同い年(26歳)の従業員1名、計2名のコンパクトな構成だ。受注の内訳はハウスメーカーからの下請けが中心で、個人宅の庭・カーポート・土間コンクリートなどの工事も手がける。外構・エクステリア工事全般に対応できるのが強みだ。
特に注力しているのが土間コンクリートをはじめとした外構工事全般で、6月まで現場が埋まっているほど仕事は順調に入っている。材料費の高騰が業界を揺るがす中でも、「外構はそこまで影響がない」と内山代表は語る。設備系のパイプや塗装シンナーなどに比べ、材料の調達面でのリスクが低い点も安定経営につながっている。
少数精鋭でありながら仕事を着実にこなせるのは、内山代表自身が「今も現場で常に勉強している」からだ。外構工事は現場ごとに仕様が変わり、同じことを繰り返せばよいわけではない。未知の状況への対応力こそが、若い会社の競争力になる。
また、仕事量の確保に関しては、ハウスメーカーとの安定的な取引関係に加え、将来的にはホームページを活用した自社集客にも力を入れていく方針だ。SNSでのPRも「いいと思うんだけど、波に乗れなくて」と苦笑しつつも、「まずちゃんと仕事をやれ」という信念を持ち続けている。現場ファーストの姿勢が、顧客からの信頼を積み上げてきた。
⚠️ 人手不足・若者の定着…課題だらけの業界で、どう動くか
中小建設業が共通して抱える課題が「人材の確保と定着」だ。内山代表も例外ではない。多い時には4名いた従業員が、現在は1名まで減っている。「みんな若い子だったんで、辞めてっちゃったんですよ」と振り返る。
辞めていった理由について、「きついっていう話ですね。自分もガツガツやってたんで」と内山代表は率直に認める。土の重さ(猫押し)、真夏の酷暑、早朝からの長距離移動。どれも建設現場のあるあるだが、今の若い世代にはハードルが高い。「16歳の子とかは特にきつくて」という声は、業界全体が抱えるリアルでもある。
そのため現状は、求人サイトを使った募集ではなく、知人への声かけで人材を確保しようとしている。「一人、もしかしたら入ってくるかな」という状況だ。採用面での課題を抱えながら、内山代表が選んだアプローチは「まず自分と一緒にいる人間を大切にすること」だった。
モチベーションが落ちたときは休む、従業員と一緒にゴルフや野球、スノーボードへ行く。「自分もやってもらった側だったから、それを返したいという気持ちがある」という言葉に、内山代表の人柄が凝縮されている。中小建設業にとって、金銭的な待遇だけでなくこうした日常的な関係性づくりが、離職を防ぐ現実的な手段となる。
🌱 10年後のビジョン──地域と若い世代への想いを語る
今年中の法人化を視野に入れ、税理士とも話を進めている内山代表。独立当初の手伝い中心の時期から比べると仕事量は着実に増え、現在は請負一本で安定した受注を続けている。二人体制での限界をいずれ人を増やすことで突破したいという。「人が入ってくれればどんどん増やしたい。ホームページも活用して、株式にして、人もどんどん増やしていきたい」と展望を語る。
若い世代へのメッセージとして、内山代表は迷わずこう言い切る。
「若いうちに手に職をつけて、踏ん張って、いい将来になるように頑張った方がいい。若い時に苦労しておけ、ということですかね」
技術さえ身につけてしまえば、年齢に関係なく同じ仕事ができ、同じ報酬が得られる。それが職人という仕事の本質だと内山代表は語る。「頑張れるやつは絶対向いてる業界」という言葉は、自身の経験から来た確信だ。26歳で3年間走り続けてきた若い経営者の言葉には、説得力がある。
中小建設業にとって、若い経営者の存在は業界の未来そのものだ。内山代表のような人物が地域に根を張り、次の世代を引き込んでいくことが、業界の持続につながっていく。
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取材を通じて伝わってきたのは、内山代表の「義理と根性」だ。自分がやってもらったことを従業員に返したいという言葉は、若さの中に確かな芯を感じさせた。今後の成長が楽しみな一社である。