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代表が建設の道に入ったのは、10代のころまで遡る。出身地は関東以外の雪深い地方で、当時の地元建設業は冬になると仕事が空き、収入が安定しない時期が続いた。「仕事が空きすぎる時期があって、それが不安だった」——そんな状況に悩む中、東京での仕事の多さを知り、単身上京を決意した。
上京してみると、東京の現場環境は想像以上に働きやすかった。「冬でも雪はめったに降らないから、寒くても仕事はしやすい。こっちの現場がいいなと思って」という言葉が示すように、年間を通じて安定して働ける環境に手応えを感じた代表は、そのまま東京に腰を落ち着けることになる。多摩市在住はすでに20年を超える。
中小建設業にとって、地方での人材不足・仕事の季節波動は今も課題だ。そうした現実を肌で知っているからこそ、代表の仕事への向き合い方には説得力がある。個人事業から始まり、会社設立から10年——コロナ禍も乗り越え、いまも現場に立ち続ける。
株式会社TRUSTEQの主な仕事は、マンション・テナントの原状回復リフォームを中心としたトータル内装工事だ。現在のスタッフは代表を含め4名で、うちベトナム人技能実習生が2名在籍している。
この小規模ながら機動力のあるチームの強みは、風通しのよさにある。代表は感情的に怒鳴るようなことはせず、スタッフとはほぼ友達のような感覚でフランクに接している。「言い方としては、ためぐちっぽくなってしまうかもしれないけど、そういう雰囲気で仕事をしている」と代表は話す。
中小建設業にとって、若手や外国人材の定着は大きなテーマだ。TRUSTEQでは、ベトナム人実習生の受け入れにあたっても「大分当たりを引きました」と代表が語るほど良好な関係を築いている。もともとYouTubeなどを通じて日本語を学んできた実習生は、言葉の壁も想定より小さく、現場でも真面目に取り組んでいるという。丁寧に選んだ人材を、怒らずフランクに育てる——その姿勢が、少数精鋭のチームを安定させている。
建設業界が抱える人手不足は、TRUSTEQも例外ではない。求人に日本人を募集しても、なかなか「まともな人材」が集まらないのが現実だ。これまでにも面接を経ずに当日から来なくなるケースなど、採用に苦労してきた経験がある。
さらに技能実習制度には、日本人と外国人の比率に関するルールが存在し、日本人スタッフが増えなければベトナム人実習生も増やせないという制約もある。「日本人を一人増やさないと、ベトナムの方も一人増やせない」という構造の中で、人材確保の選択肢が制限されているのだ。
中小建設業にとって、採用の難しさは経営の核心に直結する課題だ。TRUSTEQでは現状、人脈を中心に仕事を確保しながら、チームの質を保つことを優先してきた。ホームページへの問い合わせはまだ少ないものの、地道に信頼を積み上げることで、安定した現場を維持し続けている。
インタビューの最後、代表は今後の展望について静かに、しかし力強く語った。「内装の技術を、日本人の手で守っていきたい」——それが代表の率直な思いだ。
外国人材の活用が進む業界の中でも、技術の継承という観点から、日本人の若い世代にも建設・内装の現場に入ってきてほしいという願いがある。ただし「難しい」とも正直に認める。実際に日本人スタッフを迎えても定着しなかった経験が積み重なっており、その現実を踏まえた上での言葉だ。
それでも代表は、怒らずフランクに人を育てる文化と、30年かけて磨いた内装技術を次の世代に渡したいと考えている。中小建設業にとって、技術と人を同時に守ることは容易ではないが、TRUSTEQはそこに真剣に向き合っている。「ちゃんと伝わった、という関係を大事にしたい」——その言葉が、代表の経営哲学を体現している。
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取材を通じて感じたのは、代表の「人への向き合い方」の一貫したこだわりでした。怒らず、フランクに、ちゃんと伝える——その積み重ねが、30年のキャリアと安定したチームを支えているのだと感じました。