🏗️ なぜ建設業を選んだのか?17歳のアルバイトが原点
鈴木代表が建設業と出会ったのは、17歳のときのアルバイトがきっかけだった。「働くのが結構好きだったんで」と振り返るように、体を動かすことへの抵抗感はなく、外構・土木の現場に自然と馴染んでいった。
高校卒業後はいったん建設から離れ、さまざまな職を転々とした。そして26歳のとき、「何かで独立したい」という気持ちが湧き上がる。「自分に何ができるかな」と考えたとき、真っ先に頭に浮かんだのはかつての現場仕事だった。
それからは外構の法人会社に1年間勤め、技術と段取りを一から身につけたうえで27歳で独立。最初は個人事業主として2015年に創業し、2020年に株式会社一工業として法人化を果たした。「一年やって独立して、って感じ」という言葉どおり、決めたら動くスピード感は創業の経緯にも色濃く表れている。
千葉県市原市生まれで、小学生のころに東金市へ移り住んでからはずっとこの地で暮らしている。中学生のころから始めたサーフィンも、海に近い東金ならではの趣味だ。現在は若いスタッフと一緒に海へ出かけることもあり、オフでも互いの距離が近い。
🔧 打ち合わせから施工まで一貫対応──現場が語る強みとこだわり
株式会社一工業が手がけるのは、土木工事・外構工事・プール工事の3分野だ。個人宅の外構から企業の倉庫まで幅広く対応し、エクステリア全般も請け負う。今後は土木の受注拡大を積極的に進めていく方針だ。
強みを問われると、鈴木代表はこう言った。「依頼が来たら必ずうちのスタッフが動くんで、他の業者が来るとかそういうのがないんです。自分と打ち合わせして自分が現場に行くんで、話もきっちり通ってる」。打ち合わせから施工まで自社で完結するため、発注者と施工者の間に生じがちな伝達ロスがない。中小建設業では「誰が現場に来るかわからない」という不安を抱える発注者も少なくないが、一工業はそこをシンプルに解消している。
そして、もうひとつの自信がある。「自分で言うのもあれですけど、他の業者さんとかと比べて仕上がりは綺麗です」。謙遜を交えながらも、積み重ねてきた現場への矜持が言葉ににじんでいた。
その技術力を象徴するのが、千葉県内の高級ホテル「BPC(ボタニカルプールクラブ)」のプール施工だ。幅13メートル、長さ25メートル超のインフィニティプールをはじめ、円形プールも含む大型施設を約半年で仕上げた。「テレビCMとかでバンバン使われてたりして、これ俺が作ったって」と鈴木代表は笑顔で語る。自ら手がけた仕事がメディアに映る瞬間は、職人として最大の自慢になっている。
⚠️「仕事はめちゃくちゃある。人手が足りない」──採用難という現実
中小建設業にとって、人手不足は今や最大の経営課題のひとつだ。株式会社一工業も例外ではない。現在は代表を含む社員3名と常駐1名の計4名体制で動いているが、社員1名が退職予定という状況にある。「一人減っちゃうのは結構痛くて」と鈴木代表は率直に明かした。
深刻なのは、仕事は十分にあるという点だ。「仕事はめちゃくちゃあるんですけど、人手が足りない」──受けたくても受けられない仕事が生まれている。過去には社員5名体制を経験したこともあり、人数と売上が連動することは実感として持っている。
採用では求人媒体にも費用をかけてきたが、「結局来ないんですよね」という経験を重ねてきた。最も実績があるのは紹介で、現在のメンバーも知人のつながりで入ってきたケースが多い。鈴木代表が採用で重視するのは経歴よりも「来てくれれば、それに越したことはない」というスタンスで、未経験でも1年あれば十分に動けるようになるノウハウや実績もある。
社内の雰囲気は明るく、釣り・バーベキュー・サーフィンといったプライベートでの交流も盛んだ。「ちゃんと形に残せるものを作れる喜び、これが結構でかいな」と鈴木代表が語るように、ものづくりへの誇りが職場の空気をつくっている。
🌱 5年後は10名規模へ──形に残る仕事を、もっと広げていくために
鈴木代表は今後の展望について、「5年後ぐらいには10名規模まで持っていきたい」と語る。仕事量に対して人数が足りていないだけに、人が増えれば受注量も売上も比例して拡大する。
建設業界に入ってくる若い世代へのメッセージも持っている。「あんまりいいイメージないと思うんですよ、業界的に。ただ、実際入ってやってみると、そんなつらいことばっかりじゃないし、結構やりがいのある仕事だと思うんで。自分が作ったものがそのまま10年、20年って残っていくんで」。現場の前を通るたびに「俺がやったな」と思える感覚──それが建設業の魅力だと鈴木代表は言う。
対応エリアは千葉県全域を中心に、茨城県南部・東京東部まで広がり、条件次第では栃木・長野への対応実績もある。地域に根ざし技術と誠実さで仕事を積み重ねてきた一工業。次の成長ステージへの鍵は、ともに現場に立つ仲間を増やすことにある。
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取材を通じて感じたのは、鈴木代表の「仕上がりへのこだわり」と飾らない誠実さでした。テレビCMに使われたホテルのプールを自ら手がけながら、「これ俺が作った」とさらりと語るその姿に、職人としての静かな自負が見えました。仕事はある、あとは人だけ──その言葉の重さが、一工業のポテンシャルをそのまま表しているようです。ともに現場に立つ仲間が増えたとき、この会社はさらに大きくなると確信しました。