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🔨 千葉市を拠点に、東京・神奈川の現場で計装工事を手がける株式会社深谷電気。代表の深谷拓也さんは、一人親方として独立してから約20年、配線や盤内結線、センサー類の結線まで「町の電気屋さんがやらない仕事」を積み重ねてきました。元請けから「早くてきれい」と頼られる一方で、何より大切にしているのは安全だといいます。少人数の会社が信頼を得る秘訣を伺いました。
✅ この記事でわかること
一人親方から独立・法人化までの歩み
元請けに任される仕事の優先順位
少人数の会社の人集めと育て方
深谷さんのスタートは、社員ではなく一人親方でした。
協力会社として現場に入るうちに、周囲から独立を勧められるようになったといいます。
岡田:社長はこの会社を、どういうきっかけで始められたんですか。
深谷:もともと、この仕事をやっている会社があって、そこに一人親方で入っていたんです。社員じゃなくて、協力会社みたいな感じで一人で。
深谷:そのうちに「自分でやれば」「独立すれば」みたいな話になってきて、独立しました。最初は個人事業主で、10年ぐらいは一人でやってたのかな。
岡田:10年もお一人でやられていたんですね。
深谷:そこからだんだん人が集まってきて、売り上げも上がってきたんで、法人にした方がいいよという話になって。法人にしたのは、去年ぐらいですね。
岡田:一人親方の時代から数えると、どのくらいになりますか。
深谷:それを入れれば、20年ぐらいはやってるんじゃないかな。独立したのは大体30歳ぐらいです。
深谷電気が手がけるのは、電気配管や配線から、計装機器の結線までを含む計装工事全般です。
横浜の超高層ビル「横浜コネクトスクエア」の新築工事では、19階から屋上までの約10フロアを、当時4名の体制で約9か月かけて担当しました。
岡田:対応できる工事について、詳しくお伺いできますか。
深谷:電気配管とか、線を引っ張る配線作業、それから盤内結線。あとはセンサーや流量計、圧力計とか、いろんな機器の結線作業ですね。町の電気屋さんがやらないようなこともやる感じです。
岡田:お客さんや元請けさんから、ここが助かると言われることはありますか。
深谷:早くてきれい、っていうのはよく言われるね。ほぼ固定のお付き合いだから改めては言われないけど、ちょっと面倒な仕事だと「じゃあ頼むね」とか。
岡田:やはり一番は、仕上がりの質なんですね。
深谷:でも、建設工事の場合、一番は安全なんですよ。どんないい仕事をしても、ケガしちゃったらもうおじゃんだから。安全が一番で、最後は速さかな。
岡田:電気工事は、感電の恐れもありますよね。
深谷:あるけど、危ないところは大体俺がやるから。社員にはやらせないんです。
「危ないところは、大体俺がやるから」
── 代表取締役 深谷 拓也 氏
現在の深谷電気は、代表と社員1名の2名体制です。
以前の4名体制に戻すため、あと2名の仲間を探しています。
中小建設業にとって、人材確保はまさに共通の悩みではないでしょうか。
岡田:これまで、どうやって人を集めてこられたんですか。
深谷:同じ業界の人から「深谷さんの方で面倒見てくんない?」みたいに頼まれたり。あとは、同じ仕事を辞めて他の仕事をしていた人に声をかけて、引っ張ったりとか。
岡田:求人媒体に出されたことはなかったんですか。
深谷:一回出したんだけど、あんまりいい反応がなくて。面接もしたけど、採用まではいかなかった。
岡田:経験者と未経験者、どちらを求めていますか。
深谷:未経験でもOKです。ただ、やっぱり教えないといけないから、未経験なら一人ずつかな。あとは本人のやる気。会ってみて、だよね。
深谷:重い作業もほとんどないし、あんまり難しく考えなければ全然できる。自分でできるようになれば、面白いと思うよ。
岡田:代表は面倒見がいいんですね。
深谷:昔は厳しかったけど、今時あんまり厳しくやってもしょうがないから。優しく教えますよ。
💡 中小建設業が真似できるヒント
危険な作業は経験豊富な人が担い、新人を守る
未経験者は一人ずつ受け入れ、教える側の負担を管理する
同業者や元同僚など、身近な人脈にも声をかける
今年56歳を迎えた深谷さん。
将来について尋ねると、気負わない言葉の中に、会社を任せる人への期待がのぞきました。
岡田:人を増やした先に、こうなったらいいなというビジョンはありますか。
深谷:あんまり考えてないけどな。俺も年だから、何年もできるわけじゃない。頑張ってくれる子がいれば、会社を継いでもらってもいいし。
岡田:やはり、能動的に動ける人が向いているんでしょうか。
深谷:社長になると、作業もやって、給料の計算もやって、営業もしないといけない。早くきれいにやって見せるのも、一つの営業なんですよ。だから、普通の子より頑張れる子じゃないと難しいよね。
岡田:その後は、社員として現場に残るということですか。
深谷:そうそう。逆に俺が社員になってもいい。職人は定年ないから、動ける間はやりたいと思ってるんです。うまくいって大きくなれれば、一番いいけどね。
「職人は定年ないから、動ける間はやりたいと思ってる」
── 代表取締役 深谷 拓也 氏
🎤 社長に一問一答
Q. 印象に残っている現場は?
A.
横浜の熱源改修工事です。配線を100〜150本引っ張るので、どれがどこにつながっているか間違えられませんでした。
Q. 遠方の現場ではどうしていますか?
A.
ホテルに泊まっちゃいます。朝も楽ですからね。
Q. 仕事で譲れないことは?
A. 安全面だけは。ケガをしないことが最低限です。
Q. お休みの日の過ごし方は?
A. 休みの日は、昼間は寝てますね。
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📝 編集部コメント
取材を通じて感じたのは、深谷社長の「危ないことは自分がやる」という一貫した姿勢でした。早くてきれいな仕事の土台に、仲間を守る安全への責任感がある。少人数の会社が元請けから長く頼られる理由が、そこにあるように感じます。