🖌️「楽しくやった分だけ、報われる会社にしたい」──草加発・内装塗装のプロが語る独立3年目の矜持

🎨 埼玉県草加市を拠点に、店舗・オフィスの内装塗装を専門とする松-Paint株式会社。代表の重松光彦氏は、営業職から異業種転身し、大手ゼネコンの下請けから町場の改修工事まで10年超の現場経験を積んだのち、2023年に個人事業主として独立。2025年4月に法人化を果たした。「忙しくても忙しい顔はしない」という現場哲学と、職人ひとりひとりが仕事もプライベートも充実できる会社づくりへの強い意志──その言葉の奥には、中小建設業の現場を知り尽くした者だからこそ生まれる矜持があった。🖌️

🏗️ なぜ塗装業を選んだのか?原点にある「体を動かしたい」という本音

重松氏が塗装業に足を踏み入れたのは、決して華々しいきっかけではなかった。

「学校を卒業してから販売職・営業職をやっていたんですが、正直、自分に合った仕事ではなかった。学生のころ部活で体を動かしていたので、体を使う仕事の方が自分に向いているんじゃないかなと思っていたんです」

そんなとき、たまたま仲の良かった友人が塗装屋を営んでいた。軽い気持ちで話を聞き、気づけば業界に飛び込んでいた。「正直、特別なきっかけがあったというよりは、もう本当にやることがなくて・・・友達がやっていたということもあって、体も動かせるしまあいいか、くらいの感覚でした」と笑う重松氏だが、その”ライトな入り口”こそが、逆に長く続けられた理由でもあるのかもしれない。

最初の現場は大手ゼネコンの下請け会社。高層オフィスビルやマンションの新築塗装という、スケールの大きな世界でキャリアをスタートさせた。しかし、「新築だけのノウハウでは知識不足になると思って」と、数年後には町場(大手ゼネコン案件ではない、地域密着の民間工事の現場)の改修・リノベーションを手がける会社へと転職。内装・外装を問わず幅広い現場経験を積み上げ、業界に入ってから10年余りで独立を果たす。個人事業主として1年半の実績を重ねた後、売上の伸びを受けて2025年4月に法人化。松-Paint株式会社として、新たなステージへと踏み出した。

🔧 うちにしかできないこと──「塗って終わり」ではない、細部への徹底したこだわり

松-Paint株式会社が手がけるのは、店舗・オフィス・住宅リノベーションなどの内装塗装がメインだ。取引先は工務店や内装会社など建築に携わる元請け企業で、複数社と継続的な関係を築いている。仕事量は季節による波はあるものの、「一応途切れずにやらせていただいている」と重松氏は語る。

では、数ある塗装業者のなかで、なぜ松-Paintが選ばれ続けるのか。

「表面を綺麗に仕上げるのは当たり前のこと。うちが特に意識しているのは下地処理と、入り隅・出隅といった細かい部分です。塗料が溜まりやすいところ、ラインが通りにくいところ──そこをしっかり丁寧にやることが他との差になると思っています」

入り隅とは壁と壁が交わる内側の角、出隅は外側に突き出た角のこと。塗装が溜まったり、反対にかすれたりと、仕上がりの美しさに直結する難所だ。重松氏はこの部分に特に目を配るよう、協力会社にも毎回丁寧に伝えているという。

「表面を綺麗にするのは当たり前だから、そこは職人さんも意識してくれている。でも入り隅・出隅だけは必ず念押しします。毎回言い続けているので、協力している職人たちも松-Paintの現場ではそこを気をつけようという意識で動いてくれています」

仕上がりの質はチームで守る──その意識の浸透が、元請けからの信頼につながっているのだろう。

⚠️ 業界が直面する課題と、松-Paintが描く対応策

中小建設業、とりわけ専門工事業にとって、人材の確保と技術の継承は深刻な問題だ。重松氏もその現実を肌で感じている。

「パテ処理ができる職人が本当に少なくなってきています。まるっきりの新規ボードで、目地を全部綺麗に潰さなきゃいけないような作業をできる人が減っている。経験者が来ても、その仕事が正確にできないこともある。未経験者は一から見てあげないといけないから、現場が重なるとどちらにしても大変で」

技術の空洞化が進むなかで、重松氏が大切にしているのは「雰囲気づくり」だ。

「忙しくても忙しい顔はしないんですよ。工期が間に合わないなと思っても、焦った顔を現場に出さない。そういうときこそ、ピリピリすると職人たちも焦って、それが怪我につながる。楽しくやっている方が、仕事も進むんです」

これは単なる精神論ではない。かつて自分が雇われていたときに見てきた「先輩の姿が上限になる」現場文化への、静かなアンチテーゼでもある。給与・待遇・休日取得──そのすべてが先輩の現状に縛られる閉塞感を知っているからこそ、自分が経営者になったときは違う現場をつくろうと決めていたのだ。

🌱 「やった分だけ充実できる会社に」──次の10年に向けたビジョンと、仕事を探す人へのメッセージ

重松氏が目指す会社像は明快だ。

「会社を大きくするのはもちろんですけど、一緒に働いてくれる職人さんたちが、仕事もプライベートも楽しく充実できるような会社にしたい。個人個人がやった分だけしっかり評価されて、プライベートも豊かにできる。かつてそれができない会社にいたからこそ、そこを超えたいんです」

現在は従業員を増やすべく採用にも力を入れており、経験者はもちろん、これから塗装の道を歩もうとする若手も歓迎している。福利厚生面も充実させたいという思いは強く、従業員やその家族が旅行などに活用できる割引制度の導入も前向きに検討中だ。

「塗装屋というと、外壁を足場の上からローラーで塗るイメージを持っている人が多いと思うんですが、うちがやっている内装塗装はまったく違います。まずやってみないとわからないことも多い。最初は質より量。量をこなすことで質がついてくる。その結果を楽しめるようになると、自然に腕は上がっていく」

業界に飛び込むことへの不安を感じている人へは、こんな言葉を贈る。

「ホームページを見てほしいですし、気軽に公式LINEやメールで声をかけてほしい。塗装の世界がどんな仕事かを、まず知ってもらうところから始めましょう」

📝 編集部コメント

取材を通じて印象的だったのは、重松代表の「楽しく」というキーワードの重みでした。それは単なる雰囲気づくりではなく、かつての現場で感じた閉塞感への明確な問いかけであり、職人が誇りをもって働ける環境を本気でつくろうとする覚悟の言葉でした。

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