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雨の日の搬入・搬出は「濡れる」だけではありません。足元が滑りやすくなり、荷物を持った状態での移動が不安定になるほか、車両の乗り降りや資材の仮置きにも、晴天時とは違う危険が生まれます。
特に中小規模の現場では、搬入作業を短時間で済ませようとして確認が省かれやすいため、「いつもと同じやり方」が事故につながることがあります。
雨天時は、作業者が現場に入った時点ですでに条件が変わっています。たとえば、トラックの荷台やステップが濡れていると、昇降時に足を取られる可能性があります。さらに、シートを外す、荷締めを確認する、資材を降ろすといった作業が重なると、両手がふさがり、足元への注意が薄れがちです。
搬入前には、まず「どこを通って、どこに置くか」を確認することが重要です。雨水がたまりやすい場所、泥が浮きやすい場所、資材を置くことで通路が狭くなる場所などを先に見ておけば、作業途中の急な変更を減らせます。
※画像はイメージです
長尺物や重量のある資材を運ぶときは、運搬する人だけで判断しないこともポイントです。雨で視界が悪くなったり、フードなどで周囲の確認がしにくくなったりすると、作業者同士の距離感を誤ることがあります。
特に車両からの搬出では、誘導する人を明確にしておくと、合図が曖昧になるのを防げます。誘導とは:車両や作業者の動きを周囲から確認し、安全な方向へ案内することです。誰が合図を出すのかを決め、作業者全員がその合図に合わせるだけでも、無理な動きを減らせます。
搬入した資材を「とりあえずここへ」と置く判断も、雨の日には注意が必要です。段ボールや木材など、水分の影響を受けやすい資材は品質への影響を考える必要があります。一方で、濡れた資材を覆うことだけを優先すると、通路をふさいでしまう場合があります。
そこで、搬入前に仮置き場所を決め、必要に応じて養生(養生とは:資材や床などを傷や汚れから守るために保護すること)を準備しておきます。屋根のある場所が使える場合でも、そこへ資材を集中させることで通路が狭くならないか確認しましょう。
「濡らさない」と「安全に置く」は、別々に考えることが大切です。
毎回、長いチェックをする必要はありません。現場で続けやすいように、次の3点に絞る方法があります。
① 足元を確認する。荷台、ステップ、通路、作業場所に滑りやすい箇所がないかを見る。
② 動線を確認する。トラックから仮置き場所まで、作業者が安全に移動できるかを見る。
③ 合図を確認する。車両の移動や重量物の搬出で、誰が誘導するのかを決める。
この3点を搬入前の習慣にすると、「作業を始めてから危険に気づく」場面を減らせます。雨が強くなった場合は、予定通り進めることだけを優先せず、作業方法や順番を見直すことも必要です。
晴れた日の搬入・搬出が問題なくできている現場でも、雨の日には条件が変わります。路面、荷台、視界、資材の状態、作業者の動き。その一つひとつが普段とは違う可能性があります。
だからこそ、雨の日は作業前に「今日は何がいつもと違うか」を一度確認してみましょう。大がかりな対策を増やすより、足元・動線・合図を確認するだけでも、現場の判断が変わります。
安全対策は特別なことをするより、天候に合わせて普段の手順を少し変えることから始められます。
雨の日の搬入・搬出は、濡れ対策だけでは十分ではありません。足元、動線、誘導、仮置き場所まで「晴れの日とは条件が違う」と考えることが大切です。
雨が降ったら、いつもの手順をそのまま繰り返すのではなく、作業前に3つの確認を入れる。小さな習慣が、現場の安全を守る大きな一歩になります。
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