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8月も終わりが近づき、「今年の夏はとにかく忙しかった」と感じている建設会社は少なくないでしょう。猛暑のなかでの現場対応、急な予定変更、資材の手配、協力会社との調整など、目の前の仕事をこなすだけで一日が終わってしまうこともあります。
しかし、忙しさを理由に振り返りを後回しにすると、同じ問題が秋以降も繰り返される可能性があります。8月の仕事を振り返る目的は、誰かの失敗を探すことではありません。「何に時間を取られたのか」「どこで手戻りが発生したのか」を整理し、次の繁忙期に備えることです。
まず確認したいのは、8月の忙しさの正体です。
例えば、「現場が多かった」という一言でも、実際には「急な追加工事が多かった」「確認の電話が集中した」「材料の納期確認に時間を取られた」「現場から事務所への報告が遅れた」など、複数の要因が重なっているかもしれません。 ここを曖昧にしたまま9月を迎えると、同じような負担が発生した際に、また「今月も忙しいから仕方ない」となりがちです。
そこで、8月を振り返る際には、仕事を「増えた仕事」「時間がかかった仕事」「やり直しになった仕事」「本来やらなくてもよかった仕事」に分けて考えてみます。 特に注目したいのが、最後の「本来やらなくてもよかった仕事」です。二重入力や同じ内容の確認、担当者への聞き直しなど、小さな作業でも積み重なれば大きな時間になります。
振り返りでありがちな失敗は、「忙しかった」「大変だった」という感想だけで終わってしまうことです。 大切なのは、振り返った結果を9月以降の行動に変えることです。
例えば、現場からの確認連絡が多かったのであれば、事前に必要な情報を整理して共有する。資材の手配で混乱したのであれば、発注の確認方法を統一する。写真や報告書の整理に時間がかかったのであれば、保存場所やファイル名のルールを見直す。
このように、「問題があった」で止めず、「次はどうするか」まで決めることで、振り返りが業務改善につながります。 また、すべてを一度に変える必要はありません。8月に最も時間を取られたことを一つだけ選び、9月から改善する方法でも十分です。
中小規模の建設会社では、経営者や現場監督、職人、事務担当者がそれぞれ別の忙しさを抱えています。そのため、会社全体を見渡すには、一人だけで振り返るよりも、それぞれの立場から意見を集めることが有効です。
例えば、「現場では何に困ったか」「事務所では何を待つ時間が多かったか」「経営者から見て判断に迷ったことは何か」といった質問をするだけでも、普段は見えにくい業務の詰まりが見えてきます。
ここで重要なのは、誰が悪かったかを追及しないことです。「なぜできなかったのか」ではなく、「なぜその作業が大変だったのか」と考えることで、個人の努力ではなく仕組みの改善につなげやすくなります。
8月の振り返りで課題が十個、二十個と出てきても、すべてを9月から改善しようとすると長続きしません。 「すぐ直せること」「少し準備が必要なこと」「会社として検討すること」の三つ程度に整理すると、次の行動が見えやすくなります。
例えば、すぐ直せることなら連絡方法や確認事項の統一、準備が必要なら業務のデジタル化、会社として検討することなら協力会社との体制づくりなどです。 8月は暑さや繁忙期の影響で、普段なら気にならない小さな非効率が表面化しやすい時期でもあります。だからこそ、月末の今は「忙しかった」で片付けず、会社の仕事の流れを見直す機会にできます。
8月を振り返るとき、必要なのは反省を増やすことではありません。忙しさの中に隠れていた「時間がかかった理由」や「繰り返した手間」を見つけ、9月に一つでも変えることが大切です。
「忙しかったから仕方ない」を「忙しかったからこそ、変えるところが見えた」に変えられれば、8月の経験は次の仕事に生きる財産になります。
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