🚛 なぜ物流業界を選んだのか?原点にある想い
前職は工場勤務だった藤原代表が、なぜ軽貨物業界へ舵を切ったのか。その問いに藤原代表はこう語る。「特に熱い気持ちがあったわけじゃないんですけど、物流社会で需要に応じて必ず必要になってくる仕事だと思って見れたっていうのはありますね」。
ネット通販が日常に溶け込んだ現代、ポチれば翌日には届く便利さを支えているのはドライバーたちだ。「当面はなくなるような仕事ではない」という確信が、藤原代表を業界へ引き寄せた。中小建設業にとっても資材搬入や現場への配送は欠かせない。物流は建設の現場にも直結するインフラである。
24歳で参入した藤原代表は、いきなり独立したわけではなかった。まず委託ドライバーとして会社に所属し、実務を体で覚えながら力をつけた。「不安というより、どうやっていこうかっていう考え方の方が大きかった」と振り返る。信頼できる仲間と二人三脚で準備を重ね、2023年4月に株式会社STORKを設立。現在は三期目を迎えている。
🔧 うちにしかできないこと──STORKの強みとは何か?
軽貨物業者は全国に大小さまざまな会社が乱立しており、一人で営む個人事業主も珍しくない。そのなかでSTORKが打ち出す差別化は、派手な設備でも独自技術でもなく、「人と人のつながりを大切にする」という一点だ。
「人と人とのつながりを大事に、っていうのを掲げていて。自分だけじゃなくて、周りの人たちがより豊かになるような会社にしていきたい」と藤原代表は語る。この姿勢は取引先にも伝わっており、「雰囲気や人間関係がいい」という声が現場から寄せられているという。
現在、社員4名に加え委託ドライバー30〜40名が稼働する。配送の約8割はAmazonの荷物で、明石・神戸エリアを中心に1日15台前後が動く。管理はLINEによる出発・日報報告で運用し、ドライバーを過度に縛らず信頼を前提とする姿勢が定着率につながっている。中小建設業の協力会社選びと同様、「雰囲気のいい会社かどうか」は長く付き合えるかどうかを左右する重要な指標だ。
⚠️ 人手不足・二次受けの壁…課題だらけの業界で、どう動くか?
創業当初の最大の苦労は「人と取引先のつながりを作ること」だった。ホームページを見て電話し、知人に声をかけ、断られながらも粘り強く営業を続けた。「ザ営業みたいな感じで、断られることは全然ありました」と当時を振り返る藤原代表の言葉には、苦労の分だけの自信がにじむ。
創業から2〜3年は、荷主とドライバーの間に複数の業者が入る「二次受け」という構造の中で利益を圧迫されながら事業を続けた。しかしドライバーたちが現場で誠実な対応を積み重ねた結果、昨年夏ごろに一次受けへの切り替えが実現した。「逆に、よくあの状態でやってたなって思いました」という一言に、その苦難の深さが伝わる。人手不足や下請け構造の問題は、中小建設業が抱える課題とまったく重なる。
人材確保に向けては、Indeed掲載や紹介インセンティブ制度の整備に加え、「よりいい車両をできるだけ安く提供する」「ドライバー側の声を積極的に汲み取る」など、働きやすい環境づくりに注力している。「人がよく来る会社より、人が長く続けてもらえる会社を目指している」。この発想は、職人の定着に悩む建設業の経営者にとっても大いに参考になるはずだ。
🌱 10年後のビジョン──地域と業界への想いを語る
STORKの目標は単なる規模拡大にとどまらない。藤原代表が見据えるのは、物流を軸にしながらホールディングス化を進め、飲食業のフランチャイズ展開も含めた多角経営の実現だ。すでに飲食部門の別会社を設立し、一店舗で加盟店として経験を積んでいる。「売上を10億まで持っていきたい」という明確な数字を掲げ、現在の約1億円から段階的な成長を着実に進めている。
ドライバーに対しては独立支援も行っており、「悪いようにはしない。仕事以外でも人として成長できるような教育も届けていきたい」と語る。稼ぎだけでなく人としての成長を支えようとする姿勢は、職人を育てることに使命を感じる建設業の経営者と重なるものがある。
中小建設業にとって、軽貨物事業者との連携は資材搬入から廃材回収まで幅広い場面で生きる。STORKのように「つながりを大事にする」地域密着の運送会社は、業種を超えた頼れるパートナーになり得る。人と信頼を積み上げながら成長を続けるSTORKの今後に、大きな期待が集まる。
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取材を通じて感じたのは、藤原代表の「不安より、どう動くか」という一貫した思考の軸だ。若さゆえの行動力と、人を大切にする経営哲学が、STORKの成長を支えている。