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建設業界では近年、脱炭素や省エネ、生産性向上といったテーマへの関心が高まっています。その中で注目したいのが、「既存の資源に新たな価値を加える」という考え方です。
2026年4月にコロンビアで開催された日コロンビア農業及び農業投資に関する合同委員会では、日本企業の技術として丸山製作所のウルトラファインバブル技術が紹介されました。農業分野の話題ではありますが、その背景には建設業にも通じる経営のヒントが隠されています。
『株式会社丸山製作所(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:内山剛治 以下「当社」)は、2026年4月23日から24日にかけてコロンビア共和国ボゴタ市で開催された「第1回 日コロンビア農業及び農業投資に関する合同委員会」(以下 「合同委員会」という。)に参加し、当社独自のウルトラファインバブル技術「MUFB(Maruyama Ultra Fine Bubble)」を紹介いたしました。』
引用元:株式会社丸山製作所プレスリリース(PR TIMES掲載)
丸山製作所が紹介したMUFBは、水の中に極めて小さな気泡を発生させるウルトラファインバブル技術です。同社はコロンビアの花卉農業を対象に、生産性向上や品質向上につながる可能性を提案しました。現地では農場視察や製品展示も実施され、今後の事業化に向けた検証が進められる予定です。
一見すると農業向け技術の話に思えますが、建設業にとっても学ぶべきポイントがあります。それは「新しい設備を大量に導入する」のではなく、「今ある資源の価値を高める」という発想です。
建設会社でも同様に、保有機械や車両、作業工程、人材など既存資産をどう活用するかが経営課題になっています。特に中小建設会社では、大規模投資よりも既存設備の効率化による利益改善が現実的な選択肢です。
丸山製作所の取り組みは、水という当たり前の資源に付加価値を与えることで、新たな市場を開拓しようとする事例といえます。
建設業界でも近年は単なる施工会社から脱却し、付加価値を提供する企業が増えています。
例えば、ドローンによる測量サービス、ICT建機を活用した施工管理、遠隔監視システムの導入、環境負荷を抑える施工提案などが代表例です。
以前は「工事を行なうこと」が主な価値でしたが、現在は「工事をより安全に、より早く、より環境負荷を抑えて実施すること」が評価される時代になっています。
そのため、顧客が求める課題解決に着目し、自社独自の強みを持つ企業ほど競争力を高めています。
建設円陣PLUSではこれまでにも、丸山製作所の取り組みを紹介してきました。
「人手不足時代の建設現場 “洗浄効率化”がコスト削減につながる理由」では、同社のウルトラファインバブル技術が洗浄工程の効率化やコスト削減に活用される可能性を取り上げました。人手不足が深刻化する中、限られた人員でより高い生産性を実現する技術として注目を集めています。
また、「建設業にも広がる『共創型R&D拠点』 環境配慮と防災を両立する新時代の研究施設とは」では、同社が参画する研究開発環境を紹介しました。環境性能や防災性能を備えた施設の中で、新たな技術や製品の創出に取り組む姿勢は、建設業界におけるイノベーションの重要性を示す事例として紹介しています。
今回のコロンビアでの技術紹介は、これらの研究開発や国内での実績づくりの延長線上にある取り組みといえます。研究開発で生まれた技術を実用化し、さらに海外市場へ展開する流れは、多くの中小企業にとっても参考になる成長モデルではないでしょうか。
今回の事例では、農林水産省による国際協力の枠組みの中で日本企業の技術が紹介されました。
建設業界でも近年は自治体との防災協定、インフラ維持管理、地域活性化事業など、官民連携の機会が広がっています。
また、国内市場の人口減少が進む中で、海外市場への関心も高まっています。実際に建設機械メーカーや資材メーカーの中には、東南アジアや中南米市場への展開を進める企業も少なくありません。
中小企業であっても、独自技術や専門ノウハウを持つ企業には新たなビジネスチャンスが生まれる可能性があります。
物価上昇や人手不足が続く中、単純な受注拡大だけで利益を確保することは難しくなっています。そのため今後は、自社が持つ技術やノウハウをどのように付加価値へ変換できるかが重要になります。
省エネ提案が得意な会社、ICT活用に強い会社、特殊工事に特化した会社など、それぞれの強みを磨くことで価格競争から抜け出しやすくなります。
今回の丸山製作所の事例は、既存技術を国内だけでなく海外市場にも展開し、新たな価値を生み出そうとする好例といえるでしょう。
コロンビアで紹介された丸山製作所のMUFB技術は、農業用水に新たな価値を与えることで生産性向上を目指す取り組みです。その考え方は建設業にも共通しており、既存資産や技術に付加価値を加えることで競争力を高めるヒントになります。人手不足や価格競争が続く時代だからこそ、自社ならではの強みを見直し、新たな価値創出につなげていくことが重要ではないでしょうか。
今回のコロンビアでの取り組みは、建設円陣PLUSでこれまで紹介してきた洗浄効率化や研究開発拠点での活動が、海外市場での展開へと発展した事例でもあります。継続的な技術開発が新たな市場を切り開く好例として、今後の動向にも注目したいところです。
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「建設円陣PLUS編集部」は、建設業界に特化したプラットフォーム「建設円陣」を運営する株式会社エンジョイワークスの編集チームです。中小建設業の経営・人材・現場課題を、国土交通省・厚生労働省、業界専門紙や公的機関の情報をもとに解説します。